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  作者: 黒死
第二章 陰から影へ(転生編:月の兎と影)
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第二十八話 冒険者組合

 その後――。


 僕と母親は、無事に試験闘技場の外へ出ることができた。

 そのまま先程通った道を歩いていた。


 お店……。

 基、家に向かってる。


 つまり、帰っているところ。

 今後、僕の家になる場所へ。


 今日はいろいろなことがあった。


 まずは、死んで異世界に転生。

 最初からぶっとんだ出来事だけど。


 その後、容姿がシャドウと類似。

 まさか、またこういう形で僕を支えてくれるとはね……。

 本当に感謝にかない。


 更に、冒険者という職業について。

 よく考えたら、異世界ならではの職業。


 冒険者っていうワードもカッコいい。

 それに、あんな風に沢山の人のために頑張っていきたい。


 新たな人生があること。

 変わる勇気と力を与えて貰えたこと。


 そして、目指すべき目標ができたこと。

 今日一日の間に、多くのことがあった。

 多くのことを知ることができた。


 この調子で、この世界のことをもっと知っていこう。

 あと、能力のことも。


 ふと、気になって母親の顔に目線を向けた。


 何かを悩んでるのか。

 なぜか浮かない顔をしている。


 思えば、僕がガッツポーズをかました辺りから。

 あれ以降、全然元気がないように見える。


 そう思ってると。

 突然母親が立ち止まった。


「うん……。よし、決めた」


 母親は真剣な表情で一人でに呟いた。

 何かはわからないが、決意を固めたように見える。


「浸夜。今から冒険者組合に行ってみる?」


 母親は僕に目線を向けて、究極の選択を問いかけてくる。


 当然、急すぎる問いに固まる僕。


 えっとー。

 どうしよう?


 行くべきかな?


 いや、正直行ってみたい気持ちはある。

 あるんだけど……。


 名前からして。

 冒険者がいるのは確定。


 つまり、人が多い。

 試験闘技場ほどじゃなくても、確実に人は居るはず。


 結果……。

 また人混みに酔う。


 なら、今日はこのまま帰ろう。

 また別の日に行くのが望ましい。


 別に急ぐ必要もない。

 また今度、僕が大きくなってからでも遅くはない。


 うん。

 今日はやめておこう。


 僕は母親に向かって両腕をクロスさせようとした。


 だが……。


「うん。じゃあ、行こっか」


 母親は僕の反応を待たず、また歩き出してしまった。


 向かっている場所は……。


 言うまでもない。

 その冒険者組合だ。


 でも、さっき僕に問いかけてたよな?

 僕、何も言ってないんだけど……。


 えっと。

 まさかの強制?


 どうしたんだ、母親よ。


 僕、まだ何も返事してないよ?

 行きたそうな顔もしてないはずだよ?


 ……。


 ま、まあいっか。


 冒険者を目指す。

 それは揺るがない。


 なら、場所を把握する意味でも、見ておいて損はない。


 うん、損はない……。


▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️▪️▫️


 あれから約十分後――。


 ある建物の前で、母親が立ち止まった。


 その建物の出入り口には看板があり、『冒険者組合』と書いてある。

 次の目的地に着いたみたい。


 冒険者組合の外観は……。

 外壁はざらついて、深緑色に塗装してある。


 屋根は黒色の瓦。

 扉は両開き式で、黒色のスチール製。


 恐らく二階建て。

 高級感がある建物に感じる。


 今の所、試験闘技場を除けば一番大きい建物だ。

 逆に試験闘技場よりも大きかったらビビる。


 母親は冒険者組合の右扉を開けて中に入った。


 外観を見て察してはいたが。

 中も高級感が溢れている一室。


 上に目線を向けると。

 天井にはシャンデリアが吊り下がり、その一室を照らしていた。

 まさに、高級な建物にふさわしい照明だ。


 正面には、左右の壁まで広がった木製の大きなカウンターがある。

 そのカウンターの上にはパソコンが何台かある。

 近くには印刷機も見える。


 カウンターには、スイングドアが等間隔に四箇所設置してある。

 そのドアから関係者が出入りするはず。


 前世でいう。

 市役所みたいな場所。


 だが、重たい雰囲気はなく。

 賑やかな雰囲気に満ちていた。


 カウンターに目を向けていると。

 先程試験闘技場で出会った申取さんと同じ衣服を着ている人が二人居る。


 つまり、その二人もここの受付嬢だ。

 けど、ネクタイの色だけは異なっている。


 右側に居る人は、淡黄色の髪を二の腕程度まで長くしている。

 赤紫色の瞳をした女性。


 歳は二十代半ばくらい。

 ネクタイは、淡黄色。


 名刺には……。

 上段に小文字で『冒険者組合 受付嬢』。

 下段に大文字で『乾牧掛保(いぬまきかほ)』。

 と書いてあった。


 左側に居る人は、紫色の髪を左側頭部に一つ結びをしている。

 桃色の瞳をした女性。


 歳は二十代前半くらい。

 ネクタイは、紫色。


 名刺には……。

 上段に小文字で『冒険者組合 受付嬢』。

 下段に大文字で『鼻寅野緖(はなとらのお)』。

 と書いてあった。


 てか、よくそこまで見えるな。

 と自分で自分にツッコミを入れる。


 前世の僕はさほど視力が良くなかった。

 かといって、眼鏡やコンタクトを付けるまでではない。


 普通よりも少し悪い程度の視力。

 けど、今回の僕はとてつもなく視力がいいみたい。


 僕が今居る場所からカウンターまでは、まだかなり距離がある。

 なのに、首に掛かってる名刺の文字までくっきり見える。


 これは何かの能力的なやつなのかな?

 それとも、単純に僕が凄いだけ?


 ……。


 今の所、能力のことはよくわからない。


 だから、とりあえず……。


 ――僕は視力がいい。


 以上。


 壁紙は白色。

 左右の壁には木製の大きな板が掛けてある。


 その板には、依頼書? のような紙が一面に貼られている。

 およそ数百枚はあるのを確認。


 その壁の近くには、ダイニングテーブル。

 そして、四人程度が座れる背もたれ付きのダイニングベンチがある。


 左右に三つずつ配置してある。

 そこに座っている人がちらほら確認できる。


 ざっと見た感じ、配置はこんな感じかな。

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