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短編小説~大熊&ロボットのジンタイの心理学の勉強

短編~長短

作者: 猫田蛍雪

 しばらくぶりであるというと嘘になるだろうし、逆に頻繁に会うとなるという表現もおかしい。

 それにしても、表現のしかたというものは難しいものである。

 それだけ、期間をあいまいに表現するということが難しいことがよく分かる。

 すなわち、時とは長く感じることもあるし、短く感じることもあるという意味なのではないか。


「人は誰しも自己中心的に考える時が、必ずある。しかし、人を思いやる気持ちも備えているのである」

 大熊は黒板に、板書しながら言った。

 今日は、人間の大熊が講師となって、ロボットのジンタイに心理学を教えているところであった。

「つまり、確率的には両方の事象は同等の確立で、発生するということですか? 」

「その通り。いつどんな時に起こるかと確定した事象ではないのだ。だだし、人間関係などの環境の面を考慮するとなれば、確立は同等であるといえなくなる」

「それならば、環境ごとにどんな人間となっていくか、実験してみると面白いかもしれませんね」

 ジンタイは、はずんだ口調で大熊に言った。

「その考え方はいいかもしれない。しかし、子どもが生まれて成長するまでの期間を、仮に十年とするとたくさんの対象を長年にわたって観察しなければならないことになるから資金の面で難しいだろうな。それから長い間、協力してくれる対象も必要となってくるな」

「それは人工的、コンピュータでシミュレーションはできないのですか? 」

「もちろん、人工的にコンピュータでシミュレーションすることは可能であろう。しかし、あくまでシミュレーションであるから実用的かというとなると疑わしくなるだろうし、プログラミングすること自体が難しいだろう」

「そうですか・・・・・・ 」

「ずいぶん脱線してしまったから、そろそろ次の話に移ることにしよう」

 大熊は、黒板を消して次の題を書いていった。

 それから、小一時間ほどの講義が終了して、大熊とジンタイは、灯台公園にあるみんなの広場へと向かった。


終わり

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