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転校生

 嫌な予感がするし、嫌な気分である。昨日は散々だった。見知らぬ男子にいちゃもん(じゃないけど)をつけられ、ミーティングに遅れて先輩に怒鳴られ、そのミーティングでは監督から記録について熱い説教を受けた。

 昨日はこの上り坂を何の嫌悪感もなく登っていた。心なしか曇っているようで、桜の色も昨日とは違っているような気がする。

 私は気持ちが感情に出やすいらしく、その時の気分でやる気の上がり下がりが激しい。こういう時は嫌なことが重なるだろうし、かつみにストレスを解消できるゲームでも教えてもらおうかな?


「おはよー」

「んー」

 かつみは相変わらずだ。そして反応としてはおそらく

「かつみくん?徹夜?」

「……んー……」

 一限目が自習だからと余裕を持ってしまったのだろうが、朝のホームルームを乗り越えられないだろうに。ホームルームまで寝かしておこう。最悪気づかれないかもしれないし。気づかれないことはかつみんにとって最高なんだし、気づかれないことが最悪ではないなぁなんて考えていると思ったより時間がなかったのか担任の先生が入ってきて早速あの話を始めた。

「昨日伝えた通り本日から転校生が来ます」

 先生はどうぞと廊下の方に声をかけた。早々にホームルームが始まってしまった。

 そして、私の嫌な予感は的中した。

内梨翔和(うちなしとわ)です。父親の仕事の都合で引っ越してきました。よろしくお願いします」

「はい、みんな仲良くするように」

 定型文のような挨拶と担任の言葉は記憶に残らないだろうが、昨日の言葉は鮮明に覚えており彼が話すたびに小さくフラッシュバックしていた。

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