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VRMMOで勝手気ままな魔猫になりました。  作者: きれいな紙片
デブ猫が始まりの街に
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猫の目、開眼

( ゜д゜)クワッ

俺達は、ニーナの案内でメリル宅を訪れた。


ガチャ


「メリルちゃんのおかあさん〜、メリルちゃん帰ってきてる?」

「ノック無しでドア開けて入ってたわ…」

「昔の田舎では良く見かけたな。」

「そうなのね、私には衝撃だったわ。」

「それより、俺らはちゃんとノックしてから入ろうな。相手には初対面だし。」

「わかってるわよ。」

「とりあえず、今から言うことを言ってみてね。」

「?」


コンコン


ガチャ


「はい、どなたかしら?」

「はじめまして、私はシャムと言います。大通りで泣いていたニーナから事情を聞いてお宅の娘さんのメリルとニーナがはぐれてしまったようだったのでお節介だとは思いましたがニーナと行動を共にして、もしかしたらメリルが先に帰宅しているのではと思いこちらへ訪れました。」

「あら、あら、そうだったのね。でも、まだメリルは帰ってきてないのよ。何処へ行ったのかしら?」

「ニーナから聞いた話だとメリルは教会からの帰りにいつもとは違う道を通りたがってニーナと一緒に歩いていたらしいですが、急にニーナを置いて行ってしまったとのことです。何か最近や今朝のメリルに少し気になることはありませんでしたか?」

「そうね。…来年、メリルに妹か弟が出来るかもって話を先月末に話してからよくお手伝いをしてくれるようになったわ。ふふ、もうお姉ちゃんしてるのが夫婦で微笑ましいとあの子がいないところで話すのよ?あの子がいる前で言うと可愛い顔がむくれちゃうの。ふふ。」

「聞いていて心が温かくなる微笑ましいお話ですね。それと、妊娠おめでとうございます。」

「ありがとう。今朝も普段と変わりがなかったわ。何処に行ってるのかしらね?遅くならないうちに帰ってきてほしいわ。」


そこでメリルの母親が未だにシャムに抱かれている俺に気付く。


「あら?その魔力の波長は魔猫かしら?」

「挨拶が遅れました。はじめまして、魔猫のギンパッチと言います。」

「あら、ちゃんと挨拶出来る子なのね。それと、不躾ならごめんなさいね。その"首輪"はどちらで?」


首輪…これに気付くということは何かあるな。星ちゃんのことは伏せて伝えるか。


「これは、とある神とお互いの首に付ける装飾品として下賜されたものです。これがないと地上に降りる許可がおりませんでした。大切な繋がりです。」


綺麗に聞こえるように言ったからセーフでしょ?星ちゃん。


「…そうなのね。今度一緒にお茶でもしましょうね。」

「ええ、そうですね。」


さて、メリルの行方を追う捜査が暗礁に乗り上げたな。なにか、なにか、なにかないか?…タブー中のタブーを聞いてみるしかないか。


「奥さん、いくつか質問良いですか?」

「何かしら?」

「失礼に当たる質問もあると思いますが、お答えいただけると助かります。」

「…ええ。」

「メリルには何か特別なスキルがありますか?」

「あるわ。種族スキル「酒精神の加護」これは旦那のドワーフとしての種族スキルを受け継いだものよ。あとは種族スキル「魔力視」と「潜在能力喚起」があるわ。後者の種族スキル「潜在能力喚起」は私から受け継いだスキルよ。」

「では、種族スキル「魔力視」はメリル自身が生み出したスキルですか?」

「ええ、そうよ。普段から私達夫婦には見えないものが見えているみたいでね。メリルの話では魔力には色があって同じ色の人は双子くらいらしいわ。」

「親子とも違う色に見えると?」

「いいえ、身体の何処かしら親から譲り受けた色が見えるらしいわ。その日によって見える場所は違うらしいけど、多分消えないって言ってたわ。」

「持ち物とかに持ち主の色が付いてることはありませんか?」

「あるって言ってたわ。」


奥さんから聞いたメリルの種族スキル「魔力視」の効果を聞いた俺はこれだと思った。


「奥さん、少し待っていてもらって良いですか?」

「何をしようとするかは教えてほしいわね。」

「今から種族スキル「魔力操作」を使い「魔力視」の取得を試みます。」

「ギンパッチ、SPで取得出来ないの?」

「いや、出来るとは思うが俺の「魔力操作」で取得出来そうな感じがする。だから今回はSPは使用しない。」

「?あなた達は"異界人"なのね。」

「ええ、そうです。」

「どうして、別の世界の住民であるメリルのためにそんなにしてくれるのかしら?」

「関わろうと思ったのと、後味悪い思いをしたくないという自己満足ですね。」

「そう。」


とりあえず、自分の目に魔力を行き渡らせる。軽く目蓋を閉じる。目だけに留めるのが意外と難しいがなんとか出来た気がする。目を開けた。


「ぐぅ」

「大丈夫?!」


今までボヤけていてハッキリ見えなかった猫の目に強い刺激を受けて目に激痛を感じまた目を閉じてしまった。


「あら?魔力操作が甘いわね」

「?奥さんも魔力視持ちですか?」

「いいえ、私は感覚派なのよ。もう少しイメージを固めなさい。」

「は、はい。」


少し恥ずかしい。なにが"取得出来そうな感じがする"だよ。出来てなかった。肌色が見えていたら赤面していただろう。


イメージ…魔力視って魔眼と似てるよな。石化の魔眼とか絶死の魔眼とか。今回、魔力視を使って何をしたいか。決まっている。メリルの魔力の色を読み取って、メリルを探し出すんだ。だが、さっきは俺の猫の目が負荷に耐えきれなかった。目が魔力視の負荷に耐えきれるように目を強化しなくては…こればかりは俺も感覚でやるしかないな。


……

………


ぽーん!これまでの行動によりオリジンスキル「魔力色の魔眼」、中位魔法スキル「魔力視」、下位魔法スキル「身体強化」を取得しました。


ぽーん!オリジンスキルを解放した5人目になりました。おめでとうございます!これからオリジンスキルの取得率が微増します。


「身体強化」は目を強化することを考えていたからだな。目的の魔力視を取得出来たけど、オリジンスキル「魔力色の魔眼」?何それ?!

イメージって大切ですが思考が他にもチラつくと思いがけないことをしでかしますよね。というのが最後のアレです。


ニーナがメリルの家に突撃した後に話に参加してないのはまた感情がたかぶって泣きそうになったのと奥さんが外にいるギンパッチ達を感知していたので、とりあえずニーナを睡眠魔法で眠らせてからギンパッチ達の応対をしています。

一応、ギンパッチ達が良からぬことをしてこようとも応戦出来るように枷になるニーナを無力化したという考えです。


用心しすぎたと奥さんは内心ホッとしてます。


あと、首輪の価値とどの神との繋がりかも勘でわかってます。


シャムは結構気になる情報を小出しにしてくるギンパッチに聞きたくてうずうずしながら我慢してます。我慢強いとこは別のとこに生かしてほしいとギンパッチは思ってることでしょうね。


あと、奥さん名前を名乗ってませんがギンパッチもシャムも尋ねていないので奥さんも名乗ってません。


では、次回*˙︶˙*)ノ"

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