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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第2章 ドライカの街②

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第43話 魂の一撃


 ピクニックの予定より早く家を出た。

 日が昇り始めた。朝6時。

 

 メンバーは、

 父ロキ、母アンネ、兄グルーガ、姉フラン、兄マルク、そして僕ルーベン。アートルド家6名。

 父ルーカス、娘アモのレーベン家2名。

 そして父ロキが急に呼び寄せた。

 ドライカ騎士団副隊長ペンス。

 ベン爺は家でお留守番だ。

 

 誰がどう見ようとも、これから上級の魔物コカトリスを討伐しにいくには見えない。

 ある者は片手に釣り竿を…ある者は美味しい匂いがプンプン漂う大きなお弁当を…ある者は背中にバーベキューで使う網を……


 それを南門で待っていたネヴィル子爵が声を上げた。

 

 「コカトリスを討伐しに行くのだよな?」


 「父上あれ誰ですか?まさか横取りを狙う敵勢力ですかね?」

 ルーベンは初めて会うので領主の事は知らない。 


 「馬鹿!!なんて口を……この方は、ネヴィル子爵だ。このドライカ周辺を治める領主様だぞ。」


 「よい。子供のする事だ。それよりもロキよ。もう1度聞くが…コカトリスを討伐しに行くのだよな?」


 「はい。昨日、使いの者にも説明しました。実は今日、休みを貰っていまして…ピクニックのついでに、コカトリスを倒すと伝えたのですが……。」


 ネヴィル子爵は大きな口を開け固まっている。

 「あれは…私逹を思って言ったのではなく?本当にピクニックを?」


 「はい……そう言っております。」

 目が泳ぐロキ。


 「ハハッ。ハハッ。面白い。執事よ。我もピクニックに着いていく。そう皆には伝えよ。ついでにコカトリスを倒すまで同行する。いいな?ロキよ。」


 そこでルーベンが待ったをかける。

 「待って下さい。領主様。お初にお目にかかります。ロキ•アートルドの息子ルーベン•アートルドと申します。先程の無礼申し訳ありません。同行するには条件があります。」


 「コラ。ルーベン!!」

 怒るのはロキ。


 「よい。当たり前だ。いきなりの同行だ。子供の言う事も聞こうではないか。して条件とは?」


 「まず1つ、コカトリスの倒し方については秘密にしていただきたい。あとは、コカトリスの素材は倒した者が好きにするという条件です。」


 「いいだろう。倒し方を秘密か…ロキ秘伝の技と言った所か。素材も好きにしていいぞ。コカトリスを討伐出来ればそれでよい。話しには聞いていたが、なかなか面白い子だな。エナ村でも活躍したらしいではないか、将来が楽しみだ…なぁロキよ。」


 「そうですね。ハハッハハッ。」


 ロキは考える事を辞めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー


 フーリの湖


 南へ歩く事1時間、豊かな森を抜け、フーリの湖が見える位置に到着する。その光景を見た一同は驚く。


 あれ程に綺麗だった湖の水が、紫色に濁っているではないか。まだ範囲は少ないが徐々に広がっているように見える。


 「いました。今はちょうど湖のそば…木の下で寝ていますね。あそこです。」

 

 鷹の目のスキルを使ったペンスがいち早くコカトリスの居場所を発見する。僕達がいる湖の反対側だ。距離にして100メートルは離れているだろう。


 「それでは昨日言った作戦通り。始めましょう。でも木が邪魔ですね。頭を狙いずらい。誰かコカトリスを起こして湖の方に誘導してくれますか?」


 ネヴィル子爵は、なぜ少年が作戦を進めるのか気になってはいるが、他の皆が素直に言う事を聞いている為。口を挟む事はせず見守る事に決めた。


 「それなら私が弓で……」

 ペンスが手を挙げる。そこで子供逹が声を上げた。


 「起こせばいいんだよな。」

 「遠距離なら魔法よ。」

 「僕は魔法が苦手…。でも起こすなら、あれだ。」

 

 ペンスさんもここは子供逹に譲るようだ。

 まず動いたのはマルク。


 「へへーん。見てろよー。起こしてやる。」

 スッー。

 『おーきーろーーーー。アホどりーーー。』



 馬鹿でかい声がこだまする。

 うん。起きない、次!!


 「馬鹿ね。そんなんで起きたら苦労しないわ。見てなさい。」


 次は姉フランが動く。どうやら魔法を使うようだ。


 「ウォーターショット!!」

 

 フラン姉さんは火魔法が得意だが木々がある為、水魔法を使ったのだろう。周りの事も考えられるいい姉だ。


 ポチャン。湖に水弾が落ちる。


 ダメだ。飛距離が足りない。

 

 「ふん。火魔法なら届くわよ。グルーガ兄さんお願い。」


 分かっていますよ。火魔法なら届いていました。

 最後に長男グルーガ兄さん。


 「仕方ない。…ウィンドカッター!!」


 威力も十分。これはコカトリスに当たる。


 バシュン!!


 ペンスさんが答える。

 「当たりましたが、少し起きただけで本人は気にしてませんね。また寝ましたし。やはりあの皮膚は相当厄介ですね。私がやります。」


 そこでまた待ったがかかる。

 「わたしがやるわ。弓なら持ってきたの。」


 アモが声を上げる。

 皆は届かないと思った…ペンスとルーベンを除いては。


 フラン姉さんが心配して声をかける。

 「アモちゃん。気持ちは嬉しいけど、この距離は無理よ。ペンスさんなら分かるけど。」


 「はい。わたし1人では無理です。でもルーベンと一緒なら、きっと届きます。」


 自信を持って答えるアモに、母アンネが…


 「そうね。思いは届くわ。いえ…もう届いているわ。そうでしょ?ルーベン。」


 母アンネと姉フランが目を輝かせている。

 (こうなったらダメなやつだ。無視が1番。)


 「アモ。やりますよ。けど筋肉に負担がかかるので1発だけですからね。」


 『キャァーーーー。』

 (五月蝿い。)



 「では…闇魔法•やみまといくろの弓。更にくろの籠手。」


 それぞれの部分に黒い闇が纏わりつく。

 闇魔法の効果により、武器の威力の上昇。更に纏っている部位の身体能力上昇。


 「ありがとう。更にわたしも…スキル発動。弓術(小)。これで届くかなペンスさん。」


 「そうですね。私はしっかりと力を使えれば届くと思います。でも、届くのと当てるのは別。まず風の流れを読みなさい。時間は十分にある……練習通り落ち着いて。」


 「はい。」


 そこから、アモは目を瞑り。

 精神統一……ゆっくりと足を開く。弓を左膝に置き、右手は右の腰へ。

 そして右手を弦にかけ的を見据える。そのまま両拳を同じ高さに持ち上げ、弦を引く。


 ギリッギリギリッ。

 弓特有の、なぜか心地よい音が鳴る。

 狙いを定め。放つ……



 パンッ!!


 残心(残身)も美しい。

 

 皆が、アモに見とれている。


 弓を追うのは、ペンスとルーベン。


 「練習通り。良く出来ましたね。」

 バシュ!!

  

 『コケーーーッ!!』

 コカトリスの足に弓が刺さった。

 

 皆喜んでいる。しかしこれで終わりではない。

 コカトリスは怒っている。すぐにこちらに気付き向かってくるだろう。

 

 そこで、ルーベンがある人を呼ぶ

 「ルーカスさん。ここへ。」


 「本当にやるのかね?ルーベン君……。」

 渋々と言った感じのルーカスさん。


 「当たり前です。まだ全力で使ったことがありませんでしたから。良い機会ですからね。それに、このままだと、コカトリスがここに来ますよ。」

 

 「分かった。やってくれ。掛け声はやっぱりルーベン君にお願いするよ。」

 

 「分かりました。調整は僕がやりますから、ルーカスさんは手を前に出して構えて下さい。」


 それを横目で見ているロキとネヴィル子爵。

 ネヴィル子爵は何をするのか興味津々のようだ。


 手を前に……いや、ブラッドメタルを構えるルーカス。

 それにルーベンは手を当てて魔力を流し込んでいく。


 「トランスフォーム!!」

 なんと腕が砲に変わっていく。


 コカトリスがこちらの居場所に気付き、湖を渡って来ている。


 コケーーー。バシャバシャ。

 

 口からは毒が漏れ、湖はコカトリスが入った瞬間、先程より濃い紫色に変化した。


 「ルーカスさんやっぱり、最初だけ言って下さい。お願いします。」


 「分かったよ。掛け声は絶対!嫌だからね。では……ごほんっ……トランスフォームアーマー•ブラッドメタル。システム、オールグリーン………。」


 「やめてぇー。パパをそっち側に連れていかないでぇー。」

 なにやらアモが叫んでいるが……


 「今1番良い所なんですら、静かにして下さい。しかし…『オールグリーン』これを生で聞く事になるとは。痺れます。男の浪漫です……おっといけない取り乱す所でした……魔力充填完了。ブラッドメタル、魔力マジックキャノン…準備完了!!」


 「………いつでもいけます。」

 「うむ。それでは……。狙うは憎きコカトリスの頭部。魔力マジックキャノン最大出力。3…2……」


 『発射!!!』


 キュイーン……ズドーーン!!!


 一筋の光がコカトリスの頭部へと一直線に向かっていく。


 「パパー。言わないって約束したのに。いやぁー。」

 1人の少女を押さえるグルーガ。

 「諦めろ。」「かっけぇー。」「……。」「……。」

 女性陣も

 「……あらあら。」「くたばりなさい。ピクニックの邪魔をした罰よ。」


 各々の気持ちを乗せた、魔力マジックキャノンは、狙い通りコカトリスの頭部へ当たり……威力が弱まるまで地表をえぐったのである。


 




 

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