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いらないもの
テントがつくってくれる日陰へと移動し、
水筒の水で傷を洗い、ジェル状の傷薬を塗って、
薬屋さんがつけてくれた新しい包帯を巻く。
「よしっ
あとはかすり傷にも薬を塗ったら完璧ね!」
そしてジークの手当を終えると、
私はふと、腕輪と足輪をつけたままであったことに気が付いた。
「これ、売りに行かなくちゃ」
私には不必要なもの…だと、思いたかった。
黙々とすべて取り外して、布に包む。
と、ジークが私の首元を見つめているのに気づき、思わず手をやった。
「あ…」
首飾りをつけたことを、うっかり忘れていた。
大きなラピスラズリと、その周りを縁取る繊細な金の装飾を指でなぞる。
それも外そうとすると、ジークがパッと手で制した。
「…?」
無意識の行動であったらしく、不思議そうな顔をする私から、
彼は少し気まずそうに顔をそらした。
(もしかして…?)
「これ、私に似合ってるかしら?」
その言葉に、彼は少し恥ずかしそうに頷いた。
私の頬が自然とほころぶ。
「ありがとう…」




