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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第4章 テオドール学園編②

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第99話 領主邸


 ブルーナさんと2人、領主邸の見える位置に到着した。

  (魔力感知!!)

 「人数は正面入り口に2名、裏口にも2名。建物の中に8名の合計12名です。」


 静かな声でブルーナに伝える。


 「中の警備が何人か分からないからな。領主はおそらく2階の寝室だろう。そこは動きがあるか?」


 「………いえ。動きはありません。」


 「分かった。私についてこい。あともう1度、隠蔽をかけなおすぞ。」


 そして警備の動きを見ながら進んで行く。

 塀を乗り越えて庭から侵入し、一階の誰もいない部屋の窓から侵入した。そこからは目的の領主がいる寝室を目指す。

 

 「!!!」

 ハンドサインで止まれの合図。

 2階に警備員が1人。静かに廊下を歩き回っていた。廊下には隠れる場所があまりない。

 どうやらブルーナさんが無力化させるみたいだ。


 「ルーベンは周りの警戒をしてくれ。」


 おそらく身体向上系のスキルを使ったのだろう。物音1つも立てないで警備している背後に一瞬で移動すると、首に一撃、手刀を当て気絶させる事に成功した。

 誰にもバレていない事を確認すると、そのまま領主が眠る部屋の鍵を開けた。

 「開けたら、私がすぐに領主を起こす。ルーベンは鑑定をして結果を直ぐに教えてくれ。奴隷紋を発動する。」


 「コクッ。」


 カチャッ。


 鍵を開けた瞬間、ブルーナは領主の元へ静かに駆け出した。それについていくルーベン。


 「起きろ。ナイハム領主!!」


 寝ている領主に短剣を当てている。目を覚ますが、この状況を理解出来ていない。

 「騒いだら殺す。喋っても殺す。動いても殺す。分かったら頷け。」

 「コクッ。」


 鑑定していたので、直ぐに鑑定結果を伝える。


 「お前の名前はナイハム、48歳、適正は剣、弓、火魔法、スキルは剣術と火剣だな。それでは契約を開始する。奴隷紋……発動。」


 ナイハムの手に奴隷紋が浮かび上がった。

 どうやら無事に成功したみたいだ。


 「奴隷から解放されたければ私の言う事を聞け。1つ、私達の事は誰にも話すな。2つ、私達の質問に正直に答えろ。3つ、私達に危害を加える行為をすべて禁ずる。これらをひと月の間守る事。そして契約を破ればもちろん罰がある。1度目は注意、2度目は警告、3度目は死だ。分かったな。」


 「コクッ。」


 「よし。これで契約完了だ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それから領主ナイハムを椅子に座らせる。

 奴隷紋の契約で危害は加えてこないと思うが、逃げられないようにブルーナさんが背後に立つ。


 「まずは魔物モンスター種子シードについて知っている事を話せ。」


 「し、し、知らない。なんだそれは…。」

 

 ナイハムの奴隷紋が赤く光り出す。


 「1度目は注意だ。次に嘘をついたら…体中に激痛が走るぞ。もちろん3度目は死だ。もう1度聞く。魔物モンスター種子シードについて知っている事をすべて話せ。」


 ナイハムは震えている。それもそうだ…近くでブルーナさんの殺気を浴びせられ、訳の分からないスキルを使用されているのだから。


 「…分かった。魔物モンスター種子シードは、名前の通り魔族を魔物化する種子だ。2年前に国民全員に配った…お前達も配られたはずだ。それを食べた者に一定の魔力を流すと魔物化する。私も食べた…その時は、魔物化するなんて知らなかったからな。そして、その後に魔王軍から事実を知らされたんだ。この町で知っている者は私だけだ。」


 「ほぉ。それなら脅されていると言う事か?」


 「そうだ。どうにかならないか私なりに調べたさ。種は体内に入ったら取り出せない。正確に言うと種を取り出すと死亡する。体内の組織に絡みついているからな。だから町の者が魔物化しないように軍の命令に従うしかないんだ。」


 ここでルーベンも話に加わる。


 「種は貰えないのですか?新しく産まれた子供もいるでしょう。その子達はどうするのですか?」


 「……地下室にある。この町の魔物モンスター種子シードの管理は私がしているからな。」


 「それは良かった。後で持ってきて貰うとして……孤児院の子供達はどうなったんです?」


 「魔物化の人体実験に使われていると聞いている。2週間経ったからな…おそらく生きてないと思う…可哀想だがな。仕方なかったんだ……他の町や村でも同じよう事をしている!1000人の命と、孤児院の10数人の命どっちを取るかなんぞ、決まっている!」


 「うるさいぞ!声を荒げるな!」


 ブルーナが止めに入るがナイハムの言う事も分かる。

 そして民からもナイハムは慕われているのは知っている。2日間で領主の事を聞いていたから。


 「すまない…だが知っている事はそれだけだ。私は目の前で見たんだ…魔物化する様子を…あれを見たら従うしかない。魔力を流す魔道具を軍は持っているからな。」


 「軍がこの町に来たのは2週間前と言いましたよね?今どこにいるのか分かりますか?領主なら知っているでしょ?」


 「知っているが…接触するつもりか?やめておけ。魔物化されて、それで終わりだぞ。魔物化したら理性も記憶もなくなる。ただの魔物になるだけだ。」


 「それでも行きます。教えて下さい。」


 「……今はオーランド町に向かったと聞く。この町から更に北に行った町だ。魔物モンスター種子シードも渡す、だから私達の事は言わないでくれ。私はこの町の住民を守る義務がある。」


 「分かりました。あなたの事は喋りませんよ。他に魔王や魔王軍について知っている事はありますか?例えば魔物を操ったり、魔王の子供の話とか。」

 

 「………。すまない。他は知らない。」


 奴隷紋は発動してない。

 本当なのだろう。

 ブルーナさんと目が合った。もう時間もない。最後にナイハムに魔物モンスター種子シードを取りに行かせた。


 「この袋に魔物モンスター種子シードが10粒入っている。」

 

 「ナイハム。孤児院の子供達に関しては悩んだのだろう。その答えが間違っているとは思わん。私もナイハムの立場なら、そうしたかもしれん。しかし孤児院で帰りを待つ人がいるのだ。ずっと門の前に立ってな……。真実を教えろとは言わないが、何か考えてやれ…。これは奴隷紋とは関係ない。私の意見だ。」


 「そうだな。考えよう。あと最後にひとつ…本当に軍の所に行くのなら『スペンサー』と言う男には気をつけろ。8人程で動き、実験に使う魔族を探しているが、その中でスペンサーは隊長を務めてる。そして魔物化させる杖の形の魔道具を持っているからな。範囲は分からないが、近づくと危険だからな。」


 (ナイハムも辛いのだろう。ダメな事とは分かっていても逆らったら魔物化だ…家族も民も全員が人質の中、1人で考えて闘ってきた。僕がナイハムだったら、孤児院の子供達をどうしていたんだろうか。考えても分からない……難しい問題だ。だがこれだけは分かる。魔王ディノンをこのままにしてはいけないと。)


 ついに魔物モンスター種子シードを手に入れたルーベン達。しかし宿屋までの足取りは重かった。


 (レオンさんも国民を救う方法を見つけられなかったから戦う事を決めたんだ。それを僕達が見つけられるだろうか…。)


 

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