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第082話 オラゾーラ侯爵領

いいね、ならびに評価いただきありがとうございます。

励みになります。

 移動にあたって僕が載ってる馬車だけが()()とか効いてる状態なので、ユニコーンが引く馬車だけが早くなってしまうのではと懸念したが、そんなことはなかった。

 うちのユニコーンは力を抜ける時は思い切り抜く子らしい。

 借り物の馬車に魔法陣書くわけにもいかないのでそこは助かった。

 出発はお昼前だったが、休憩時間を最低限にすることで予定時間通りにオラゾーラ侯爵領に到着する。

 そのまま侯爵家に用意してもらった宿に入るが、王国一行向けに夕食を準備してもらっているそうなので、タッキナルディ男爵家からは僕、トリィ、ヒビキの3人が参加する。


 ミア、リッキー、エヴァ、ガブリエラと辺境伯で雇った元冒険者の女性2人には交代で馬車の番についてもらう事にする。

 時間があれば元冒険者の女性2人と面談したかったのだが、馬車で移動中にそれぞれ同乗したメンバーとは打ち解けたようなのでこのまままかせても大丈夫だろう。

 2人とも腕に覚えはあったがメイド姿のエヴァとガブリエラに一撃で倒されたため、タッキナルディ家はすごい。と誤解しているようなのでそこはどこかで正さなければならない。


 食堂につくと僕はローラさんの右隣の席に座る。さらに僕の右側にはトリィとヒビキだ。

 夕食は魚の揚げ物がメインのコース料理だった。帝国北部の海からオラゾーラ侯爵領まで距離はあるが、帝国では魔法を使った配送技術が確立されているらしく、海から離れているところでも魚料理が食べられるそうだ。

 一般人の口には届かないらしいが少数でも流通できる手段があるのはすごいな。

 と感心していたら、タッキナルディ商会がやってるらしい。口にして褒めなくてよかった。


 ローラさんと用意された食堂で隣の席に座り、夕食を取りながら情報共有する。

 ローラさんからはグリフィス辺境伯に挨拶した際に、僕がテムステイ山を制圧したという話はしたものの、最初は信じてもらえなかったそうだ。

 だが、辺境伯領で噂になっているユニコーンは制圧して手に入れたものだと聞くと顔色を変え、部下に確認するよう伝えていたとのことだった。

 僕がギルドではユニコーンと妖精(アギレラ)見せたら信じてくれました。というと、ローラさんは捕まえた冒険者20人を引き連れた上で、さらにそれを見せられたら信じざるをえないでしょうね。と苦笑していた。


「タックさんは明日からはどうされますか?」

「明日は準備にあてようかと。途中で二手に分かれましたし、馬車も借り物なので買わないと。」

 ローラさんは明日からオラゾーラ侯爵家と、第一王子(オーウェン)の婿入りの調整に入る。

 婚姻までの日程、王子の同行者の数、持ち込む品などの確認など細かいことが山積みだが、すでにリストアップは終わっているそうで、すり合わせだけだそうだ。

「まあ、それでも2,3日かかるでしょうけど。」

「では、私は明後日から帝都に移動して両親と合流してからこちらに戻ってきます。」

「そうですね。私もタックさんのご両親にはご挨拶しないといけませんし。」

「「「えっ?」」」

 と僕、トリィ、ヒビキの声がかぶる。

「もちろんご挨拶させていただかないと。タックさんの寄親を務めておりますって。」

 とローラさんがくすくすと笑いながら言う。

 時々真顔で冗談を言うことがある。いや、偽装恋人の時のようにいろいろ誤解させたうえで事態の収拾に動かないこともあるからたちが悪い。

「冗談ですからご安心くださいな。」と改めて言うが、何故かローラさんの視線はヒビキを向いてる。

 ヒビキも昨日の夕食の時から話はできてない。

 トリィは翌朝僕を起こす前に話をしたらしいけど、話した内容は教えてくれなかった。


 明日の空き時間にヒビキとも話したほうが良いんだろうな。

 トリィが同席すると話しづらいとか言われると困ってしまうけど。


 ローラさんは僕が戻って来るまでオラゾーラ領で待ってくれるそうだ。

 合流後、グリフィス辺境伯領に移動し、それかあオーグパイム司教領に移動の予定だ。

 行程を確認したあと、ローラさんは明日早いという事なので、それぞれの部屋に戻った。


 ◇◇◇


「ローラさんには明日は準備にあてるって言ってたけど具体的には何をするの?」

 と部屋に戻って来てトリィが僕に聞いてきたので、僕が考えている準備リストを伝える。


 1.資金調達として作った魔道具を売る。

 2.馬車を2台購入、引く馬も含む

 3.保存食などテムステイ山で提供したものを買いなおし

 4.新規に雇った2名との面談

 5.ヒビキと面談


 とここまで話した時点でトリィの機嫌が悪くなったのがわかった。

「ヒビキと話さないと駄目なの?」

「駄目じゃないけど、護衛は辞めないように説得したい。」

「辞めないわ。私が説得したもの。」

「あと、魔道具の強化案も話したい。」

「身体強化の指輪あげたんでしょ。ひとまずそれで良いじゃない。」

「信用できる人間の強化はなるべくしておきたいんだ。」

「・・・」

「僕がヒビキと話すときにトリィが同席してても良いけど。」

「ヒビキばっかりずるい・・・」

「えっ?」

「私も強化してほしい。」

「えっ?でもトリィは素が強いからあんまり強化できる魔道具ないよ。」

「ちゃんと相談してない。」

「ひょっとして嫉妬してる?」

「・・・そうかもしれない。」

 そういうとトリィは顔を真っ赤にしてうつむいた。

 なんだ、このかわいい生き物は?


 なので1~4は変更なしで、その後を

 5.トリィと面談

 6.ヒビキと面談

 とした。

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