再開
「久しぶりだな、ムニン」
「久しぶり、ユウヒ」
二人はニヤける。
「どうしてここに...いや、どうやってこうして君と面と向かって話ができてるのかな?」
女は首を傾げる。
「どうだっていいだろ、また俺じゃ無い俺に会うんだからいいだろ」
「そうだろうね、あの子は心底優しいようだし、私を運んでくるなんてたいしたものね」
「あいつはお人好しすぎるから利用されるんだ」
「そうだろうね。あの子は優しすぎる。度が違うんだよ。他の人と。あの子の血をこの体に巡らせてよくわかったよ。苦しみすぎたのよ、幼少期からね...ずっと」
女は空を見上げ、涙を流す。
「自分で言うのもなんだが、いや自分じゃ無いからいいのか、まぁいいや。そうだなその通りだ。あいつは、苦しみすぎている。そして、その苦しみから優しさを作り出している。つまり、あいつの優しさと苦しみは同じくらいなんだよ」
男も空を見上げる。だが、涙は流さない。
「そうね、ここまで酷いと救えない。救えても根本的には救えないでしょうね、どうしてもっと早く周りが気づかなかったのかしら?」
「あいつは...抱え込んじまう。それでも、自分を強く保とうとしてる。それを周りから見たら正常って思えるんだろうな。苦しい。ただ、その一言でも言えたらだいぶ変わっていただろうな」
「それを許されない状況。環境に置かれていたのもまた事実。どれだけ不幸になれば気がすむのかしら」
男はふらつく。
「おっ...と。そろそろやばいな、じゃあもう少し再開を楽しみたかったがここまでか。こいつのことよろしく頼むよ、ムニン」
「わかったわ、それじゃあ後でね」
ばたん...
男は地面に倒れこむ。女はその場に座り込み。ただ、時を待つ。次に会うのはきっと直ぐ。
女は消えていく...否。吸い込まれていく。
死体へと。
吸い込まれていく。
竹やぶの中、光を放ち吸い込まれていく様は幻想的でもし見る人がいれば目を奪われているだろう。
まさかの同時進行なら必ず起きることが起きました。うん。間違えた。幻殺少女の方に出してましたねw今から直します。




