デブ猫と老ペルシャ猫
にゃー!会話回です。デブ猫と老ペルシャ猫だけです。
イベント2日目
昨日はあれからネズミを根絶やすまでは行かなくてもだいぶ駆除出来たが、更に猫星座を放流。さぁ、今日もヤってらっしゃい。
…いつか那由多の猫星座を解き放つ時が来るんだろうな。
今も昨日の倍以上の猫星座達がにゃー!にゃー!言いながら勢いよく街中に消え…いや、後続が続いてるから見えているな。
「なぁ、マグス。」
「なんじゃ、神よ。」
「これ、日に日に増えてくという認識で良いか?」
「そうじゃ。」
「前聞いた毎秒100増えるのより増えている気がするんだが?」
「この星の猫星座になれる猫が続々と合流しとるからのぉ。」
「は?死んだ猫だけだろ?猫星座になれるのは。」
「そうじゃよ?だから、天に昇れずに地上をさまよっていた猫の魂が儂らが地上に降りていることに気付いて合流して来ておるのじゃよ。」
「なぜ、天に昇れずにいたんだ?」
「そりゃあ、儂らがかのにっくき神に殺られてしもうたからのぉ。新たな魂を受け入れる状態ではなかったのじゃ。」
「ああ、あのカナブンか。」
「虫扱いか、ふぉふぉふぉ。」
「ちなみに、マグス達が殺られて俺が奴を滅するまでで何年くらいとかわかるか?」
「ふむ、おおよそ50年くらいかのぉ。」
「…とんでもない数の猫が集まるだろそれ。」
「それほど、我らは増えては散ってまた増える種族だからのぉ。」
「そういえば、エジプトのバステト神が多産を司る神ってのが聞いたことがあるがそれが?」
「さてのぉ、ネズミや虫も多産だから何某の神の影響を受けていてもおかしくはないのぉ。」
「現世で幸せになれなかったのは猫星座で幸せになってもらいたいな。」
「ふぉふぉふぉ、お優しゅうお方だのぉ。我らの神よ。」
「当然だ。お前らと俺は一蓮托生だろ?」
「ふぉふぉふぉ。他の者どもが今のを聞いて張り切りだしましたぞ。」
「励んでくれるなら良いことだ。マグス、お前の知恵を借りたい。」
「はて?儂の知恵とな?」
「俺のオリジンスキル「魔力色の魔眼」には相手の感情や魂を相手の魔力を色として認識するスキルがある。昨日、ある異界人のハーフリンクに話しかけられたんだが奴の色が視えなかったんだ。あのカナブンですら視ることが出来たし、友人の異界人の色も視ることが出来るのに奴だけ視ることが出来なかった。なにか視ることを妨害するようなスキルや道具を知っているか?」
「ふむふむ。そりゃあ、多分魔女の護符の効果だのぉ。」
「魔女の護符?」
「効果は大したことがない。"魔の者を欺く"ことしか出来ないが敵性生物には認識されにくくなるという一人旅には持ってこいの魔道具じゃよ。にしても、アレは偏屈な魔女のお気に入りしか持たせてもらえないはずだがのぉ?」
「ふーん。悪い奴ではないのか?」
「いんや、魔女にも色々と居る。偏屈でも真っ直ぐな芯を持った古き良き隣人。愉快的な思考と破滅的な思考を両立させる悪しき者。語り部としての役割を担う人柱。…慈悲深き尊き者。そのハーフリンクがどの魔女から持たせられたかによって善なる者か悪しき者かが変わる。」
「ま、俺は奴の声が苦手だからこちらから関わるつもりはない。もし、向こうが関わろうとするなら潰す。」
「ふぉふぉふぉ、血気盛んだのぉ。ふむ、声が苦手とな?」
「ああ、子供の声に似ているんだが子供の声を聞いても何も思わないのに奴の声を聞いてるだけでイラつく。」
「ふむぅ。多分、それは声か言葉に魔力を纏わせて思考誘導を施すという呪術の類いだのぉ。」
「状態異常はこの首飾りで完全無効されてるぞ。」
「だからだろうのぉ。効きもしない雑音を聞かされてるようなもんじゃ。」
「なるほど、耳元に羽虫が飛んでいる感じか。」
「…まったく違うが、これで明確に我ら神に害意を持っている輩だと判断出来るのぉ。ヘイジ、バーレ、バスク、ヤナ、ヒナ、ヤヘチ。ハーフリンクは呪術を使うから全ての者に呪詛返しの印を付けておけ。」
「あ、今思い出したが奴はなにか楽器を所持してるから気を付けろよ。」
にゃー!にゃー!
「…まったく、あやつら。」
「はははっ、俺は可愛くて良いと思うぞ。…いや、流石にマグス達古参や幹部達は歴戦の勇士って感じなのが似合ってるからお前らはそのままで良い。若い猫はまだ可愛さを出しても俺は良いと思う。うむ。」
「我が神がそういうのであれば良いのじゃが…あとでどうなっても儂は知らんぞ?」
「え、ちょ、マグス?マグス?!」
1那由多とか1つの街を猫で占領出来そうですね。
前話から出てきてるハーフリンクは掲示板の名無しのハーフリンク(吟遊詩人)です。彼の目的はなんでしょうね?
それでは、次回*˙︶˙*)ノ"




