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姉弟戦争  作者: 雪水 湧多
12/19

漂う心と体に宿った感情

二人の意思は同じだった。足を使う戦法。

とりあえず、逃げる。ただ逃げる。

立ち尽くして3秒で逃げる。

「待て!」

逃走するが、帰る場所がない。家は近いが行きたくない。あそこは、家であるが僕からすると本来の意味で家じゃない。今の僕に心休まる休息の場所は無い。

しばらく逃げたが、追っては来なかった。走ってる最中は、どこに逃げるか考えた。だが、みつからず、学校の正門...北門についた。

息は運動不足からか、切らしている。

「どうする?」

「ここら辺のこと、あんまり分からないのでお任せします」

人に合わせる癖で、聞いてしまった。それだけじゃない。今の状況をどうにかする策でも出してくれたら...なんて淡い期待を抱いていたのもまた事実。

「そうか...あいつはなんなんだ?」

「どこの誰とは分かりませんが、魔術師であることは間違いないです」

「そうか...何かあいつを倒す?殺す?手段はないのか?」

「あります」

即答。魔術には魔術というオチなのだろう。

「空の考えている通り、魔術。魔術を使えばなんとか状況を打破できるかと」

やっぱり...というかコイツやっぱり心を読んでる。

「僕は魔術なんてやったこと無い」

「今から軽く学べば問題ないです」

...あのな、僕は凡才だぞ?

「凡才だろうが、あんなに寿命を削った空なら問題ないかと」

...寿命削ったことで何か変わるのか?

「単純に魔力量が段違いです、それに自分の手を見ればわかるでしょう」

言われるがままに自分の手を見る。

「血が...傷穴が完全に塞がってる」

自分の手を良く観察するが、普通の手。自分の手。

「どういうことだ?」

「詳しくはよくわからない...ここでの立ち話もなんですから学校敷地内にでも入ってゆっくり話しません?」

「それもそうだ。入ろう。おそらくいないだろうし」

階段を登り校門を抜け、野球等で使われているバックネットの裏に座り込む。

「さて、どういうことなんだ?」

「先ほども言った通りですよ、イレギュラーなんです。まず魔術を使う際には属性魔術を使えることが最低条件です」

属性魔術?聞かない名。でも、予想はつく。

火、水、風、土、ぐらいだろう。それらから派生していくのだろう。

「...勘が良すぎるのか、はたまた...。いえ、大体はそうです。その四属性にもう一つ。無属性が入ります。どれも、やろうと思えばできます。ですが、特化する方が得策です。全属性を手にしても、扱えるだけの莫大な魔力、詠唱を覚えることが必要ですので、何かに特化するスタイルの方が戦闘もしやすいかと」

要するに多芸は無芸。

「とは言え、一工程シングルアクションは詠唱無しで使えるので全てが全て無駄ではないですね」

一工程シングルアクション...かさっきも言っていたな。

「一工程とはその通り、魔術での工程が一つ。詠唱が必要ない魔術のことで、消費魔力も少なく使い勝手の良い魔術。ですが、それでも一度は必ず詠唱が必要となります。詠唱の際にどれだけの魔力を使ったかによってその魔術の威力、効力が変わります。同じ魔術でも人それぞれ違います。詠唱を最後にした時の魔術をずっと使ってるので、もう一度詠唱すれば威力、効力は変えることが可能です」

なるほど、シングルアクションについてはわかった。でも、さ。

「というか、あのさ。心読んでる?」

「読むというより、心のパスが繋がってるのでわかるだけです」

なるほど、だけど。僕の方から...

「それは、都合よくカットさせてもらってます」

一方的だった。なんてこったい。筒抜けじゃないか。

その時目の前の校門に人影が現れた。

「遅かったじゃないか」

「お前が速いんだよ」

月明かりが、フード男を照らす。大体の予想はついていた。ただ、予想外の人。知人。正体はあいつ。

「なぁ、それなんだよ。物騒だな」

「ああこれ?見ての通り剣だけど?」

確かに剣だ。でも、それだけじゃない。僕は立ち上がり、フード男を睨みつける。なんで、こいつがいるのか気になる部分があるが、今はそんなことより、こいつとぶつかることができてよかった。一度ぶつかってみたかった。

「その剣、お前の好きなアニメをモデルにしてるだろ、そっくりだ」

「お前こそ、その女誰?何?セフレ?」

「さぁね?僕もよくわからないよ」

セフレじゃないのはおそらく、こいつもわかってる。わかってて、言ってきた。

「でも」

「でも」

「「お前が居るとは意外だな」」

「カウンター王子」

「もりんさんよ」

もりん。この前卓球で打ち合った相手。こいつとは、ぶつかることがあまりなかった。でも僕ら二人とも一度本気でぶつかってみたいと思っていた。それが今日叶うとは思わなかった。

「グラウンドの中心でやらね?」

親指をグラウンドに向けて提案する。

「広い方がいいよな」

ミウはどうしようか。なんて考えながら、グラウンドへ向かう。

『私なら問題ないです』

頭の中に直接話しかけてきた。

『遠くで見てます』

わかった。サポートとか頼んでいい?

『出来る限りの事はします、それと』

なんだ?

『ヒントは、考えることです』

ヒント?とりあえず、考えることをやめないでおこう。

グラウンドの中心あたりにきて、一定の距離をとる。もりんは剣を構える。僕は、無形。

普通なら勝てない。でも、考えることをやめなければ勝てるのなら、やってみせる。勝ってみせる。

今、二人が求めたものは他でもない「楽しさ」「愉しさ」だった。

ようやく書けました。次回でようやく、バトルシーンですね。長かった。プロローグ長かった。

次回でようやく完全な本編の始まりです。

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