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VRMMOで勝手気ままな魔猫になりました。  作者: きれいな紙片
デブ猫が始まりの街に
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キャラメイク

きれいな紙片です。よろしくお願いします。

またVRMMOかよ、と思われますが「そうです。またVRMMO系の作品増えます。やったね!」という私の気持ちです。

目を開けるとそこは畳が4畳ほどしかない狭い部屋の中だった。部屋には畳と壁以外に何も無く、天井から夜空が見えるのに部屋は普通に明るいという光景に脳がバグりそうになる。


頭を傾げていると夜空から一筋の星が降ってきてるのに気付く。まさか、アレが案内NPCなのか?と運営が心を読めていたなら「サプライズとロマンですよ!」と返事していただろう。


ここまでの演出は全て限定版セットを手に入れることが出来た者に運営からの粋な演出である。意味はわからないが。


流れ星は目の前まで降ってくると畳に当たり軽快な音とともにハジける。


ハジけた瞬間に眩しい光に視界が明滅する。


「はじめまして!限定版セットを手にせしツワモノなお客さん!私は限定版セット専用のキャラメイク案内NPCの星ちゃんです!よろしくね!あ、あれ?どうしたの?目なんて抑えて?」


効果があるかわからないが目頭を揉みこみながら

「ハジけた瞬間に視界が明滅したからだよ。」

「あらら、ごめんね!もう少し落ち着いてからにする?」


まだ、ところどころチカチカするが直に回復するだろう。


「いや、少し良くなった気がするから大丈夫だよ。」

「じゃあ、まずあなたのお名前を教えてくれる?あ、本名じゃなくゲーム内でのね!」

「じゃあ、おでん」

「残念!もう既に使われてる名前だね〜」

「なら、まるしかくさんかく」

「長すぎる名前でそういうのは運営からアウトです!」

「く、俺のアイデンティティが!」

「おでん愛しすぎでは?」

「とりあえず、名前は後回しに出来ないか?」

「え〜?どうしてもって言うなら仕方ないね〜!」


案内NPCがウザいと思ってしまった。


「じゃあ、次は種族を決めようか!」

「すごい種類の種族が表示されているんだが?これ普通なのか?」


選択ウィンドウにはヒューマン、エルフ、ドワーフ、獣人、魔族、魔獣、魔物、妖精、妖怪の項目が表示されている。

試しにヒューマンを選択するとヒューマン(平地)、ヒューマン(砂漠)、ヒューマン(山)、ヒューマン(海)…というヒューマンの後ろに()で何か書いてあり

獣人だと犬獣人、猫獣人、狼獣人、狐獣人、熊獣人…という風に下へスクロールしてくと全動物ベースの獣人が表示されている。


あまりの選べる種族の多さに案内NPCに聞くと

「通常版は選べる種族の数は今表示されている5分の1くらいよ!限定版はほぼ全部から選べるから限定版はプレミア価格なのよ?まさか、知らなかったの?まさか、転売されていたのを買ったおバカさん?」


案内NPCの雰囲気がおどろおどろしくなった。誤解は早く解かなくては!

「誤解だ!趣味仲間達とやった、ビンゴ大会で特別賞がこの限定版だったんだ!主催者はハンドルネームしか知らないが"がんも男爵"という。」

「"がんも男爵"?またおでんですか?」

「そうだ。屋台のおでんで好きな具をすすめ合う趣味の会だ。」

「なんですその変な趣味?」

「感情的になるよりも大人な会話の方が平和だろ?」

「嘘を言っていないので本当のことなんでしょうね〜」

「さすが、スーパーAI様」


最近のAIは嘘を見抜くと言っていたハンペン太郎に後で感謝しておこう。


「でも、知らないのは何故です?」

「特別賞の商品は届いてからのお楽しみだと言われていたし、自分がプレイ出来るとは思っていなかったから調べてもいなかった。」

「では、何故転売しようとはしなかったんです?」

「転売対策されているだろうしせっかくなら遊ばせてもらおうと思ったからだよ。」

「わかりました。では、種族を選んでください。その後に名前も決めてください。」


やっと、おどろおどろしい雰囲気がなりを潜めたがテンションが下がったな。


どれでも良さそうだが、決めかねる。スクロールを1番下まで操作すると"ランダム"の文字を目にする。

「んー、お?なぁ、このランダムはなんだ?」

「あ〜、ランダムは"全て"の種族から1つの種族になれる運試し要素ですね。」

「"全て"?限定版でも表示されない種族もってことだよな?」

「そうですそうです。ただし、ランダムを選択するとやり直しは出来ませんしリセットも出来ません。一生その種族になります。」

「よし!ランダム、ポチッとな。」

「躊躇なしにランダム選択しましたね。私としては早く済みそうで良いですが。」


ランダムを選択すると、種族選択ウィンドウが光る玉をハンマーで叩き割る描写を映し出す。が、光る玉は割れない。なんだ?


「ご自分のタイミングで好きなようにハンマーを光る玉にぶち込んでください♡」

「唐突なハートマークやめろ!」


昔こういうお菓子があったな。いや、運命のクッキーの方が近いか?


俺は光る玉の左下から上へかち上げるようにハンマーを操作する。叩き割れる光る玉から何かが姿を表す。


「さぁ!何が出たんでしょうか!」

「テンション戻ったな。」

「運営から指摘されましたので〜」

「…覗き見してるのか。」

「サービス開始から数時間経っていて、問題なければ運営も暇なので仕方ないんですよ〜!」

「で、なにこれ」

「これは!!」



























"銀茶白ぶち魔猫(デブ)" SSR


「あはははは!!可愛い!デブ猫ちゃん!!」

「…。」


瞳の色は金色、右耳が銀色、顔の左側が茶色、顔の右側が白色で首と前後足先が白色というマフラーと靴下履いたような感じで他は銀色と茶色が混ざったような模様をした子供くらいの大きさのデブ猫だった。


「ふふふ!ふは!あは!あはは!!」


案内NPCの大爆笑してる姿を視界から外して、これから俺の姿になるデブ猫を見ながら考える。


「…決めた。俺の名前はギンパッチだ。」

「ふひひ!ふはは!あっははは!あー!えーっと?ギンパッチ?はい、セーフです!」

「あとは何をすればいい?」

「あとは、種族スキルの確認とスキル選択です。」

「このゲームの知識がないから聞いておくがステータスの振り分けはないのか?」

「あ〜、ギンパッチさんはそういう人でしたね。では説明しましょう。当ゲームではプレイヤーにはステータス振り分け権限はありません。ですが、行動によってステータスは自動振り分けされます。例えば、盗みをしました。衛兵と鬼ごっこしました。無事に逃げ切りました。このような行動で器用と素早さと賢さと体力と力が微増します。カルマ値が15下がります。」

「なるほど、カルマ値とはなんだ?」

「カルマ値は善悪の数値です。善をなせば、カルマ値は上がります。悪をなせば、カルマ値は下がります。カルマ値の初期値は30です。カルマ値の下限はマイナス1000以下です。上限は無いです。」

「カルマ値が下がり続けるとどうなる?」

「善側のNPCの好感度イコールです。」


にっこりと笑う案内NPCの目は笑っておらずハイライトが消えている。


「悪側のNPCでも即敵対関係になります。」

「それなぜ?」

「カルマ値は普通は下がりません。それなのに短時間で下がるような人を異常だと見なすからです。それに本当の悪NPCは少ないですから。」

「やむにやまれぬ事情でカルマ値が下がる場合があるってことか…」

「その辺りは実際にクエストを受けて知って行ってください。それではさっそくギンパッチさんのデブ猫ちゃんの種族を見ていきましょう!」


ギンパッチ Lv1

オス

種族 魔猫


HP150 MP110

力50 防御50 素早さ20 賢さ35 器用15 運10


種族スキル

「魔力操作」、「猫足」、「軟体」、「食いしん坊」


スキル

「」、「」、「」、「」、「」


SP10


称号





「食いしん坊!!あはははは!!」


また案内NPCのツボを刺激したようだ。もう開き直ってやる!笑いたければ笑いやがれ!!


「ねぇ!種族スキルの食いしん坊のとこを2回タップしてみて!」

言われた通りに食いしん坊の文字を2回タップしてみるとスキル詳細が表示された。




種族スキル「食いしん坊」


おデブな動物に必須なスキル。効果は空腹値が通常の2倍減りやすくなる。食べ物の匂いがする場所で食事をせずに素通りしようものなら空腹値が0になり、目の前が真っ白になり行動不能状態になる。常に食べ続けるくらいがちょうど良い。


とある動物愛好家

「お腹空かせた鰐に食べられそうになりました。くれぐれもおデブちゃんに不用意に近付いてはいけませんよ。」

とある助手

「それはアンタだけだ。」



「…。」

「くふふ、ふはは!あっははは!ひぃひっひっ」

「めっちゃデメリットスキルやん。」

「ちなみに、行動不能状態になっている間にログアウトは出来るけど再ログインしても行動不能状態のままだからね。」

「どないせいっちゅうねん!」

「誰かに恵んでもらうと回復するよ!」

「え〜!それは何か嫌だな。」

「そうならないように頑張ってギンパッチさん!!」

「へ〜い。で、次はスキル選択?」

「そうです。ちなみに、SPとはスキルポイントのことです。Lvが上がると1Lvごとに10ポイントもらえます。スキルポイントはスキル取得に必要になりますが今回はスキルポイント消費無しで下位スキルならどれでも選択出来ます。」

「下位スキル?なら上位スキルもあるのか?」

「正確には下位、中位、上位、最上位スキルあります。あと、ギンパッチさんは限定版セットなので中位スキルまで選択出来ますが中位スキル1つが下位スキル2つ分なので注意してください。」

「下位スキルだけならスキル5つ選択出来るけど、中位スキル選択したら3つか4つになるのか。」

「慎重に選んでください!」


俺はスキル選択ウィンドウを眺めながらスキルを見ていく。

武器系スキルは俺の姿では不格好だな。魔法は使いたいが色々あるから後回しに。下位スキルだと色々と欲しいのがあるな。ん〜


「お悩みなら相談に乗りますよ?」

手持ち無沙汰なのだろう案内NPCが聞いてくる。

「なら相談に乗ってくれ。素手での戦闘は俺の種族だと強いのか?魔法は中位スキルの方だと何が良い?」

「ギンパッチさんの種族は武器を所持出来ない種族なので素手での戦闘は最適です。魔法の中位スキルはどのような目的で取得したいかですね。」

「なるほど。なら、中位スキルの「徒手格闘術」を取得する。魔法は移動や思わぬ場面で相手を出し抜く時に使用したい。」

「それなら、空間魔法と言いたい所ですが上位スキルなので無理ですね。ギンパッチさんの種族と親和性がある影魔法などはどうでしょうか?闇魔法から派生した中位スキルです。」

「何故、親和性が高いんだ?」

「ギンパッチさんの種族魔猫は魔獣の1種で魔と付く種族は闇系統の魔法との親和性が高いんです!」

「なるほど。なら「影魔法」も取得する。あと1つは下位スキルか。何かオススメはあるか?」

「それなら、「発見」をオススメします。」

「それはなにかあるのか?」

「お答え出来ませんが、運営からは「騙されたと思って取得して欲しい」とのことです。」

「どういうことだ?」

「運営は自信を持ってスキル作成をしたものを他プレイヤー達に勝手に不遇スキル扱いされている現状を嘆いています。ギンパッチさんならスキルの真の力を引き出せると運営からの「お願い」です。」

「だが、貴重なスキル選択枠をわからないものにしたくない。何かないか?」

「…運営から「発見スキルを取得してくれるなら食いしん坊スキルのデメリットである食べ物の匂いによる空腹値大幅減少についてを無効化することを特別処置として条件に設けたい」とのことです。やりましたね!」

「もう一声!行動不能状態の緩和を!」

「運営から「し、仕方ないな!今回だけだから!それよりも発見スキルの有用性を知らしめてよね!」とのことです。おお〜!交渉上手ですね。」


ぽーん!称号「運営と交渉して勝ち取る者」を獲得確認。初めてこの称号を手に入れた者として賢さ+10されました。


「なんだ?称号?」

「え〜!称号をもう手に入れたんですか?ちなみに、称号の初めて獲得者特典としてステータスがもらえます。おめでとうございます!」

「なるほど。ちなみに、称号って誰が与えているんだ?」

「そういう担当の上位NPCです!」

「ふわぁっとしてるな。」

「深く考えないことが楽しむコツですよ!」

「一理あるな。これで終わりか?」

「そうです!とりあえず、おデブ猫のギンパッチさんになってみて違和感ないか確認されます?」

「そうだな。」

「では〜!」




気が付くと視点が低くなった。ちょうど案内NPCの膝よりだいぶ下辺りに俺の頭がある。これが猫の視点か。なんだか犯罪臭がする。視線を上に上げるのはダメな気がする。


「ギンパッチさん、どうです?なにか違和感あります?」

「違和感だらけの中でヤバいことに気付いた。」

「なんです?」にやにや


あ!コイツ気付いてる癖にわざと聞くか!


「ギンパッチさん?どうされました?」にやにや

俺の反応を楽しむ案内NPCはしゃがみこむ。

「ちょ!お前!姿は女の子なんだからしゃがみこむな!」

「え〜?なんでです?教えてください!」にやにや

俺は咄嗟に顔を背ける。そうすると案内NPCは俺に触れてくる。

「わぁ!めっちゃ手触りが良いですね!しかも、なかなか(ぬく)いですね!」

「う、おお!?」

「あ〜、このまま抱き着いて顔を埋めてしまいます〜!」

「ちょ!本当にお前、遠慮しないな!!」

「だって〜!ゲーム内でこうやって触り合うことなんて生まれてから今まで無かったですから!」

「…仕方ないな!ちょっとだけだぞ!」

「ギンパッチさん、ありがとうございます!もふもふ〜!」

(このデブ猫チョロ!)


ぽーん!称号「チョロデブ猫ちゃん」を獲得確認。初めてこの称号を手に入れた者として隠しステータス魅力が解放されました。隠しステータス魅力が+10されました。

ぽーん!称号「星を司る女神を虜にした者」を獲得確認。初めてこの称号を手に入れた者として全てのステータス値が+25、隠しステータス魅力が+50されました。


「え?え?はぁ!?誰がチョロいんじゃい!ていうか、おま最上位NPCだったんかい!」

「ふへへ、そうですよぉ〜、私偉いんですよ〜、プレイヤーにはギンパッチさんしか認知されてませんけどぉ、ぐすっ」

「泣いてんの?!運営にも何か考えがあるんだろ?これから出番増やしてくれるだろ?」

「…」俺の猫ボディ(腹)に顔をぐりぐり埋める。

「おい」

「すぅー!はぁ〜。すぅー!はぁ〜。」

「コイツ猫吸いし始めやがった!そんなことをしていると他の猫に嫌われるぞ。」

「そしたら、私はギンパッチさんを吸います!」

「やめい!」前足で案内NPCこと星の女神の頭を叩くと

「うへへ、猫ちゃんの猫パンチだぁ、ぽむぽむ気持ちいい…すやぁ」

「コイツ…俺を抱き枕にして寝やがった。」


ぽーん!称号「星を司る女神の抱き枕にされし者」を獲得確認。初めてこの称号を手に入れた者として隠しステータス魅力+50されました。


「称号担当者よ、そんなにぽんぽん面白称号作っては与えて大丈夫なのか?」


ぽーん!称号「称号担当者達の玩具認定」を獲得確認。初めてこの称号を手に入れた者ではなかったため報酬は付与されませんでした。


「え!被害者、俺以外にもいることに驚きなんだけど?というか、俺はいつキャラメイク終わってゲーム世界に行けるんだ?コイツ起きるまで待つしかないか…俺も寝よう…すやぁ」




ぽーん!称号「星を司る女神と同衾せし者」を獲得確認。初めてこの称号を手に入れた者としてHP+10、MP+10、隠しステータス魅力+20されました。


この称号を見た2人の反応

「orz」

「何を落ち込んでいるんですか?ただの添い寝ではありませんか?」

表のなろうでは初作品になります。

裏のノクターンに初作品がありますが、そっちは今更新してません。色々と書きたいネタの整理整頓が出来てませんので。

ま、不定期更新ならへーきへーきという気持ちです。


初っ端からステータスの上がり方や称号やら隠しステータス魅力やら出てきましたがチートはありません!無意味な無双はしません。ハーレムは…デブ猫可愛い程度のチヤホヤはあるかもしれません!



ここまでの主人公のステータス値

ギンパッチ Lv1

オス

種族 魔猫


HP185 MP145


力75 防御75 素早さ45 賢さ70 器用40 運35

魅力155


種族スキル


「魔力操作」、「猫足」、「軟体」、「食いしん坊(一部無効化)」


スキル


「徒手格闘術」、「影魔法」、「発見」


SP10


称号

「運営と交渉して勝ち取る者」

「チョロデブ猫ちゃん」

「星を司る女神を虜にした者」

「星を司る女神の抱き枕にされし者」

「称号担当者達の玩具認定」

「星を司る女神と同衾せし者」




それでは次回*˙︶˙*)ノ"

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