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委員長と副委員長①
どうしてこうなった?何が起こった?
「なぁ、さっさと終わらせよう。あんたと違って俺は早く部活に行きたいんだ」
目の前の短髪男子は嫌気を全面に押し出しながら棘を飛ばす。
たしかホームルームの時間に係を決める際に、まず委員長を決める流れで、先生が推薦を促してそんなに話したことない子が「高峰さんは何でも一生懸命頑張っていて委員長に最適だと思います(猫なで声)」と言っていた。
その時点で嵌められている。周りも「いいね」なんて軽く賛同し、あれよあれよと委員長になってしまった。
そこじゃない。本当におかしいのはここからで、次に副委員長を決めることになった。先生は「委員長の補佐だな、さっきみたいに推薦者はいないか?」なんて言っていたが、そこで転校二日目の彼がすっと手を挙げた。推薦か?と聞く先生に彼は言った。
「副委員長に立候補します」