一つになるモノ
「そういえば、空はどんな能力なの?」
カナトが歓迎会で僕に向けたこの一言で、なぜか近くの中学校のグラウンドへと来ていた。
なぜか...じゃないな。手っ取り早く言うと能力を実演してみせろだな。
いろいろ事情について話してはいたが、能力関連は全く触れてなかった。
カナト「ここなら、問題ないでしょ」
ムゥミン「いや、あるから。もし見られたら...」
K「そん時はそん時だろ」
ノラン「まぁ、そーだね」
もりん「俺は一度見たけどな」
うん。なんかごちゃごちゃしてる。さっさと終わらせてもう寝たい。
とりあえず、もりんとの戦闘で使ったレイピアを創造してみる。
空「じゃあ、いくよ」
レイピアをイメージして、具現化。
一同「おー」
カナト「空ばっかじゃ不公平だから私も見せるね。と、言っても一度見たと思うけど」
カナトの姿が一瞬にして消える。
カナト「後ろだよ、後ろ」
僕の後方4mぐらいに立たれていた。
空「瞬間移動的なもの?」
カナト「そうだよ、結構便利なんだよね学校遅刻しそうな時は一瞬だし」
能力をそんなことに使うなよ。
...学校...ね。
空「...」
カナト「どうしたの?」
空「なんでもない、それで?他のメンバーは?」
カナト「えっとね、ノランは時止めなんだけどね。その、やると疲れちゃうから省いていい?」
空「そうなんだ」
そういった、作用もあるのか。
K「僕のはですねぇ〜コレですよ」
Kは、笑顔でフィンガースナップをする。
パチッ
その音に応じるかのように、スポーツカーが現れた。
一瞬で。
空「...何?これ?」
K「このね?C2000ちゃんですよ。未成年でも能力ですからね、免許が要らんのですよ」
もう一度、フィンガースナップをするとまたもや一瞬で消える。
需要は...あれだな、自己満足。
正直、車はあまり興味がない。
空「次」
K「えっ?なんか冷たくね」
空「次」
ムゥミン「次、私か。私のは傷を治せる、だから怪我した時は私に言え...実践する?
空「いや、しなくていいや、治癒ね...かなり需要がありそう」
これは、普通にいい能力だと思う。次は...
「おいおい、こんなところで何してるんだ?空?」
どこかで聞いたことのある声。その声の主は。
空「...夕日兄さん」
もりん「あれ?お前、二人姉弟じゃなかった?」
空「そうだけど、家出した日の前日に父親から隠し子の話をされた」
カナト「うわ、複雑」
夕日「全く、学校も行かないでバイトもしない。家に引きこもって電気代を食うやつが、堂々と家出かい?」
やっぱり、同じ家系であることを思い知らされる。言ってることが姉そっくり。
空「...」
イライラしてくる。
夕日「呆れたよ、全く。それと同時に失望したよ。空とは仲良くなれそうだったのに」
口調が僕そっくり。
更にイライラする。
いつも、姉には黙ったりしてやり過ごしてた。たまに言い返すけど、返り討ちがオチ。
夕日「春姉さんは愛でてくれるけど、一方的でつまらないし。どうせならと思って、空は暇つぶしにはちょうどいいし」
居場所が割れたかどうかは大体予想がつく。
それでもこの中学校のグラウンドの近くに偶然居合わせるなんて、運が良いんだか悪いんだか。
空「で、暇つぶしに来たわけ?悪いけど何もできないよ」
夕日「嘘は良くないよ。俺もね魔術、使えるんだ。だからさ、やろうよ」
空「...嫌だ」
夕日「良いじゃん、別に。友達と一緒にやってたじゃん」
うざい。早く、いなくなれよ。
空「僕は魔術なんて使えない」
つい煽ってしまう。
夕日「色を、増やすな!」
瞬間、辺り一面がモノクロの世界に移り変わり夕日は、僕に向かって指鉄砲を向けて打つ仕草をする。
黒くてモヤモヤしたものがこっちに向かってくる。
もりん「さっきから聞いてたけど、お前も十分一方的だ!」
召喚したであろう黒剣で、モヤモヤを斬りはらう。
夕日「へー、お前。面白いな。だけど、これならどうかな?」
連発して、モヤモヤを打ち出してくる。
しかも、さっきのより高速で。
カナト「やらせない!」
CAS組全員がその場からいなくなる。
とはいえ、グラウンドの中心から入り口に移動しただけだが。
夕日は、こちらを視認すると間合いを高速で詰めてくる。
ムゥミン「これ以上は聞いてられないな」
K「空のそんな顔も見てらんねぇ」
ノラン「...うーん。めんどいけど、やる!」
今の僕には、こんなに良い仲間がいたのか。
違う、できたんだ。
いつまでも、こんな顔をしてられない。
思いに応えなければ。
お久しぶりです。
いやぁ、書くのに時間がかかったw
暇つぶしに見てくれてくださってると幸いです。
絶対誤字ありそうw




