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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第1章 ドライカの街①
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第13話 いざエナ村へ


 〜ドライカ西門〜


 ルーベン達は準備を整えて西門に到着した。

 そこにはドライカ騎士団約50名および医師団10名。そして冒険者約20名が集合していた。先行部隊として20名ほど向かわせたらしいので合計約100名の救援部隊だ。


 (こう見ると凄いな。みんな実力者揃いだ。)


 そこに1人の男性が近づいてきた。ペンスさんだ。何度か家にも来たことがあり、僕のことをルー坊!って呼んでくる。ドライカ騎士団の副隊長だ。

 防具を来ていても体は引き締まってるの分かる。長身、髪の色は茶髪。短髪でイケメンお兄さんって感じの人だ。


 「隊長。全員準備完了してます。いつでも出発出来ます。」


 「よし。では。」


 静まり返る。


 そして父ロキが皆に届く声で。

 「良く集まってくれた。現在エナ村が魔物達に襲われている。勇気を出して立ち上がってくれた騎士そして冒険者の諸君。ここに集まってくれた全員が仲間であり、同志だ。いいか必ず生きて戻ってこよう。1人も死ぬことは許さない。これは命令だ!死ぬな!そして終わったら皆で美味しい酒でも飲み明かそうじゃないか。」


「オー!」「ロキ隊長!」

「わかってるじゃねぇか。冒険者は酒好きさ。」


 スーッ。

 「「「では!出陣!!」」」




 いま父上の愛馬に一緒に乗っている。

 出陣する前に僕を連れて行くことの説明をみんなに少しだけした。魔力量のことはもちろん伏せて話しをして、大人顔負けの土魔法を使えること。絶対に戦闘には参加させないことを伝えた。皆には反対されたよ。そりゃそうだよね。鑑定の儀を終えたばかりの子供が何が出来るって……そしたら父上が。


 「私の子だぞ。」

 「!!」


 この一言で、皆納得した。特に騎士団の人達なんか、「隊長の子だもんな。」とか「流石剣豪の血を…」とか、父上は皆にどう思われているのか、少し分かった気がした。


 

 そして事前に父上と決めたことがある。

 流石に魔法をなりふり構わず使っていては、尋常ではない魔力量の多さに勘が鋭い者達は気がつくだろうと。

 父上も僕も魔力量についてはなるべく伏せておきたい。

 でも手を抜けるかと言われたら、全力で魔法を使うだろう。

 

 だから父上はある案を決めた。もっとも信頼している副隊長のペンスさんにだけ、ある程度話すことにした。

 それにペンスさんは土属性魔法の適正持ち、もちろんレベル•魔力量も多く、一緒に魔法を使えばどうみてもペンスさんがやったと思うって作戦だ。

 ペンスさんには悪いが犠牲になってもらうことに決まったのであった。


 エナ村に向かう最中、いま父上が説明している所だ。


 「ルー坊は他の子供と比べて出来る子供だと思ってましたが………確かルー坊の魔力量は100程だと言ってましたよね。隊長の言い方だと…それ以上。鑑定の儀での結果が誤りだと言ってるようなもんですよ。それも問題ですけど……どれほどの魔力量を持っているんです?」


 「まぁ〜あれだ……とにかく多い。」


 「はぁ〜隠したい気持ちも分かりますがね。隊長もご存じの通り私の魔力量は180です。それよりもですか?」


 「そうだ。ペンスの考えよりも遥かに上だ。」


 「!!それ程ですか………分かりました。だいたい隊長の考えてることが分かりました。もう魔力量のことは詳しくは聞きません。ルー坊のことは任せてください。どの道レベルと魔力量の高い土魔法使いは私ぐらいでしたからね。ルー坊を連れて来た意味がわかりましたよ。」


 「あぁ。頼んだぞ。」


 「はい。!!」


 それからペンスさんと打ち合わせした。エナ村に入ったら土壁アースウォールで魔物が多い場所、損傷が多い場所を先に補強すると。ちなみにペンスさんの能力はこれだ。


 名前   ペンス•キルトン

 種族   人族 33歳

 武器   剣(C) C

      弓(B) B

 魔法   土(B) B

 魔力量  180/180

 スキル  身体強化(小) 魔術(中)

 弓術(中) 鷹のホークアイ

 称号   なし

 

 副隊長だけあって、能力が高い。得意なのは弓と魔法を使った中•遠距離の攻撃。それに加えて接近戦もこなせると。

 僕の目指す理想とする形にほぼ似ている。ペンスさんにも時間があれば教えを請いたいものだ。



 


 進むにつれ空気が変わるのを子供ながらに理解した。

 


 エナ村が見える位置に。皆、真剣な表情だ。

 すると先行していた騎士団員が報告しにやってくる。

 一瞬僕を見て驚いたが、報告を始める。


 「隊長!報告通りエナ村で現在魔物と交戦中。冒険者と村人の力でなんとか踏みとどまってはいますが、村の塀は損傷が激しくいつ壊れ村に魔物が流れるか分かりません。数はおよそ100です。ゴブリン、オーク、コバルト、ウルフ系の魔物。多種多様でした。比較的魔物の数が少ないのは北側になります。」

 

 「ふむ……やはり挟撃は難しいか。」

 少しの沈黙……


 「よし……これから北側に突撃を開始する。接近戦が得意な者は私について来い。中•遠距離型、ならびに支援型は村を一直線に目指せ。安心しろ。ひとつも触れさせはしない。その後、ペンスならびルーベンは塀の修復、および設置。そこはペンスに任せる。あとは各班、各自で怪我人の治療、ならび塀の上からの攻撃を頼む。いいか誰一人死んではならない。これは絶対命令だ。危ないと思ったら村に避難しろ。以上。」


 「はい。」「よし。やってやるぜ。」

 「冒険者の力を見せてやる。魔物供。」


 そして突撃の準備が完了する。


 「ルーベン。心配するな。なにがあろうと守ってやる。アンネとの約束も覚えているな。」


 「はい。父上もどうかご無事で。」


 「まさか我が子と一緒に戦場に立つとはな……」


 「隊長!ルー坊はおまかせを。」


 「あぁ。ペンス。頼んだぞ……ルーベン!!決して無理はするなよ。」

 

 「はい。」


 「それじゃ村の中でまた会おう。」


 「はい。」


 「スーッ!!目指すはエナ村!!突撃を開始する。私について来い。行くぞー!!とつ•げきーーー!!」


 「オー!!」「オー!!」「よっしゃぁー。」

 「行くぞー!」「まかせろー」


 こうしてエナでの戦いの火蓋が切られたのであった。





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