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姉弟戦争  作者: 雪水 湧多
19/19

パレットに並べられた絵の具

「..........」

あれはなんだったんだろうか。

安心できる空間に放り込まれたような感覚。

...子宮のようなものだろうか。

子宮内にいる赤子にでもなった感覚と言えばいいのだろうか。そんな感じの安心感。

そして、懐かしい暖かさ。

一つ言えることは母親の暖かさに似ていたこと。

けど、母親じゃない。

あの人はあんな暖かさを持っていない。

それならと思い。

あの場にいた人...

訂正

生存した人、全員に聞いた。外からはどうなっていたのか。僕はなにをしていたのかを。

しかし、帰ってくるのはいつもよりも暗く曖昧な返事。

「なんか、変だった」

「怖かった」

「よくわからない」

したがって、次にとった行動は...

「なぁ、散歩しない?」

カフェのカウンターからバラバラにいるCAS組のメンバーに提案する。

場を盛り上げる...というより、話題をそらすことで少しでも忘れて欲しいのだ。

メンバー全員は賛同しなかった。

だが、カナトとKは反応してくれた。

「そう、だね」

「んっ、あっーゲイ♂ムやりて」

「行こうよ、散歩」

「じゃいくぞ、なんだよノリ悪いな」

「行きたくないならいいんだけどさ」

「いいよ、行く」

ムゥミンが反応してくれた。

「カナトが行くなら...」

ノランもなんとか反応してくれた。

「俺はいいや、行かね」

肝心のもりんはそう言い残し、カフェから出て行ってしまった。

あいつのことだ、一人の方が気楽なのだろう。

何をするにしても、何を考えるにしても。

「なんだよ、ノリ悪りぃの」

「まぁ、もりんだって思うことはあるんだよきっと...ねっノラン」

「うん、放っても大丈夫」

「どうする?どこ行く?」

少々気になるが、まぁ問題ないと踏む。

これがいつも通りなら...ね。

「買い物でいいじゃないか?」


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