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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第1章 ドライカの街①

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第25話 ロキ対ブラッドウルフ1

 

 隠蔽のスキルをかけてもらったロキは真っ先にマヤの森へと向かう。魔物に気づかれないよう慎重かつ大胆に。

 

 隠蔽中は自身のスキルは使えないが、それでも剣豪の称号を持つロキは、スキルを使わずとも森の入り口までおよそ2分程で到達してみせた。


 (ここからは森の中……ここからは更に慎重に…。)


 森に一歩踏み入れると同時にロキは思った。

 肌で感じる強者の気配。近くにいると……

 


 隠蔽の効果があと30秒程で切れる……その時。

 (いた!!あいつか。)


 ついにロキは魔物を操る親玉を視界にとらえることに成功する。


 その魔物は木々の間から、まっすぐエナ村を見据えていた。

 全身が真っ黒な毛で覆われている犬型の魔物。

 鋭い牙、鋭い爪を持ち

 立ち上がると3メートル近くになる。


 ロキはその特徴から、この魔物を、ブラッドウルフと推測する。

 (十中八九、上級魔物!!)


 ブラッドウルフとの距離は、およそ10メートル。

 ロキはこの距離が気がつかれないギリギリの距離と判断する。

 隠蔽の残り時間は、あと10秒……


 心を落ち着かせる。

 焦り•怯え•恐怖……戦闘に邪魔な感情をすべて排除した。

 残り…3…2…1…。

 

 ゆっくりとロキは剣を上段に構えた。

 (身体強化(中)•火剣!!)

 隠蔽の効果が切れると同時、地面を蹴り自身の持つスキルを発動して、上段からブラッドウルフの首に向かって真っ直ぐ剣を振り下ろす。



 ブラッドウルフは突如出現した強者の気配に驚いた。


 右後ろ後方。何かがいる……頭を向けると、剣を振り下ろす者を視界にとらえる。


 避けられるはずもない。

 一太刀で命すら刈り取るであろう攻撃はブラッドウルフの首に届いた。

 ブラッドウルフは敗北を確信し……

 一方ロキは勝利を確信する。


 (貰った。避けられない。)


 ブラッドウルフの首に刃が当たるその瞬間。

 

 両者共に予想外の事が起こる。


 ブラッドウルフを操る為に首に取り付けた魔道具。

 その魔道具には壊されないように、攻撃(魔力)を感知して魔力障壁を1度だけ展開する機能があった。その為……


 キンッ!!

 魔力障壁とロキの剣がぶつかる。


 (なにっ?これは魔力障壁?だが…)


 しかし剣豪の全力の一太刀。魔力障壁を切り裂き、関係ないとばかりに、そのままブラッドウルフの首を切り裂いた。


 「ちっ!浅いか……しかし魔力障壁とは。」


 魔力障壁の稼いだ時間のおかげで、ブラッドウルフは致命傷を避けることに成功する。


 この時、ブラッドウルフの首に取り付く魔道具にヒビが入ったのだが、ロキは魔道具の存在を知らない。

 ブラッドウルフが操られているとは思ってもいなかった。


 両者は1度の攻防で互いに実力者と認める。

 次に動くのはブラッドウルフ。

 自身の姿、居場所がバレた為、隠していた魔力を解放する。さらに自身のスキルも発動。


 身体強化(中)ならびに魔力爪マジッククロー

 魔力爪マジッククローは魔力を爪に纏うことで、最長で2メートル程の爪の刃を形成出来る。


 ブラッドウルフは魔力爪で強化した爪をロキに向かって振り下ろす。

 

 普通なら避けの一択であろう攻撃をロキは、剣で受け止め、いなす。

 それと同時に攻撃にも転じる。スキル火剣を使用している為、火が剣に纏わりついているが下段から剣を振り上げると、火の刃がブラッドウルフに向かって襲いかかる。

 

 ブラッドウルフも負けじと、もう片方の魔力爪を纏った爪で火の刃と交差する。


 ザザンッ!


 威力は互角。


 この時ロキはどうやって森から引きずり出すかを考えていた。しかしブラッドウルフが予想外の行動に出る。


 赤く光る目でロキを見据え、ついて来いとばかりに首を捻る。


 「ガウッ!!」


 「!?」



 ブラッドウルフは知能も高い。

 一連の攻防で、この者が、私を森の奥に逃げられないよう立ち回っていることに理解した。

 

 私が逃げると思っていることに腹が立つ。

 

 仲間を殺され……私を改造して、魔道具を付けたあの白衣の男に恨みはあるが、あの男がいなけば、このような力は得られなかった。


 純粋な戦闘をしたい……そう思える敵。

 開けた場所での戦闘は私も望むところ。

 昨日から観察していて、この者が1番強いのは分かっている。

 倒して私の力を示し…癪だが命令通り人間を滅ぼしてやる。




 ロキは驚く。

 ブラッドウルフが自ら森の外へ出て行くのだから。


 「なんだ。あの目、あの態度……ついて来いだと…面白い。」

 

 ロキも同じように、自身の剣豪として騎士団の隊長としてのプライドを刺激した。


 予定とは違うが、両者共に森から出ていくのであった。





 「見ろ!!デカい魔物が出てくるぞ。」

 「あれが、親玉……。」「ロキ隊長も一緒だ。」

 「それにしては、様子が変だ。」



 両者共に、開けた場所に移動すると。ロキが声を上げる。


 「予定と多少違うが、こいつは私1人で相手をする!!正直に言う。下手な援護は足手まといだ。こいつの相手は私にしか務まらん!!決して手を出すな!!」


 

 するとブラッドウルフは吠えた。


 「ガァオーーーン!!」

  すると村を襲っていた魔物達の動きが一斉に止まる。


 「なんだ?魔物達が帰っていく?」

 「それにしても今の声…聞いたか?」

 「村の西側だ。西側に移動しているぞ。」


 異変を察し。戦っていたすべての人達、そして呼び寄せた魔物達が村の西側に集結した。


 150体程の魔物達は森の入り口に並ぶ。

 そしてブラッドウルフが前に出る。


 こちらも騎士団、冒険者、村人。合計でおよそ150人。

 戦闘に参加していたすべての人が村の西側に集まる。

 前に出るのはドライカ騎士団隊長、剣豪ロキ。


 お互いの距離5メートル。


 「グルルッ!!」


 「さぁ2回戦……始めようか。」




 


 

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