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姉弟戦争  作者: 雪水 湧多
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壊れていく心と体

「はぁ...はぁ」

着いた。確かこの木のそばに埋めたはず。

シャベルを使わずに、手で掘り起こす。

手が汚れていくにつれ、土の山ができていく。埋めた日からそんなに経っていないが、土が硬い。小学生が何度もここを踏んだ証。

今はその小学生を憎む。

目の前の土が赤色に染まっていく。

元々皮膚が薄く、弱い僕はひょんなことでも血が出たり、皮が切れたりしてしまう。

だからこんなことでも、流血している。

それでも構わない。今すべきことはコイツを掘り返すこと。

なんとか、カラスの羽が見えたところで口角が上がって、掘り返すスピードも変わる。

本体が見えるほどに掘り返した。ところで確信した。

「やっぱり、コイツ腐らないんだ」

汚れているが初めて見た時と変わらず、獣特有の香りが鼻を通る。

またも口角が上がる。そして、目を大きく見開く。

手を伸ばし、死体を持ち上げ抱え込む。

そして、抱きしめる。

まるで、母親が産まれたての赤ん坊を抱きしめるかのように。強く、抱きしめる。

そしてそのまま、また走り出す。


確かこの小学校の裏に少し距離があるが森山がある。俗に言う、裏山。まんまである。

道中、住宅地があるがそんなものに目もくれず前を見る。

抱きかかえながら走ると、獣特有の香りが嗅げる。僕はこの香りがいつしかやみつきになってしまった。


山の入り口には茶畑があるためある程度深く入らなければならない。葉っぱや木の枝に、露出している顔と足を赤く染められる。

それでも構わず、入り込む。

どれくらい入り込んだのだろうか?

目の前には竹やぶが月明かりに照らされが広がり、幻想的な風景が映り込んでいた。

かぐや姫を連想するにはそれだけで十分だった。近くの一番明るい場所へ歩いて向かう。

さっきまで軽々走っていたのに、今は一歩がひどく重い。

一歩。

また、一歩。

ゆっくり足を運ぶ。

明るい場所に着いたら思わず夜空を見上げてしまう。

「眩しい。綺麗」

簡単で淡白な感想が溢れる。

次は下を向いて、しゃがみこむ。

そこに死体を置くと。体の重心が傾き、死体に倒れこむ。

ああ、ここで死ぬと思うとなぜだか納得してしまう自分がいる。

徐々に意識が薄れ、糸が切れたような感触を覚えた。


周りの血が集まり死体に集まる。

四肢から血が流れては死体に向かっていく。

ものの数分の出来事。

少年の...いや、青年の運命が変わった。

遅くなって申し訳ない。今絶賛、腹痛中。

「幻殺少女」を書くと言ったなあれは

忘れてましたすみません。

本当にお腹痛いので、ツイッターの方には連絡できません。

トイレにて更新。

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