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第087話 両親との再会

いいね、ならびに評価いただきありがとうございます。

励みになります。


 ヒビキに強化を快諾してもらい、その後は細かい買い物に明け暮れた。

 保存食、エヴァとガブリエラの普段着、馬の餌などだ。

 ブルックリンの剣のメンテナンス、ステラの弓矢補充も経費で処理するぞ。と言ったら拝まれた。

 良く聞くと聞いたらメンテナンス代もなかったらしい。

 どんだけギリギリでやってるんだ。どうしてそれで装備を新調しようとした?と軽く説教する。

 ブルックリンには語学だけでなく算術も教えさせて方が良いかもしれない。


 宿に戻ると二手に分かれた。

 リッキー、ブルックリン、ステラの部屋での勉強組。

 僕、トリィ、ヒビキ、ミア、エヴァ、ガブリエラの馬車番組だ。

 馬車番組と言っても僕は今日購入した馬車への魔法陣組み込みだし、ミアとガブリエラは明日の昼食の準備だ。

 トリィ、ヒビキ、エヴァは馬車番だが、昨日の立ち回りを知ってか知らずか、今日はスキを見て何かしようと言う輩は現れなかった。

 好奇心で敷地外からユニコーンをながめる程度だ。 


 2時間ほどかけて馬車本体への()()と馬の鞍への()()()()の魔法陣付与を終える。

 これで明日の帝都への移動も楽になるはずだ。

 あとヒビキの強化だが・・・

「使い慣れた魔法を魔力量を気にせず使えると選択肢が増える」

 という至極まっとうな意見にうまく反論できず、空壁(エアウォール)空弾(エアバレット)という新鮮味のない魔道具から提供していくことになった。

 トリィも欲しがったので、氷壁(アイスウォール)氷弾(アイスバレット)を作ることにする。

 見えない方が相手のダメージはでかいのだが、逆に見えないので威嚇や牽制に使えないというデメリットもある。率先して相手を攻撃したいわけではないので、使い慣れてて魔力量の制限が緩和される2人の要望をかなえた格好だ。

 他にも作りたかったが、明日も移動があるし、依頼分を作らないといけないので試したいものはまた今度にする。

 貴族との面談自体は本当に気の抜けないものになるはずなので、あまり奇天烈なものを作るわけにもいかない。

 不完全燃焼のまま、翌日のために眠ることにするのだった。

 夜の馬車番は勉強を終えたリッキー、ブルックリン、ステラを合わせて交代でするらしい。

 寝る時間足りなくない?と聞いたが、明日の日中馬車の中で寝るそうな。

 ()()が効いているので振動少なく良く寝れるそうな。

 もともと移動中も魔道具作るための改良だったが、思わぬ効果である。


 ◇◇◇◇◇


 翌朝、オラゾーラ侯爵との交渉に向かうローラさんに挨拶してから出かける。

 寄子のラング伯爵家の人間と揉めたことも余さず話してある。

 ローラさんは黙って最後まで聞いた後、

「大過なくすごすことができないのですか、あなたは・・・」

 とつぶやいた後、

「お願いですから帝都では問題を起こさないでくださいね。」

 と頼んできた。

 テムステイ山の件と言い、昨日のラング家の件と言い、僕は巻き込まれた側である。

 注意されて避けられるものではないのだ。

 とはいえ、それを素直に口にしてローラさんを不安にさせるのも本意ではない。

「わかりました。(巻き込まれないように)気を付けます。」

 そう答える僕をローラさんは不安そうに見ながら手を振ってくれた。


 夕方ごろに帝都のタッキナルディ商会にも無事に到着する。

 同行してくれた侯爵領の守備隊がいろいろ手を回してくれたおかげか何の問題もなかった。

 商会について、店先にいる人に到着を告げるとすぐに父母が店頭に姿を現した。

 というか僕が到着するのを待っていた感じだ。

 父のレッドと、母のユリア。160cmほどしかない父と180cmの母。

 僕は黒髪は父から、身長は母から引き継いでる。

 兄のロッコは茶髪も身長も性格も母から引き継いだようだが、母は父に全然似てなくて可愛げがないと兄のいないところでもらしていた。

 「来たか、タック。」

 と父が言い、僕は無言でうなづく。

 「ご無沙汰してます。おじさま、おばさま。」

 とトリィが僕の父母に挨拶する。

 「ベアトリクスさん、本当にタックでいいの?」

 と母がトリィに確認する。

 てか母さんよ。久しぶりに会った第一声がそれというのはおかしくないか。

 トリィも苦笑いしながら、「ええっ、タックが良いんです。」と答える。


 女性陣のやり取りを横目で見ながら、父が

 「来た早々で悪いが、付き合ってくれ。」

 と僕に声をかける。

 「どうしたの?」

 「今晩元々食事をご一緒する予定だった方が、お前がここに寄ることを知ったらしくてな。是非一緒にと言われているんだ。」

 「そうなの?ちょうど良かった。僕も父さんに帝国貴族の方を紹介してもらおうと思ってたんだよ。」

 「なんだ、商売がらみか?」

 「いや、商売は関係ないんだけど、帝国と揉めたくないからちょっと口利きをお願いしたくて。」

 「それはまた面倒なことに関わってるな。ローデス商会には迷惑かけるなよ。」

 と父さんはあごに手をやりながら言う、タッキナルディ商会のことを口にしない。

 ただこれは迷惑かけても良いというわけではない。

 タッキナルディ商会に迷惑かけないのは何に差し置いても大前提だから言わないだけだ。

 

 「まあ、交渉さえうまくやれば大抵のことはうまくいく相手だから頑張れ。」

 「そんなに大物なの? 侯爵? 公爵?」

 「いや、皇帝陛下。」

 「へ?」

 「なんだ、間抜けな声を出して。」

 「いや、誰だって?」

 「だから皇帝陛下だ。リマ・ストラカン・ミゼラ皇帝陛下。」

 「急すぎない?」

 「相手が良いと言ってるんだから良いだろ。良いから早く荷物置いてこい。」

 と父に仕切られ。急かされてしまった。

 帝国にコネを作りたいとは思っていたが、いきなり大物すぎるでしょ・・・

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