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姉弟戦争  作者: 雪水 湧多
9/19

停止した心と体

「ちょっ///やめっ、ふぁああぁ」

止まらない、やめられない、このまま...このまま

股間が膨張しているのがみなくてもわかる。

「なに、そのっ...興奮してるのよぉ!」

このまま、このまま...

手を彼女の胸に近づけた瞬間。

「誰かいるのか?」

僕は興奮して、息が荒いし彼女も顔がとろけてるそもそもこの低さは男。...誰だ?僕の天国を邪魔するのは!おかげで萎えたわ!

「ちっ」

とりあえず、今はここから離れよう。

彼女の体を立たせようとするが、案の定腰が抜けている。仕方なく、仕方なく!お姫様抱っこをする。えっ?おんぶでもよかったって?し、知らん。

足音がゆっくり聞こえてくる。方向は学校側。どうする?反対側はまだよくわからないから逃走に使うには少しためらう。なら、左右どちらかに逃げるしか...まてよ?右側には確か大きな茶畑があるはず!そこなら、見渡しもよく相手がよくわかるはず。それから決めよう。

足音が近い。逃げるなら、今!

右に向かってお姫様抱っこしながら全力疾走。

「あっ!誰だ!逃げるな!」

案の定追いかけてくる。

こっちは走りづらい。追いつかれるのも時間の問題。

20m走ったところで茶畑が見えた。茶畑に突き当たって左に曲がれば学校側。でも、いくらなんでも遠過ぎる。学校まで1kmはある。

「倍速をかけるの!」

わけのわからないことを彼女は言い出す。

「はぁ?なに言っているんだ?」

「いくよ!3...2...1!」

足が急にまるで倍速になったように速くなる。足が軽くなったわけではない。

「なんなんだ?」

と言ったつもりが。

「ななだ?」

なぜか、早口になる。

「あと説明す」

彼女も早口になっている。おそらく、あとで説明するということだろう。何はともあれ、この速さなら茶畑で考えたりせずに学校まで行けてしまう。なら、いっそ学校まで行って身を隠した方が対面しなくていいだろう。流石に追いついてはこれまい。

茶畑に突き当たって、左に曲がる。この時、一瞬倍速が解かれたおかげで曲がりやすかった。

そのまま、学校へ走りこむ。途中後ろから聴こえていた足音がゆっくりと離れて学校が見えた頃には聴こえなくなっていた。


学校に着いたら校舎の構造上どうしてもできてしまう裏庭と校舎の間にある凹凸に身を隠すことにした。彼女を立たせようとするが立てない。なので、壁に寄りかからせる。

「どういうことだ?」

ここで、色々聞かなくてはいけない」

「聞きたいのはこっちの方!」

「えっ?」

僕に聞きたいことなんてあるのか?

「なにをしてくれたのよ!キスなんて!しかも、舌まで入れて!挙げ句の果てには胸を触ろうなんて!あれ!やる必要無い!」

「...」

そうだった。あまりに逃走に夢中で忘れていた。今思うがあれは完全にこちらに非がある。

「すみませんでした!つい、欲に勝てなくて...」

男はみんな、性欲には勝てない。

「謝って済む問題じゃないでしょ!」

「ほんと、すみません」

そうだ。

「ところで、お名前は?」

「私は、ムニ...」

「むに?」

「私に名前は無い。好きに呼ぶといいわ」

「そう言われても...うーん。そうだ!」

「お決まりですか?」

「ミウ」

「み、う?」

「僕が好きなアニメのキャラ」

この手に限る。

「...なんだがいやらしい目線がこちらを向いてますが、わかりました。これからは私のことをみうとお呼びください。ご主人」

「ご主人?」

「はい、それともご主人様の方が良かったですか?」

「違う、そうじゃない。言葉が堅い。空でいいよ。敬語等も崩していいから」

「では、空と呼びますね」

まだ抜けきってないがそれがいい。慣れていくだろう。さっきはあんなに可愛い声で鳴いてくれたのだから...

「空。顔がいやらしい想像をしてる顔になってますよ」

しまった。でも、また今度したいというのは本音。

「ところで、なんで使えたのでしょうか?」

「何を?」

「魔術ですよ」

よくわからない。魔術?アニメか?アニメの話か?いや、まさか。ありえない。

じゃあなんだ?実際ありえない。

「ごめん、よくわからない」

「当人がこれなのに...どうして?どうして、魔術は起こせたの?あの時、私の中にあった魔力が何か鍵なのでしょうか?それとも術式にあらかじめ魔力が?それと、どうしてあの時あんなに加速できると自信が持てたのでしょうか?...わかりませんね」

なんだか筋が通ってる?理解ができない。それもそうだ、僕に魔術の知識なんてない。だから、理解ができない。

「それより」

「何でしょう?」

「あなたの目、他人と違いますね?」

信じてもらえた、反面からかわれてるような気がした。

「そんなことないよ」

どうしても、誤魔化してしまう。昔からの悪い癖。図星のことを言われると誤魔化して逃げる。

「嘘ですね、その目。確か、一般的に...しっ!」

人差し指を口の前に立て、静かになる。

釣られて、俺も黙る。

「はぁはぁ...何だよあの持続」

さっきの男の声がした。

「ここにいるんだろ?姿を見せろ!」

この状況で姿を見せろと言われて見せる馬鹿はいねぇわ!幸い、近くの裏庭には隠れる場所。もとい、薄暗い場所が多い。ここもバレるだろうが、ここは裏庭より少し離れた場所。

今のうちに、グラウンド側に逃げ込むとしよう。それから、裏庭への道を監視でき、隠れられるここの学校の校歌が刻まれた石碑に隠れる。しばらく様子見。

その間、少しでも情報を得るために男の声を思い出す。どこかで聞いたような声だった。いや、何度も聞いてるような、どこか馴染みのある声。

「誰だ?誰なんだ?一体」

「まずは姿を確認しましょう」

それから、黙り待ち続けた。

月明かりに照らされ現れたのは、仮面を被り紺色のパーカーを着た風格の男。

背丈、紺色のパーカー。

どこかで...見たような...?

何だか、書いてると色々見失ってしまいます。

話の筋通ってるかな?心配です。

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