71.追記 ~三人の日記~
ガーデン王国に戻って来たララ・ファインズの一行。拠点の一室で日記を読んでいたカインが、通りかかったクララを呼んだ。
「あ、だ、団長!」
呼ばれたクララが振り返って答える。
「ん、どうしたの?」
カインは少し躊躇いを感じつつも、初めて雷牙との日記をカインに見せた。そこには雷牙のちょっとした弱音が書かれていた。
クララが渡された日記を読む。
『実は来週、俺にとって訳ありの人がやって来るんだが、俺、その人に謝んなきゃならないことがある。昔、ぶん殴っちまってさ。何年も経つけど、まだ謝れてない。
勇気がなくてよ。
こっちのみんなやお前達の前では強い自分でいようと頑張れていたんだが、怖くて、体が震えてよ……
カイン、
情けねえ俺を笑ってくれ。
謝る事すらできない俺を笑ってくれ。
すまねえがこんな俺に、お前が持つ勇気を少しだけ分けてくれねえか』
読み終えたクララがカインの顔を見る。そしてクララはカインが書いた返事を続けて読んだ。
『雷牙。いつもありがとう。
君が居てくれたお陰で僕達はどれだけ助かったことか。
どんな強敵にも立ち向かう雷牙は僕達にたくさんの勇気をくれたよ。
大丈夫だよ、頑張れ。
僕とじっちゃんと、素晴らしい仲間が付いている!!』
カインはクララが読み終えたのを確認すると、『団長からもお願いします』と言って筆を渡した。クララはカインに筆を渡されて初めて雷牙への言葉を綴った。
『雷牙、ごめんね。カインに頼まれてここに記すよ。
みんなね、誰だって辛いことや大変なことを抱えて生きている。
でもみんなそれに向かって必死に足掻いて乗り越えようとしている。
私も、カインもみんなそう。
だから雷牙。あなただって必ず乗り越えられる。
どうしてか分かる?
だってあなたはララ・ファインズの団員。
いつだって前を向いて進むうちのファインズの団員。
頑張れ! 応援してるよ!!
ララ・ファインズ団長クララより』
カインはクララの手の上に自分の手を乗せ、何度も頷きながら一緒に日記を閉じた。
クララの指にはカインから貰った小さな指輪が、そしてカインの指にもクララと同じ指輪が優しく輝いていた。
最後までお読みいただきありがとうございました!!




