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残念な戯言的散文

瀬戸際にいる僕らだから

作者: 残念な戯言遣い

 作り手にとって“作った物の評価”というはストレスなんだろうと思う。

 思ってみて、冷静に考えれば考えるほど、はた迷惑だな、自分が作っておいて本当に「仕方のない奴」だなと思うのだ。


 僕が作る側というのは、本当に烏滸がましいのだけれど、趣味で物語を綴っている僕ですらそうなのに、小説で身を立てようとする人たちの心情は計り知れぬところがある。

 なにせ、人生もかかっているかもしれないと想像すると、応援せざるえないと思う。

 いやいや小生趣味でござる、と気にしない立場でもやっぱり作り終えて誰かに読まれるときは、外的にしろ内的にしろバイアスはかかってくるのではないだろうかと思うのだ。そして、それが誰かを傷つけていないか、ちゃんと喜ばされているか、不安がよぎって創作意欲という奴をゆっくりと殺していってしまう。

 作品を生みだした後と記したが、書いている最中にも発作のように現れるのを無視してはならない。

 書き終わっていないが、読んだ人のリアクションが欲しい。書き終わっていないが、この台詞の流れは面白いと思ったけれど読み手になったらどう受け取られるんだ?書き終わっていないが、この文脈はこだわりの展開に読者は賛同してくれるだろうか。と、まぁ欲求はおさまらない。なんなら加速していく。

 アニメやドラマ、映画で書いた小説や漫画を友人に読んでもらって、友人の顔をじっと見続けるなんて青春はおくったことがないが、そんな場面を想像して確かにそれは友人の反応が気になって仕方ないだろうな、と感情の部分だけ共感できる。

 物語に学校教育のような点数性の正解があれば迷いも薄くなるだろうが、現実的にそれは難しいようだ。まだこの国の教育は発展途上だし、これからも変わり続けていくのだろう。

 

 ここまで以上の文とこれから以下の文は、書き手として何の実績もないので、適当に受け流していただけるとありがたい。ただの下手の物好きの偏見まみれの戯言だ。


 僕らは思索する中で、百点をなぜか目指しがちだ。いや、なんなら一つの物語を書き続けていけばいくほど、その完成度を求める。

 自分の中の理想や方向性が決まるとそこに突き進みたくなるのだろうと勝手ながらに思っている。そして、決まっていた方向性や理想の線が延びていると信じて進んで、進んで、進んでいって、途中で消えたり消えかけたりしたとき、それは起こる。

 書けん。

 はた、と手がとまる。

 そして、読み直す。物語に触っていた感覚を、書いていたときの熱量を思い出すために。

 一度目はおもしろい。あ、誤字みっけ。二度目は、あぁ、ここはこうすべきじゃね?

 三四、五六、読んでは書き直して、書き直していると、いつの間にか、いつの間にやら途切れた線の先を見失う。

 線の先を探すための生み出すための推敲だったはずなのに、読み返すうちにそこにで線が切れてしまう。その先はないと思いこんで、袋小路、この先にはなにもないと思いこんでしまう。

 そんな時に、誰かに「オモロ」と言って貰えたら先が見せるのではないだろうか、という妄想にとりつかれるときがある。

 その妄想につき合わされる人を考えると、それはダメだなと思う。いや、それができる環境や性格、友人がいるならそれでもいいのだと思うが、僕にはそれは向かない。

 ただそれだけのことなのだ。


 うん、書けん。


 そう思って、ぼんやりとキーボードを叩いた文章だが、エンタメの何かを作り出すとき、僕らはそういう瀬戸際にいるんだと思う。

 そんな瀬戸際のストレスに負けないように、ただ今日も文字を綴って、物語を紡ぐ。

 そんな「仕方のない奴」の戯言です。

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