抹消された星座
おはようございます。日差しに焼かれながら起きました。昨日の忘年会は酒が入ると他人の顎をずっと殴ってくる人の隣に固定されていて頭が痛くなって1次会途中で帰りました。シラフなら良い人なんですがね。
「にゃー、にゃ、にゃあ?」
「ん?どこに行くか?これから砂糖と塩の戦場に乱入しに行く。」
「にゃ?にゃにゃ?にゃー?」
「いや、馬鹿じゃないし。死にたがり野郎でもないわ。理由は食道楽?」
「にゃ?」
「俺の種族スキルに「星喰い」があるから奴らの船を食べたら美味しくてな。それで戦場には食事しに行く。」
「にゃ!にゃあにゃあ!にゃにゃ!」
「ズルじゃない。種族スキルだから取得はどうかな?種族スキル「食いしん坊」があれば可能性あったけど、お前どう見ても食いしん坊じゃないよな?」
「にゃにゃ!?ふしゃー!!」
「ちょ、怒んなよ。そういう話題は猫もタブーなのかよ…」
「にゃ!にゃあにゃあ!にゃ!にゃあにゃ!」
「む、またわからんことを言ってるな?罵られてるのはなんとなく伝わるが。」
「にゃ!にゃあにゃにゃ、にゃはぁ」
「罵り疲れたか。さて、俺は行くよ。お前は他へ行け。俺が行くのは戦場だからな。お前を守ってやれん。」
「にゃ?にゃにゃにゃあにゃー?」
「俺これでも強いからな?図体だけじゃないからな?」
「にゃ」
「そう名残惜しそうにされると後ろめたくなるな…俺の条件を絶対に守れるなら連れてく。」
「にゃ!?にゃあにゃあ!にゃにゃ!」
「ああ、男に二言はねぇよ。それで俺からの条件は"何があろうと俺から離れるな。必ず俺にくっついて離れるな。俺を信じろ"だ。これを守るなら連れてくし守ってやる。」
「にゃあ!!」
ぽーん!これまでの業績により特殊スキル「動物会話(猫科)」、「契約」、「眷属化」を取得しました。
ぽーん!抹消された星座「猫座フェリス:個体名フェリセット」と契約を結びました。契約対象との種族相性が良好のため、眷属化しました。解除するためにはお互いの同意が必要です。
※デメリットは眷属が死にます。
ぽーん!眷属フェリセットに種族スキル「星喰い」が共有されました。眷属フェリセットが成長すると更に共有出来るスキルが増えます。
ぽーん!称号「抹消された星座の主」を獲得確認しました。神格が微増しました。
「なんてこった…」
「どうしたの?」
「今のやり取りでお前、フェリセットとの間に契約が交わされて猫同士ってことでフェリセットが俺の眷属になった。」
「眷属?あなたってそんなに格が上なの?私これでも元星座よ。」
「俺は最下級だけど神格持ちだぞ。」
「ええ?見え…ないわね。」
「はぁ、だから俺はこの宇宙で格上げを目指してる。」
「え?さっき食道楽がなんだか言ってたよね?」
「ぐ、食道楽はオマケだ。オマケ。メインは格上げだ。」
「ふぅーん?そうなの。それでメリットは?」
「まず、さっき種族スキル「星喰い」欲しがってたろ?眷属になったことによってフェリセットに共有されて、使えるようになった。他のスキルはフェリセットが成長したら追加で共有される。」
「やったぁ!わぁーい!」
「次にデメリットは今わかってるのは眷属解除したらフェリセットが死ぬ。」
「あ、解除する気は一切ないわ。」
「そ、そうか。」
「その反応だとお互いの同意がないと解除出来ないのね。なら私は同意しないわ!」
「こ、このメス猫…」
「さて、これからよろしくね"ダーリン"♡」
「やめろ!!」
今朝起きて顎が痛くて、鏡を見たら顎が少し腫れていました。酒入ってたのが麻酔の代わりになっていたんですね。新年会やるみたいですが、今から少し参加したくない気持ちです。
抹消された星座、猫座のフェリスと宇宙開発の実験にされた元野良猫のフェリセット。干支でも猫だけなれなかった逸話とか色々ありますね。
実は私、猫より犬が好きです。ですが猫に救われたことがあります。当時、新社会人だった私に遠く離れた実家から電話がありました。愛犬が明日を迎えれないと。すぐに最後の挨拶をしに帰りなさいと。その時、これから夜勤で帰れない状況でした。そのことを家族に言いました。親は納得してくれましたが、兄弟からは人でなしだとか散々に罵倒されました。
翌日、夜勤明けで実家に帰りました。帰ってからも散々に兄弟から言われながら冷たくなった愛犬に遅れたことを詫びました。その日にペット火葬してくれるお寺さんに行って納骨をすませたあとに家族と一緒に居たくなかった私は1人あてもなく歩きました。会社をクビになってでも帰るべきだったのか?ニートを覚悟して帰ってそれで良かったなんて来年にはそう思えなくなるというのに?などなどつまらないことを考えながら1人、誰もいない公園のベンチで、愛犬の死に目に会えなかったことを後悔する自分が居て何がなんだかわからなくなり泣いていました。
すると、白黒茶のぶち猫がベンチに座っている私の膝の上に乗ってきました。私は猫が近づいてきたことに気付きませんでした。
その猫は私の手を猫パンチして来ました。何をしたいんだろう?と思った私は猫パンチの射程範囲外に手をどかしました。その猫はなにを考えてるのかわからない感じでしたか頭を私のお腹にグリグリ押し付けてきました。犬とは違う反応に私は普段野良猫を見ても触れることがなかったため、撫でて良いものか躊躇しました。
業を煮やしたのか、今度はお腹から肩に飛び乗ってきました。この猫は相当人懐っこいと思った私はそこで初めて、その猫に触れました。ああ、獣臭いと思ったことは今も覚えています。
その猫に触れている間、先程までよくわからなかった自分の感情が少しずつ楽になっていくのがなんとなく思いました。
涙が止まり、もふもふの虜になった頃にその猫は私から離れて足早にどこかへ行ってしまいました。名残惜しかったですが私はあの猫に心を救われました。
それ以降、実家に帰る度にその公園へ行きますがあの時の猫とは会うことはなかったですね。
それでは、次回*˙︶˙*)ノ"




