体なきこの世界で
君はどこへ足を運ぶのか
迷路の世界で
破れた古地図だけをあてにして
今日も彷徨う 体なき世界で
一瞬にして消え去っていく
人との温もりさえ 置き去りに
笑顔見せたその裏側
泣き顔はらした 赤子がいる
君の心の少女は無事なのか
君が捨ててきた 涙の跡からは
痛みの香りがする
嘲り 笑う その騒めきの最中
君は自分を失う
体なき この宇宙の不確かなルールのため
今日も君は電脳世界で
一人のヒロインを演じて
虚しさを振り切るように
はしゃいでみせる
君の心の無垢さは何も言わず
君が失った 人の影を追う
陽が落ちるのにも気づかずに
騒いで 微笑む その喧騒の最中
君は立ち尽くす
体なき この世界の悲しい掟のため
君の心にもう一度訊く
君の純粋さは もう 彼方へと消え去り
すでに見えないのか
憤り 時に沈む 宴の最中
君は何かを見失う
体なき この世界の「魂」と呼ばれるものを
もう 君は戻るつもりさえないのか
彷徨い 流浪しながらも
あの血肉ある世界へ