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24.圧倒的な力

暴れまくる炎神竜の前に現れたララ・ファインズ。

今回下位ファインズには炎神竜迎撃の命は下っていなかったが、他のファインズが恐れ逃げる中クララ達だけはその危機に駆け付けた。


「これ以上暴れるな!! 何を考えているかは知らないが、私達が相手よ!!」


クララは少し震える足に力を込めながら言った。


「雑魚が……」



炎神竜はやや呆れた顔をして言う。クララは口にお菓子を入れて叫んだ。


「もぐもぐ……、凄いの来たよ!! ブリザードウィンドウ!!!」


クララの周りから強烈な雪嵐が起こる。そしてそれはあっと言う間に炎神竜を囲い込んだ。



「ほお、雪嵐か。面白い芸当だ。だが、……はっ!!!」


しばらくそれを眺めていた炎神竜は気合と共に熱風を四方に放った。


シユウゥゥ……


炎神竜の周りにあった雪嵐がその一喝によって蒸発する様に消え去った。クララが驚く。


「う、嘘でしょ……」


ドン!!


「きゃあ!!」


そしてすかさず放たれた爆撃を受け後退する。

すぐに隣にいるスミレに攻撃を命じるがウトウトして動かない。仕方なくスミレの耳元でささやく。


「スミレちゃん、あいつを撃退できたらカインが、デ、デートしてくれるって!!」


当然の如く目を見開くスミレ。そして腰の剣を抜き叫び出す。


「カ、カイン様と、デートおおおおお!!!!」



急変したスミレ。その素早い剣撃が炎神竜を襲う。


ガンガンガンガン!!!!


剣撃すらも素手で受け止める炎神竜だが、予想以上にスミレの攻撃が重く初めて後退させられる。スミレが剣を振り上げて叫ぶ。


「風神一刀流、風牙一刀ふうがいっとう!!!」


そう叫ぶとスミレの体に巻き上がる風と共にその姿が消え、そしてまるで巨大な風の刃の様になって炎神竜へ斬りかかった。


ドン!!!


炎神竜はその攻撃を間一髪でかわす。今回の戦闘で初めて危険を感じ引いた。炎神竜が思う。


(ほお、今のはなかなか。雑魚だと思っていたが、あいつ、剣の腕はまずまずだな……、ん?)


スミレの攻撃による砂埃が収まると、そこでうつぶせに倒れたままのスミレがいた。


「ぐーぐー」


それを見たクララが言う。


「げっ、あいつまた寝ちゃったよ!!」


炎神竜は意味が分からず言う。


「なんだ、あれ? 新しい攻撃か? まあいい、今度はこちらから行くぞ」


そう言って手を上げ爆撃攻撃の準備に入る。それを見たクララが急ぎお菓子を口に入れ魔法を唱える。



「もぐもぐ……、よ、よし!! 恵みの雨(フォントック)!!!」


スミレに攻撃をしようとした炎神竜の頭上に雨雲が発生。そしてそこから強い雨が降り始めた。炎神竜が笑って言う。



「おいおい、今度は雨かよ。こりゃ面白い」


「火炎風!!!」


炎神竜は片手を上げ全身から熱風を発生させると、頭上にあった雨雲を一瞬ですべて吹き飛ばした。


「ど、どうなってるんだよ、あいつ……」


クララが青い顔をして言う。そしてクララ達を睨みながら爆撃攻撃をし始める炎神竜の背中に、再び氷結魔法が放たれた。



ドン!!!


「ぐっ、次はなんだよ!!!」


それは少し離れた場所に立つボロボロになったシルファールが力を振り絞って放ったものだった。大声で炎神竜に言う。



「ひ、退きなさい!! こ、ここはあなたが来るような場所ではない!!!」


しかし度重なる攻撃で立っているのがやっとのシルファール。炎神竜が赤い顔をさらに赤くして怒鳴る。


「どいつもこいつも雑魚の分際で竜族に逆らいやがって、全部消すぞ!!!」



そう言って右手を上げその頭上に真っ白に燃え盛る特大火球を形成する。それを見たクララが言う。


「あ、あれはまずい!!」


感じるだけで分かる火球の威力、その熱量。あれが放たれれば人どころか街や城すら全壊を免れない。シルファールが叫ぶ


「や、やめなさい!!!!」


炎神竜も同じく叫ぶ。


「黙れ!! お前ら雑魚に用はない!! 出てこいや、ジジイ!!!」


破壊的なエネルギーを持った灼熱球を前にシルファールもその場に座り込む。体は震え目からは何もできないと言う悔しさと絶望の涙が流れる。


クララも目の前の相手に対し、お菓子の箱を開ける事すらもはや無意味だと感じていた。これが竜族。自分達などで抑え込むことなどできるはずもなかった。


そしてそこにいる皆が、()()()()()()ひとりの少年の名を浮かべた。



――助けて、カイン……



ドーーーーーン!!!


「えっ!?」


突然後方より地響きが起こる。

皆が驚き振り返ると、物凄い爆音と共に巨大な砂煙が立っている。その地面は割れて大きな穴が開き、そして上空にはひとりの女性を抱きかかえた少年が舞っている。その姿を見て皆が叫ぶ。



「カイン!!!!」

「カイン様ああぁ、ああ……」


トンと地表に降り立ったカインは抱えていた女性を下ろすと離れるように指示。炎神竜は突然の出来事に驚いたが、頭上に形成していた巨大な灼熱球をそのままクララ達に向けて放った。

カインはそれを見て高速で移動。皆の前に立つと、剣を抜き下から上へと力強く振り上げる。


「強風斬!!!!」


大声で叫ぶカイン。

その剣圧から発生した巨大な竜巻が迫り来る灼熱球に接触、そのまま空へと持ち上げようとする。


「ぐおおおおおお!!!!」


カインは竜巻に力を込め一気に上空へと押し上げ、そして白昼の花火の様に大空でそれを爆発させた。



「カ、カイン……」


目の前で起きた迎撃に驚き動けなくなるクララ達。辛うじてその少年の名前だけを口にすることができた。

カインはクララとシルファールの傍に行き手を取り引き起こす。


「俺が来た、安心しろ」


「カイン……」

「カイン様……」


クララとシルファールが安堵の涙を流す。カインが言う。


「いい笑顔だ、嬢ちゃん」


それに頷くクララ。




「お前、何者だ?」


いきなり現れたカインに炎神竜が言う。


「カインだ」


「カイン? 強神竜ジジイの匂いがする、が……」


カインの顔を見ている。


「違う、お前じゃねえ」



カインが答える。


「さっきから一体何を言っている?」


炎神竜が尋ねる。


「お前、強神竜きょうしんりゅうを知ってるか?」


「強神竜? 詳しくは知らないがある程度なら知っている」


炎神竜が言う。


「何でおめえから強神竜ジジイの匂いがするんだ?」


「俺も聞いた話だが、多分竜の力を受け継いだからじゃねえのか」


「お前がか?」


「そう言うことだ」


炎神竜は右手を前に差し出して言う。



「でもよ、違うんだよ。()()は!!!」


ドオオオン!!!


そう言ってカインの前で爆発を起こす。それを顔色ひとつ変えず両手で防ぐカイン。


「ほお」


少し驚く炎神竜。カインが言う。



「さっきから何言ってんだか分からねえが、売られたケンカは買うぜ!!!」


カインはそう言って拳に力を込めた。

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