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幕の後ろ
私は、閉ざされた幕の後ろに立っていた。
一枚の布を挟んだ向こう側からは、数人の人々の気配。
自分の鼓動の音が、嫌になるほど大きい。
両足にうっすらと残っている、鞭に打たれた跡が疼きだし、
手や額に汗が滲んでくる。
私は目を閉じ、ゆっくりと息を吐いた。
(これはあの時とは違う、違う…)
何度も、自分に言い聞かせる。
いよいよ、幕が左右に開かれる。
その瞬間、優しい金色の瞳のまなざしが、私の目の前に見えた気がして。
動揺していた私の心は、嘘のように凪ぐ。
そして私は、優雅に一歩を踏み出した……




