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VRMMOで勝手気ままな魔猫になりました。  作者: きれいな紙片
デブ猫が始まりの街に
6/77

食べ歩き。迷子?

本編です。

女の子に抱きかかえられながら街中を練り歩くデブ猫がいた。


そう、俺ギンパッチ。リアルアラサー。

冒険しようとゲームを始めたら愛の重い女神に首輪されたり、知り合ったばっかの女の子(成人済み)に右手で尻を揉まれながら左手で胸毛をもふもふされ、終いには背中にはたわわなお胸様がピッタリと密着した完全ホールド状態で街中を練り歩くはめになったオス猫。


…どうしてこうなった?!


今までの自分に起きたことをぐるぐると考えていたら何処からか「ぐぅー」と聞こえる。


「ん?…ああ」

「どうしたの?」

「い、いやぁ、空腹値がヤバいみたいだ。」

「え?」


「ぐぅー」まさに腹の虫が鳴いていたみたいだ。


「え?私はまだ半分以上あるよ?」

「む、種族スキルにデメリットスキルがあるんだ。それが原因だろう。」

「デメリットスキル?なんていうスキルなの?」

「食いしん坊」

「え?もう1回」

「食いしん坊、おデブな動物に必須なスキル。効果は空腹値が通常の1.5倍減りやすくなる。空腹値が0になったらステータス値が半減状態になる。適度に食事をとるか、高カロリーな食べ物を食せば空腹値0になることはない。というデメリットスキルだ。」

「プププッ」

「…」

「んん。と、とりあえず何か食べようか?」

「そうだな…」


俺達は出店か飲食店を探した。


「ぐぅー」「ぐぅー」「ぐぅー」「ぐぅー」


「ププフッフフハッ!」

「どうした?」キリッ「ぐぅー」

「そ、その顔や、やめて…」

「ん?」キリッ「ぐぅー」

「あっははは!もうやめてよぉ!あはは!キリッとした顔してるのにお腹の音で台無しになってるのに続けるなんて卑怯よ!」

「なんのことやら?」「ぐぅー」

「誤魔化せてない!あはは」




そんな風に和気あいあいとしていると大通りに出た。


「もう少ししたら、飲食店があるわ。」

「今思ったが、俺猫だけど店に入れるのか?」

「…私達プレイヤーは普通ではないけど例外は認めて貰えそうにないわね。普通なら御遠慮させられるわ。」

「まだ店のことがわかってないから屋台で何か買って食べよう。」

「それが良いわね。それとギンパッチは今いくら持ってるかわかる?」

「どこでわかるんだ?」

「"メニュー"って言ってみるか考えながら"メニューを開く"と思ってみて。」

「わかった。」(メニューを開く)

「開いたわね?そうすると色々と表示されている中に末尾に"Q"(キュー)と書かれているところが現在、自分の所持金が表示されてる箇所よ。」

「ほぉ?なるほど?」

「いくらあった?」

「10万Q」

「え?」

「10万Q」

「な、なんでそんなに持っているの?」

「…」


首を傾げて考えてみる。多分、星ちゃんの仕業だな…でも、これは正直に言えないな。どうするかな。…テキトーに誤魔化すか。


「俺、限定版セットを貰ったんだけど特典か何かがあったんじゃないかな?」

「え、1000万円以上もする物を貰ったの?本当に?」

「最上位NPCが嘘ついてないと認めてるから本当だよ。」

「ちなみに、種族ランダムの時に種族名の後に何か書いてなかった?」

「そういえば、何か書いてあったかな?えすえすあーる?そんな感じだった。」

「すーぱーすぺしゃるれあ…ははは、ほぼ最高ランクのレア度の種族を引き当てたのね。」

「スーパーでスペシャルなレア?ハイパーとかレジェンドとかゴッドとかありそうだけどないの?」

「アイテムとかで確定していればあることは証明出来るけど、現状は手探り状態でまだわからないわ。」

「アイテム?」


一瞬、俺は自身の首にある装飾品に思考が引っ張られた。


この首輪、ゴッドランクやん。種族にゴッドランクあるの確定だわ…ははは、黙っておこう。


「どうしたの?」

「いやぁ、途方もないなと遠い目になってた。」

「そうね、今の時点では途方もない高ランクよね。あ、ねぇ、あそこの屋台はどう?」


少し先に、串焼きの屋台があった。


「そうだな。あそこにしようか。」

「わかったわ。」

「いらっしゃい!お?嬢ちゃん、随分と肥えた猫を抱えてどうした?うちでは猫の肉は扱ってねぇぞ?どうしてもって言うなら捌いてやっても良いぜ!」

「うわぁ、感じ悪い。」

「失礼ね!誰が猫を殺させるものですか!他行きましょ!」

「なんだ?冷やかしか?二度と来んな!」


「なんだったんだ?あの店主。」

「あれ、NPCよね?あんな対応してくるなんてどうしてかしら?」

「わからないけど、もしかしたら俺の種族が受け入れられないのかもな。」

「え?どうしてよ?」

「だって、猫だぞ?中身が人間でもこっちの人にはその他と同じ猫だと思われるだろ?例え、話が出来たとしても。」

「知りたくないこの世界の事情を知ってしまったわ。それだとログアウトの時はどうするの?宿取れないわよ?」

「あ、ログアウトのことは大丈夫だよ。」

「なんで?」

「そういう契約だから。」

「ま、良いわ。今度聞かせてね。」

「うん、努力するよ。」


騒ぎの元になる神界転移システムは知られなかったけど、何かが俺にはあるって誤魔化せなかったな。


「でも、そうすると食事どうしよう?」

「食事だけなら実は大丈夫だよ。」

「何かあるの?」

「うん、ただシャムの分がないから…」

「それなら私のことは気にしないで食べてよ。」

「う、うん。」


気が引けるけど、シャムの言葉に甘える。インベントリから星ちゃんに持たせられたものを取り出す。


「!ギンパッチ、そ、それはなに?」

「これはね。とあるNPCに持たせられたお弁当だよ。多分、こうなることを予想出来ていたんだろうね。」

「え!え?ま、まさか。」

「シャムが何に気づいたかわからないけど、言葉にしない方が良い。わかるね?」

「(こくこく)」


星ちゃん印のお弁当の正体は、有名な猫用のペースト食品。両前足で器用に持ってぺろぺろする。おお!照り焼きチキンの味がする。すっげぇな!香ばしい風味がそのまんま味わえる!ぺろぺろ!


「ああ、可愛い♡ギンパッチ、めっちゃくちゃ可愛いよ♡」

「ぺろぺろ」

「はぅ♡わぁ♡」

「ぺろぺろ」


俺は一心不乱にペースト食品をぺろぺろ!シャムが恍惚した表情してるけど構ってる暇はねぇ!うお、うまうま!ぺろぺろ!




量は大してなかったのに空腹値がMAXからメーター振り切って限界突破してる。かなりカロリーが高いものなんだな。量には気をつけないとな。


「ケプ、おっと失礼。」

「お粗末様。」

「え?」

「眼福だったわ。」

「そ、そうか。じゃあ、次は街中を散策しようか?」

「テキトーにぶらつく?」

「うん、そうしようか。」


「ん?」

「ねぇ、あそこにいる子泣いてるのかな?」

「ちょっと、事情聞いてみようか。迷子だったら可哀想だし。」

「そうね。」


人通りの多い大通りに1人の女の子が泣いてる場面に出くわす俺達。心配になって女の子に近寄る。


「ねぇ、あなたは何故泣いてるの?」

「ぐす、メリル、ちゃんが、ぐす」

「メリルちゃん?その子がどうしたの?」

「うぅ、私を置いてい、ぢゃったあああ!うあああ」

「迷子っぽそうだけど、うーむ。」

「どうしたの?」

「いやぁ、なんだか嫌な予感が」

「?」


【クエスト:迷子の女の子 が発生。受注しますか?"はい" "いいえ"】


「あ!ギンパッチ、クエストだよ!受けようよ。」

「見過ごすのも後味悪いし受けるか。それとシャム。」

「なに?」

「…最悪、戦闘になることも頭の片隅に置いといて。」

「…街中よ?有り得るの?」

「クエストだからね。何が起きるかわからないから用心に越したことはない。」

「わかったわ。じゃあ、受けよう。」

「「"はい"」」


【クエストの受注を確認出来ました。悔いのない選択を。】


「…やっぱ、何かあるな。」

「悔いのない選択を、か。」

「気を引き締めて行こう。」

「ええ。…私達がそのメリルちゃんと合流出来るように一緒について行ってあげるわ。」


俺を抱きながら、少ししゃがみこみ女の子にクエストを受けた意思を伝えるシャム。


「ぐす、お姉ちゃん、"達"?」

「そう、私と」

「俺で、"達"だ。」

「わぁ、猫ちゃんがしゃっべったあ!」

「俺の腹を触ってみな。もちもちしてるぞ。」

「う、うん。」


そぉー、と小さな手を伸ばして俺の腹に触れる。


「!もちもちしてる!すっごぉい!ふわぁ、気持ちいい〜」

「ふふ、泣いてた子を笑顔にしちゃう至福のお腹ね。」

「なにせ、神すら虜になるお腹だからな。」

「へぇ?それは後で聞きたくなる話ね?」

「墓穴掘ったな。でも、教会内なら良いかな?」

「わかったわ。その話はあとね。ねぇ、あなたのお名前聞かせて?」

「ふぇ?わたしはニーナ!」

「そう、ニーナって言うのね。私はシャムよ。よろしくね。」

「俺はギンパッチだ。ニーナよろしくな。」

「シャムお姉ちゃんと、ギンちゃん!よろしく!」

「ふふ、それじゃあ行きましょうね。」

「うん!」


俺達はニーナと一緒にメリルちゃんを探すことに。無事であれば良いが…。

ギンパッチが手に入れた限定版は違法取引(転売)で手に入れた場合は物理的に利用出来ないようにされます。

ギンパッチは金銭のやり取りをせずにタダで手に入れてます。これは違法取引には該当しません。言い換えればプレゼントをもらっただけです。

プレゼントが違法取引だと言うなら誕生日プレゼントやクリスマスプレゼントなんかも違法取引になります。サンタクロースは違法取引業者になってしまいますね。

ま、そんなアホなことにはなりませんが。


限定版の個数は掲示板回に書いた通り9個です。少なすぎる?限定版それぞれに担当する最上位NPCつくので妥当かと思います。


ギンパッチの時は星を司る女神こと星ちゃん。

落雷カーペットニキは5対翼の天使?

聖女ちゃんは不明

他も不明


ちなみに、第2陣限定版は未定。だけど、限定版の一般販売はしない予定ですね。どういう風にするかはサイコロで決めてみます。


聖女ちゃんは限定版の種族ランダムでしか出ないジョブ付き種族です。本来ならジョブシステムはクエストを進めて解放するのが本道。

ランダム種族ガチャでジョブ付き種族は抜け道ですがズルではありません。


第1陣限定版ではあと1枠獲得した人がいますのでお楽しみに。


あと、惜しくも担当漏れ?した最上位NPC達が物語に関わることはありますが味方か敵かはわかりません。そこまでは考えていませんので。


感じ悪い出店のNPCはそういうNPCです。他にもちゃんとしたNPCが居ますがギンパッチ達はハズレに出くわしました。飲食店は好感度が高くないと厳しい感じです。

人の姿を保てている種族は無条件で街中の大半の施設や店を利用出来ます。

人以外の種族は畜生として当たり前の対応をされます。

例えば、ネズミなら殺されます。ハトなら追い払われるか地面に餌をばら撒かれます。虫も殺されます。犬猫は可愛がられるが店には入れるなと怒られます。最悪殺されます。動物好きな人に出会えたら残飯(三角コーナー行き)を貰えます。


スケルトンには実は空腹値はありません。種族進化先次第で空腹値が出てきます。


そんな現状が嫌になってゲームやめるか自然に飛び出すかは自由でありますが改善点として種族進化があります。人型になれれば利用出来ます。


それを負けと捉えるかは人それぞれ。


お告げの神罰下るんじゃね?害と言ってもダメージ的なものや「障害」になる場合だけですから意外とゆるいです。


ギンパッチの障害は、教会がある街の利用が出来なくされることでしょうね。そしたら神罰執行待ったナシです。慈悲はない。


神罰下った後にどうなるか?新たな大陸と運良く生き残った生物で一からの開拓の開始です。


このゲームのクエストは人それぞれに結末は違い、例えばAがソロでBADクリアしました。その際に死んだNPCは彼がソロでいる時には死んだことで進んでいきます。後にGOODクリアしたBと一緒にパーティを組むことになりB主体でクエストを受けるとAの時に死んだNPCが生きている世界線をAが垣間見ることが出来ます。


悔いのない選択とはクリア難易度を示しています。


それでは、次回*˙︶˙*)ノ"

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