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  作者: 黒死
第三章 陰から影へ(知識編:月世界)
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第一話 スタートライン

 陰歴二〇九九年四月六日。


 転生してから、約七ヶ月が経った頃――。


 僕は凄い成長を遂げていた。


 それは……。

 僕は足腰がしっかりして、やっと立って歩けるようになった!

 

 ……。


 まあ……。


 二歳なら、もうとっくに立ってないとおかしい。


 ――普通ならね。


 前にも言ったけど、僕は長い間覚醒しなかった。

 だから、歩くのに必要な筋力や骨格が、まだ不十分の状態。


 二歳なのは見た目だけで、他は赤ん坊レベル。

 なので、それまでは赤ん坊らしく、ハイハイで移動してました。


 前世でも経験したはずだが、もちろん全く記憶に残ってない。

 いや、残ってる人は恐らくいないはず。


 つまり、僕は貴重な体験と記憶を残した存在ってわけ。

 でも、ハイハイの記憶を残してもなんの役にも立たないんだよね〜。


 まあ、それは全然いい。

 残してても損はないし。


 問題だったのは。

 それまで一人で風呂に入ったり、ご飯を食べたりできなかったこと。


 つまり……。

 お風呂は、母親と入ってました。

 一応念のために言っておくけど、何もしてませんよ?


 てか、何もできない。

 筋力や骨格がしっかりしてないから、手足をバタバタすることしかできなかった。


 逆に、その状態で良かったと心から思う。

 そうじゃなかったら、男の本能を抑えられる気がしない。


 そして、食事。

 風呂に比べたら、あまり問題ではなかった。


 フォークやスプーンなら掴むことができた。

 けど、それらを使って自分の口に運ぶことが困難。


 当然、母親に食べさせてもらってました。

 因みに、その時の母親の顔は、いつもニッコニコです。


 母親は明らかに嬉しそうだった。

 けど、流石にずっとこのままの状態という訳にはいかない。


 僕は一人で日常生活を送れる程度の筋力。

 その筋力を身に付けるべく、毎日家の廊下を這い回った。


 今の僕が唯一できるこの運動を、効率よく行える場所……。

 それが廊下だった。


 この家の廊下は、約三十メートル程度。

 這い回るのに最も適した場所だ。


 それに、四つん這いで行動してわかったことがある。

 この体制で行動していると、日に日に体幹が良くなっていた。


 どうやら、脚、腕、その他に備わってる多くの安定筋を使うからっぽい。

 けど、それでも異常な程、成長速度が速いように感じた。


 約三ヶ月くらい経った頃……。


 掴まり立ちができるようになり、食事を一人でできるようになった。

 母親はなぜか悲しそうだったけど……。


 その調子で、風呂も頑張れば一人で入れそうだった。

 だが、母親に猛反対され、今日に至るまでずっと母親と一緒に入浴。


 母親は嬉しそうだったけど、僕は恥ずかしさで爆発しそうだった。

 別の意味で嬉しかったけどね。


 忘れてた。

 あと、声も出せるようになった。


 最初の頃は、二言程度しか喋れなかった。

 けど、あれから毎日発生練習を繰り返した。


 その結果、声帯も徐々に成長していき、きちんと言葉を出せるようになりました。

 言葉をきちんと発することができた時の喜びは尋常じゃなかった。


 それまでは、手振り身振りで自分の気持ちを伝えてたから。

 どうやって伝えようか、いつも頭を悩ませていたのをよく覚えてる。


 そんな訳で、やっとスタートラインに立てたって感じ。

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