アホ掃除
途中まで会話回です。
「そういえば、マグス。」
「なんじゃ、神。」
「この国って地下どうなってるか調べてる?」
「上下水道があることになっておるが地上からそこに入ることが出来そうに無さそうだのぉ。一般的な家屋のトイレなどを調べるとどうやら下水処理は各家の魔道具でやってるようだ。」
「ということは、下水道が本来の意味で使用されてない?」
「そうなるのぉ。出入り口が判明すればネズミの完全排除が完了する。だが、今は地上に出てきた奴だけだ。」
「なぁ、ネズミが増えたのは数が増えただけじゃないよな。また別の理由があると思わないか?」
「ふむ、奴らの住処が地下であれば地下になにか異変があったと?」
「俺はネズミ達で手に負えない状況やネズミの脅威となる者が地下に発生したと思う。」
「ふむ、ネズミ以外の者か。探索班に継戦能力がある班をつけてみよう。」
「安全第一に、な。」
「やれやれ、ご自身以外には慎重なのじゃな。」
「そりゃあ、俺は俺の事だからな。だが、お前らは俺の命令を聞いて動いてる。命令した責任があるんだから慎重にもなるものさ。生き返るとしてもな。」
「ふぉふぉふぉ、本当に良きお方だ。む。」
「ん?おい、これは…」
「今し方、中央区で活動しておった一個小隊の班が全て倒されおった。襲撃者はネズミではないのぉ。」
猫星座達と俺には明確な繋がりがある。召喚した者と召喚された者を繋ぐパス。それが今、約50匹との繋がりが弱くなった。これは召喚された者がなんらかの理由で召喚状態を維持出来なくなった場合、つまり倒された時に起きることだ。
「最後の奴が居た場所はわかるか?」
「もう、下手人を補足しとるわ。」
「なら、俺は俺の仲間を倒した奴の顔を拝みに行ってくる。」
「心配性だのぉ。」
「ちょうど動きたかったから良い運動になれば良いな。」
「街を破壊してもある程度は大丈夫だからのぉ。」
「そりゃあ、頼もしいねぇ。じゃ、ちょっくら行ってくるわ」
「あいな。」
俺は天歩で空を駆け上がり、中央区方面へ疾走する。下手人がいる場所の上空には警戒レベルが上がった爆撃隊の猫達が旋回しているのが丸見えだった。俺は駆けるスピードを落としながら下手人がいるポイントの上空へ到着した。
地上に居たのは昨日のハーフリンクと数人の人類種。俺が到着したのに気が付いたハーフリンクが声を出そうとした。だが、俺は奴の声を1音すら聞きたくなかった。だから、奴の頭に強力な重力負荷をかけ地面に倒れるようにした。奴の頭がぶつかる位置の地面の影を影魔法で操作して奴の声帯を二度と使い物にならないように念入りに丹念に破壊する。痛覚遮断設定していたのか痛みに悶える様子がない。ただ、自分に何が起きたのか理解が出来ないようで開きかけた口を開けてポカンとしていた。
俺は奴を完全にキルしても良いと考え、影魔法で奴の身体を雑巾絞りしてポリゴンを弾けさせた。残った奴らを〆れば情報などいくらでも引き出せる。さぁ、開始だ。
演技をONにして「真威圧」を解き放つ。
「我が配下の者を屠った愚か者は先程の呪術師と貴様達か?なぜ我が配下の者に害を為した?」
「え?呪術師?え?」
「アイツ、吟遊詩人だって言っていたよな?」
「猫を殺せばコイツを誘き寄せることは確かに簡単だったが、なんだこの胸を鷲掴みにされるプレッシャー!?」
「ほお、我を誘き寄せるために我が配下を手に掛けたのか。なら、目的は達成されたな?なんの用で我を誘き寄せた?」
「てめぇには1億の懸賞金がかかってるんだよ!」
「お前が何をやったか俺らは知らないが大商人のNPCがお前を狩れだとよ!」
「お前の素材が欲しいってよ!」
「はぁ、アホくさ。そんなしょうもない理由で我の配下を手に掛けたのか。はぁ」
「真威圧」「神気解放」全力解放
「貴様らには見せしめになってもらおう。そして、今から我が貴様らにすることは貴様ら自身の罪による罰だ。よく噛み締めろよ。」
先程のような生ぬるいプレッシャーではない強制的に跪かせる重圧。言葉を発することも出来ず、ただこれからのことをされるがままに受け入れるしかない愚か者に俺は念入りに丹念にじっくりと頭、首、胴体以外の人類種として欠かせない部位を先から順番に破壊していく。狙いが狂わないように影魔法で固定して重力魔法でじっくりとじわじわ、じわじわと皮膚の下にある骨だけを粉砕していく。ほぼ芋虫状態になったら拘束していた影魔法を解く。
「これからの冒険は楽しいものになると良いな。一生、その身体でな。」
最後は復活してきた一個小隊の猫達に介錯させた。猫に恐怖心を抱いてくれたなら大成功だな。ゲームの中だからって猫を50匹も殺せる奴に慈悲はない。
ぽーん!称号「猫の執行人」を獲得確認しました。これにより、猫に害を成した者を裁いた時に相手のカルマ値を大幅に下げる。
ぽーん!オリジンスキル「骨粉砕刑」を取得しました。
あんな身体で街中に滞在出来なくなるのか。ある意味最高刑だな。
「さて、これでアホどもの掃除は終わった。皆、引き続き頼んだぞ。」
にゃー!
うむ、良い返事だ。
ハーフリンクの目的はわかってませんがギンパッチ的には知りたいとは思ってません。それよりも口から音を出せなくするのが最優先で、苦しみ悶える姿を見れていれば即退場はさせなかったでしょうね。
痛覚とは生きてる限り無くすことは出来ませんが、痛覚遮断設定をしておくと限りなく痛覚を感じなくさせることは出来ます。ちなみに、1から100がありギンパッチは100のリアルと同じ感覚です。それでも大した脅威ではありません。
大商人のギンパッチにかけていた懸賞金が跳ね上がってましたね。プレイヤーをプレイヤーがハントしても何もドロップはしませんが、「完全解体」というスキルを取得していれば確率で遺体が残り解体することが出来ます。ですが、人類種を解体すると強制的に全ての人類種から敵対関係になります。悪性NPCとの好感度は上がりますがその他のNPCからの好感度はとんでもない値まで激下がりし街に入ろうとすると戦闘系NPCに排除されます。それでも、抵抗し続けると全国指名手配されます。やってはいけない禁忌というものがあります。
ま、人類種を解体しても手に入るのは装備品だけです。動物や魔物種は毛皮とか爪、牙とかですね。復活した時に状態異常の破壊状態なので聖女の"奇跡の力"かラストエリクサー(ネタアイテム)で治療するか種族進化するしかないですが、狩り尽くされた種族だけがなれる特殊条件があります。アンデッド系への種族変更という。ここらへんは色々と設定を考えるのが面白いためいつか出したいですね。
それでは、次回*˙︶˙*)ノ"




