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異世界転生〜神の能力少しだけ使えます〜  作者: ★わくわく★
第4章 テオドール学園編②
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第96話 ブルーナの力


 盗賊達の前にブルーナ達が姿を見せた。

 「リーダーは頭のハゲてるお前か?なぜ盗賊が魔国領にいる?」


 「女1人にガキが2人か?違うな…誰かに見られている。野郎ども周りを警戒しろ。」

 盗賊の頭ジルは仲間に指示を飛ばす。


 「お前らこそ何者だ?その黒い鎧、砦の騎士じゃねぇだろ?……まぁいい。計画の邪魔になる。お前達好きにしていいぞ。」


 「グヘヘヘ。姉ちゃんタイプだったんだよ。」

 「ずりぃぞ。」

 「ジルの頭。ガキは殺していいですか?」

 「オレは子供でも。」


 「ゲスが!!話しても無駄だな。皆んな!戦闘態勢に入れ。作戦通りにハゲ頭は私が、他は頼んだぞ。」


 そう言ってブルーナが先に動いた。

 両手に持つのは、短剣。

 自身の素早い身のこなしで盗賊の攻撃を寸前で避けながら短剣を急所に刺していく。あっという間に5人の盗賊が事切れた。そしてジルの元へ駆けようとするが何人もの盗賊が壁になる。


 「邪魔だな。私の前に立つなら容赦はしないぞ。」

 (しかし凄いな。ルーベンの闇魔法は。)


 再びブルーナは動き出そうとした矢先。

 木の矢がブルーナの横を通り過ぎる。

 盗賊に刺さる直前に矢の先から木々が生え何人もの盗賊を串刺しにしてみせた。

 その隙にナタリーもノアも自身の武器を使い、ブルーナさんに道を開く。


 「早く行ってください。」「ここは僕達が。」


 「ふっ。上出来だ。お前達。」


 そしてジルの所までゆっくり進む。

 「よぉ。お前達がガキだと馬鹿にしたが、見てみろ。たった3人にやられそうだぞ。」


 「ハハッハッ。必要ねぇよ。あんなザコ共は!!オレがいれば、作戦は実行出来る。そもそもオレは称号持ちなんだよ。勝てると思ってるのか?あぁ?」

 

 そう言ってジルは背中に背負ってある大きな斧を構えた。その斧は銀色に輝き、それを見たブルーナはある者の名を思い出す。


 「その斧…『銀斧ぎんぷのジル』か。ただのハゲだと思っていたが。斧豪の称号を持ち、国からA級指名手配されている。まさかこんな所で会えるとはな。」


 「オレ様も有名になったものだな。こんな女に覚えられているとは。ビビったか?でも許さねぇよ…さっきからハゲハゲ言いやがって。短剣使いのようだが近づけさせねぇからな。」

 

 ブルーナは手に持つ短剣と腰に差してある剣に魔力を流し込んだ。すると…ひとつの塊になり、みるみるうちに形が変わっていく。


 「ジル、知っているか?2年ほど前にドライカにいる『魔道具職人ベン』が考案したメタルスライムの素材を使った魔道義手の話を。それを参考に我が第5王国騎士団が改良した技術。少しの魔力であらゆる形に変化させられる。」


 最終的にジルと同じ斧に形を変えた。しかし大きさはブルーナの方がひと回り上だ。

 それを見たジルは驚愕した。


 「第5王国騎士だと。それに…その大斧…」

 「まさか『戦斧せんぷのブルーナ』か?」


 「ハハハッ。私も有名になったものだな。こんなハゲに覚えられているとは。何を言っても、もう遅いぞ…一撃で終わらせる。」


 ブルーナは自身の斧を真横に振った。

 ただそれだけで…周りの木々も、銀斧も、鎧も、ジルも全てを真っ二つに切断した。


 「なぜ…王国騎士隊長の『斧王』が……。」


 これがジルの最後の言葉だった。


 どうやら残りの盗賊の無力化も終わったようだ。


 「皆んな無事ですか?魔力感知で戦いが始まったのが分かったので、来ちゃいました。」

 

 それから生き残った残りの10数名程の盗賊に今回の目的について話を聞く。ブルーナさんが斧を片手に脅すと簡単に話をしてくれた。


 「なんでか分からないが、魔物が少なくなったからな。この森を通って裏からバイロン町に、そして魔族を攫って大儲けしようとしてたんだ。」


 「で?これだけの数だ。成功していたら魔族も多くいただろう。国境を簡単に越えられるとは思えんが?裏に誰かいるな?それを言え。そしたら命だけは助けてやる。」


 「分かった。言うから斧を降ろしてくれ。……裏にはランドン商会のランドンが関わっている。今は砦に残ってるはずだ。」


 ランドン商会は裏では違法な人身売買をしているらしく、今回の魔族誘拐で大儲けを企んでいるみたいだ。

 なんでも魔族のツノを欲しがる貴族も多くいて、盗賊達は一本金貨100枚で買い取って貰う約束をしていたそう。

 しかし問題がある。生き残った盗賊と砦に残るランドン…これらを対処するなら戻らなくてはならない。

 

 「仕方ない…あれを使うか。前に話をした通りだ。ルーベン頼んだぞ!」


 「はい。」

 (そうか…ブルーナさんはスキルを使うのだろう。発動条件に特別な情報を必要とする。それを僕の鑑定で教えてあげる事で簡単かつ正確に発動出来るのだ。鑑定!!)


 ルーベンは盗賊達を鑑定して、名前•年齢•適正•スキルをブルーナさんに教える。


 「お前はリンジー。36歳。適正は剣、盾、風魔法、スキルは身体強化だな。それでは契約を始める…『奴隷紋どれいもん』。」


 盗賊の手に紋様が浮かび上がる。


 ブルーナさんが発動した『奴隷紋どれいもん』と言うスキル。名前の通り相手を自身の奴隷にする。それには相手の情報が必要で詳しく分かれば分かる程、奴隷紋の成功率が上昇する。


 すべての盗賊に奴隷紋を発動させた。


 「これで契約完了だ。奴隷から解放されたければ、砦にいるランドンを捕まえてからロドウィック砦に行き、騎士達に事情をすべて説明しろ。大人しく捕まれば命まではとらないはずだ。そして契約を破ればもちろん罰がある。1度目は注意、2度目は警告、3度目は死だ。分かったな。」


 ブルーナさんが命令を出すと奴隷紋が光り始める。

 

 「これで大丈夫だろう。私達は任務に戻ろうか。」


 そう言って拘束を解き僕達は馬車に戻った。


 残った盗賊達。

 「なんだ?何もなく解放されたぞ。どうする?」

 「流石にバイロン町は行けないしな。」

 「オレは逃げるぞ。捕まってたまるか。」


 1人の盗賊は逃げようと立ち上がる。すると奴隷紋が赤く光り出した。

 「なんだ?赤くなったぞ?」

 「オレのは大丈夫だ。」「オレも。」

 「関係ねぇよ。ただ赤くなっただけだ。じゃぁな。お前達も早く逃げた方がいいぞ。気が変わってあいつらが戻ってくるかもしれねぇ。」


 そう言って走り出した。すると奴隷紋が更に赤く光り出し、逃げ出した盗賊に激痛を与えた。


 「グハァ。なんだ…これは…イテテテ…いてぇよ。やめろ。やめてくれ。分かった、命令に従うから…やめてくれ。」


 時間が経つと激痛が治まった様だ。それを見ていた盗賊達も奴隷紋の効果について理解する。


 1度目は注意。

 2度目は警告。

 3度目は死。


 おそらく今のは警告。

 次命令を破れば死が待っている。

 それを知った盗賊達は命令に対して従順に従った。


 

 ブルーナ•バード

 天性の怪力と斧術の才能で、若くして王国騎士団隊長の座に上り詰める。1対多の状況では王国でも最強と呼ばれている。

 最近腕が太くなってきて斧を使うのを控えているらしい。


 名前   ブルーナ•バード

 種族   人族 28歳

 状態   ー

 武器   斧(S) S

      剣(B) C

 魔法   火(C) C

 魔力量  155/155

 スキル  奴隷紋どれいもん 斧無双おのむそう

      斧術(大) 身体強化(大) 隠蔽

 称号   斧王




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