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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第4章 テオドール学園編②

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第97話 バイロン町


 「おっ!さっそく私の命令を破ったみたいだぞ。」


 そう言ったのはブルーナさん。奴隷紋をかけた相手の行動で命令を破った場合は分かるみたいだ。


 「凄いですよね。奴隷紋の能力。命令を出して結果的に相手を操れますし、それに紋を施せば効果範囲も無限では?」


 「いや…私はそこまで強い能力だと思っていない。相手の情報が必要だし、操作系の能力では確かに効果範囲は広いが、逃げ道もあるしな。」


 どうやらノアは分かっているみたいだな。

 「そうですね。死のうと思えば自分で死ねます。例えば情報を吐けと命令しても、自身の命を代償に答えない事が出来る訳ですから。」


 「まぁ。細かな詳細を知りたいのなら第5王国騎士に入隊すれば教えてやるぞ。ハハハッ。」

 

 「知りたいですけど。それなら大丈夫です。ふふふ。」


 (今回の作戦、僕の鑑定と合わせて、ほぼ確実に奴隷紋を発動出来る。それを使ってどこまで情報を集められるかが鍵となるな。)



 それから街道整備に復帰したルーベン達。

 半分の整備を終わらせて、ガンダリアン魔国領のバイロン町へと向かうのであった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 〜バイロン町〜


 100年前に戦争が終わり、交易を行う町として80年程前に作られた町。今では1000人程の魔族が住んでいる。

 魔族の中でも人族に対して良好的な者が多いと聞く。


 「情報はこれぐらいだな。後は入ってみないと分からん。とりあえずは宿を探そう。話はそれからだ。」


 今はバイロン町が見える位置まで来ている。

 見た感じは人族の暮らす町と変わりはない。街道整備の書類を警備の人に見せて僕達、合計10名が魔族の町『バイロン町』に足を踏み入れた。


 思っていたより賑やかな町。

 見渡せば魔族がいる。額にはツノが生え、それ以外は人族と大差がない。向こうも人に慣れているのか変な目で見られる事もなく、何事もなく宿屋に着いた。


 『いらっしゃい。人族の方だね。』

 「ああ。10名で、とりあえず10日程泊まりたい。お願い出来るか?」

 

 『いいよ。バイロン町は初めてだろ?見れば分かるさ。落ち着きがないからね。そんな警戒して別に取って食いはしないよ。この町の皆んなは優しいから安心しな。ハハハッ。』


 それから部屋を取り、ブルーナさんの部屋に集まる。

 「まずは情報収集だな。今日は全員でバイロン町を回ろう。怪しい者がいたら報告してくれ。」

 

 そう言って、まずはバイロン町を出歩く事に。

 嫌悪感もなく、普通に挨拶してくる魔族の人達。

 

 「私達が考えすぎなのかもしれないな。」

 「うーん。なんか拍子抜けしちゃった。」

 「この町だからかも。」


 各々が感想を述べる中ノアだけが黙り込んでいる。

 「ノア。魔族を恨んでいるのか?」


 ルーベンはノアに聞いた。家族を殺されて、弟を攫われたのが魔族。だから魔族そのものを恨んでいるのかも知れないと思ったからだ。


 「ここに来るまでは魔族に対して恨みも少しあったかもしれない。でも色々見て感じて、それは違うと分かった。魔族

も人族も変わらない…恨むのはアイツだけだ。」


 「そうだな。ごめんな…ちょっと気になって。」


 「いいんだよ。それよりも町を見よう。もっと見てみたい。」


 そして大通りを抜け、バイロン町の端に孤児院が建っていた。子供達なら気軽に話しかけても問題なさそうだ。

 しかし入り口に孤児院の関係者らしき女性の魔族が立っていた。


 「人族?なぜ、この孤児院に?」


 「驚かせるつもりはない。ただ子供達と町を見回っていただけでな。初めてなもので分からず。良ければこの子達と孤児院の子供と交流させて貰えないだろうか。」


 しかし魔族の方は、首を振る。

 「申し訳ありません。お帰り下さい。」


 (人族が嫌いって訳ではなさそうだ。他に問題でもあるのだろうか?)

 ルーベンはふと孤児院の中を見た。

 子供達がいない。声も聞こえて来ない。

 それにルーベンは気になった。



 その日の夜。ルーベン達はバイロン町の食堂に来ていた。

 情報を得るなら、もってこいの場所だ。ルーベンは酒を飲んでいる魔族に孤児院の事を聞いてみた。

 

 「今日、バイロン町を回ってみたんです。とてもいい町でした。料理も美味しいし。」

 

 「そうだろ。坊主がでかくなれば美味しい酒も飲めるぞ。早く大きくなるんだな。」


 「はい。そういえば外れに孤児院があって、子供達と遊ぼうとして中を見たら誰もいなかったんです。同じぐらいの子供と遊べれば良かったのに。」


 「………。そうか…まだ帰ってきてないか。」

 

 「ん?子供達はどこかにお出かけ中ですか?」


 「………。その話は終わりだ。ほら飯を食べろ。冷めちまうぞ。」


 それから同じ話を違う魔族に聞いても、皆んな言葉を濁すばかりで、分からなかった。それでも何かを隠している事が分かっただけでも、調べる価値はある。


 宿屋のブルーナさんの部屋。

 「お前達の今日の任務は終わりだ。今から私だけで孤児院に侵入して調べてくる。1人の方が都合がいいからな。」


 「分かりました。気をつけて下さいブルーナさん。」

 

 「あぁ。すぐに戻るさ。休む事も任務のひとつだからな。ちゃんと寝ろよ。じゃぁ行ってくる。」


 『スキル隠蔽。』


 みるみるうちにブルーナさんの存在が薄れていく。

 そのまま窓から出て行ってしまった。


 「忘れそうだけど、ブルーナさんって王国騎士隊長で斧王の称号持ちなんだよね。」


 アモがそう言ったが、確かに普通にしている分には優しいお姉さんって感じだからな。ギャップが大きいよな。


 「ほら。ブルーナさんも言ってただろ。明日に備えて僕達は寝よう。ほらほらほら。」

 

 「分かってるわよ。じゃおやすみなさい。」

 「おやすみなさい。」

 「おやすみ。」


 こうして初めて魔族の町で眠りについた。

 

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