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昔書いたやつ

王子の策

作者: 粟家 大三治

王子は

父である国王に呼ばれたとき、

ちょうどファミコンに興じていた。

ドラクエだった。


「めんどくせえなぁ」

王子はそうつぶやき、

王の御前へ。


このズガラク王国は国土も国力も小さい。

北方の山にいつしか魔王が住み着き、

しかも魔王は

まずこの国を手中に納めんとしていて、

この国唯一の売りであった平和すらも

危うくなっていた。


国王ズガラク13世は、

王子に年を聞くなどし、

おまえももう一人前、

だの

ゆくゆくは王になるからどうのこうの、

だの

知っての通り、

北の山に住む魔王が我が国を狙っている、

だの

いろいろ言っていたが、

回りくどく言わずに平たく言えば

魔王を倒してきなさいよ、

このままじゃあぶねーから

というようなことを王子に命じた。


「マジっすか。

 それってマジで言ってんすか。

 王の長男だよ私は。

 つまり次の王だよ?

 行くの?僕が?

 え?一人で?

 勘弁してくれよー。

 僕が死んだらどうすんのさ。

 それこそ魔王に勝っても国が終わるよ。

 他に後継ぎいないよ?

 ダメじゃん。

 共和制でも布くつもり?

 王家として甘い汁が吸えなくなるぜ。


 それに、わざわざ行かなくたってもねぇ。

 だってほら、この国狙ってんでしょ?

 そのうち向こうから来るよー。

 来るときまで訓練とかしまくって

 専守防衛でよくね?


 どうしても攻めるの?あっそう。

 でも一人で行けっておかしくない?

 しかも息子を行かすとかさー、なんなの?

 巷ではもやしっ子で有名よ、僕は。

 もっとこう、うでっぷしのつよいのとか

 そこらへんにいるんでないの?

 仲間は酒場で探せ?

 やだよ、

飲んだくればっか集めてどうするのさ。

 僧侶とかもいる?

 てかさー、

酒場にいる僧侶とかヤバいことない?

 信心に欠けてるって、絶対。


 もうさー、

 軍隊とか送ればいいじゃんか。

 だいたいねー、

近衛騎士団とか何のためにあるのさ。

 こういうときに派遣しないで

いつ派遣するのさ。

 たくさんいるんだしさー、

 僕が一人で行くよりましでしょ。


 あ、そうだ。

 いいこと考えた。

 国民みんなでいけばよくね?

 全員で行ってフルボッコ。

 どうよこれ。

 数が多いほうが勝ちさ。

 あのねー、

 魔王はこの国に

軍勢を差し向けてきてるんでしょ?

 手薄になってる本拠地を

 一気におとそうよ。

 うん。そうしよう。それがいい。

 北の山の辺りって、

土地も肥えてるらしいし。

 落とした敵本拠地を新しい城にしよう。

 さっそくお触れを出して、

 全国民に旅支度をさせよう。

 合い言葉は、みんなで行けば恐くない。

 ね?どうよこれ。よくない?」


その数日後、

ズガラク国に魔王軍が攻め入ってきた。

魔王は、ちまちましたことが嫌いな性格で

いきなり総兵力を結集し

ズガラク王国を滅ぼそうとした。

陣頭指揮を執るべく

魔王自らも前線にやってきた。


しかし

魔物に囲まれた街の中には

既に人っ子一人いなかった。

王子の熱意が皆を動かし、

国民総出で魔王の居城を占拠すべく

北の山へ向かった後だったのだ。


さらに王子たちは

魔王の寝室で

ちょっくらやばいものを見付けたので、

それをネタに魔王を強請りはじめた。


とたんに魔王は平伏し、

恭順の意を示した。



こうして戦いは

王子の策によって

結果的に肥沃な土地を手に入れた

ズガラク王国の勝利に終わり、

王国はそれからも長く栄えた。

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