水害の水の国へ
この話から水の国の話に入ります。
イベント10日目
俺は星ちゃんに見送られながら水の国に転移した。
…7日間なにをしていたかって?ナニをしていたのさ。傾界の獣の効果で大興奮した俺のもふもふの虜になっていた星ちゃんに触手尻尾が大活躍した。で性なる7日間を無事終えて今日からまたイベントを進めていくことになった。
見送りには泣きそうな顔になってる曼珠沙華と道連れ仲間が出来た安心感が滲み出ているフェリセットも居た。頑張れよ。
水の国は案の定、某水先案内人とかが水路を船と棒を使って移動する国のアレだった。だが、明らかに水位が下がっていて船での移動が不可能になっていた。あと臭い!なに臭いかと言うと汚水臭い。あとなにか腐ってるような臭いだ。亀の水槽が腐ってる時の臭いに似ている。掃除しないと近所から苦情くるレベル。
「ひでぇ臭いだな。」
「やぁ、水の国へようこそ。依頼を受けてくれた異界人かな?」
「そうだ。この異臭はいつからだ?」
「水位が下がり始めた7日前から少しずつ酷くなっているよ。原因を解決して元の美しい水の国を取り戻してくれ。頼む異界人よ。」
「ああ、任せろ。」
俺はとりあえず、奈落の花を水路に1輪だけ召喚させる。曼珠沙華に奈落の花の詳細を確認したら曼珠沙華は奈落の花の集合体で人型をしているだけらしい。一応核があって、核から切り離された1輪1輪に曼珠沙華としての人格はないらしい。そして、奈落の花としての効果を発動させたい所に1輪だけポイッとすると良いと言っていた。
水路にポイッと召喚された1輪の奈落の花が水中に沈んでいく。すると水中から1輪、1輪と奈落の花が水面に咲き始めた。その勢いはどんどん増して行き全ての水路を奈落の花で埋め尽くされる。奈落の花は赤より朱、朱より紅、そして紅より赤黒く咲き乱れる。
…神格持ちの残滓が感じられるが、悪意等がない。ここでは薄いのか?そもそも、この水は何処から来てんだ?また地下か?
すると、奈落の花が風もないのにゆらゆら揺れる。…ウクレレ持ってサングラス着けた踊るフラワー野郎か?いや、雨の日に増える擬音触手か?
「…曼珠沙華、か?」
横ふりふり
「独立個体?」
縦ふりふり
…うっさんクセェ。絶対、コイツ曼珠沙華だろ。む?そうだ。原罪色の魔眼で視れば良いのか。俺は奈落の花に原罪色の魔眼で視る。
名前 無し
種族 奈落の花
性別 無性
個体説明
本体核「奈落の花 曼珠沙華」から分離し奈落神の魔力の影響を直に受けたことにより独立個体となった。産まれたての赤ちゃん。最初に見たものを親とは認識しないが生まれる要因となった奈落神の魔力だけ認識出来る。意思の疎通は首振りしか出来ない。成長すれば本体核と同じように独立核を得て人型の姿を模倣する。
本当に独立個体だったな。疑ったことは謝らないとな。
「すまんな。疑って魔眼でお前のことを調べたらお前が本当のことを言っていたと証明された。」
横ふりふり!
「独立核を得て曼珠沙華みたいになりたいのか?」
縦ふりふり
「曼珠沙華とは違う名前必要なら名付けるぞ?」
!!縦ぶんぶん!
「うむ、安直ですまんがお前の名前は"リコリス"だ。」
さわさわ!さわさわ!
「器用に踊るのな。ちなみに、独立核って進化素材とかでも良いのか?」
さわ、さわ、さわさわ
「んん?少し違う?」
縦ふりふり
「進化素材でも使えるのがあるが全部ではないのか?」
縦ふりふり!
「ふむ。」
俺はランダムギフトボックスの時に手に入れた「配下用進化素材×1000」をインベントリから取り出してリコリスに見せる。
「ここに様々な進化素材があるから好きなのを選んで独立核にしてみな。」
さわさわ!
「ん?必要だと思うものなら全部でも構わないぞ?」
横ぶんぶん!
「ま、1000個もあるんだ少し欲張っても目をつぶってやるよ。」
縦横無尽に荒ぶるリコリス。これ、もしかしたら曼珠沙華を越えるか?リコリスが素材を厳選している間に奈落獣召喚でマリンを呼ぶ。ちなみに、今回マグス達を呼んでいないのは芸術の国の方を任せてるから呼べない。ま、奈落陣営でなんとかなるだろ。
「奈落神」
「マリン、水の国での活動は奈落陣営だけでやるから調査などが出来るメンバーを呼んでくれ。」
「承りました。」
「それと奈落の花の独立個体のリコリスだ。今は独立核を得るために進化素材を厳選してる最中だ。」
「承知しました。私は奈落獣のマリンです。リコリス、これからよろしくお願いします。」
縦ふりふり
「2人ともこれから仲良くな。」
ウクレレ持ってサングラス着けた踊るフラワー野郎と雨の日に増える擬音触手はアラサー以上ならわかると思います。
それ以下の年齢層で知っているのは忍者ハットリくんの主題歌全部歌える私の甥っ子と同じ匂いがします。
主人公、なんだかんだで言葉が通じない相手とのコミュニケーション能力が高いですね。
それでは、次回*˙︶˙*)ノ"




