パレットに並べられた絵の具
「..........」
あれはなんだったんだろうか。
安心できる空間に放り込まれたような感覚。
...子宮のようなものだろうか。
子宮内にいる赤子にでもなった感覚と言えばいいのだろうか。そんな感じの安心感。
そして、懐かしい暖かさ。
一つ言えることは母親の暖かさに似ていたこと。
けど、母親じゃない。
あの人はあんな暖かさを持っていない。
それならと思い。
あの場にいた人...
訂正
生存した人、全員に聞いた。外からはどうなっていたのか。僕はなにをしていたのかを。
しかし、帰ってくるのはいつもよりも暗く曖昧な返事。
「なんか、変だった」
「怖かった」
「よくわからない」
したがって、次にとった行動は...
「なぁ、散歩しない?」
カフェのカウンターからバラバラにいるCAS組のメンバーに提案する。
場を盛り上げる...というより、話題をそらすことで少しでも忘れて欲しいのだ。
メンバー全員は賛同しなかった。
だが、カナトとKは反応してくれた。
「そう、だね」
「んっ、あっーゲイ♂ムやりて」
「行こうよ、散歩」
「じゃいくぞ、なんだよノリ悪いな」
「行きたくないならいいんだけどさ」
「いいよ、行く」
ムゥミンが反応してくれた。
「カナトが行くなら...」
ノランもなんとか反応してくれた。
「俺はいいや、行かね」
肝心のもりんはそう言い残し、カフェから出て行ってしまった。
あいつのことだ、一人の方が気楽なのだろう。
何をするにしても、何を考えるにしても。
「なんだよ、ノリ悪りぃの」
「まぁ、もりんだって思うことはあるんだよきっと...ねっノラン」
「うん、放っても大丈夫」
「どうする?どこ行く?」
少々気になるが、まぁ問題ないと踏む。
これがいつも通りなら...ね。
「買い物でいいじゃないか?」




