第二回 自分の居場所
暫く走って、息も苦しくなったところで止まった。来た路を見てみる。
誰も居ない。
ぼんやりと光る、家々の明かりが見えるだけ。
俺は密に期待をしていた。たとえ血が繋がっていなくても、家族だと思ってくれていれば、追い駆けて来てくれる。そう期待していた。
でも、どうだろうか。
家族どころか、人の影や足音さえない。
やっぱり、そんなものだったんだろう。
俺は、その場に座り込んだ。
少しの間、待ってみよう。もしかしたら、遅れて来るかもしれない。そうすれば少しは…。
数分、数十分と待ってみた。それでも、誰も追い駆けて来てはくれない。
俺を捨てたんだ。
心の片隅に、そんな言葉が出てくる。
ああ、そうなんだ。どうせ俺を引き取ったときも、嫌々だったんだろう。でもすぐに捨てる訳にもいかず、おれ自身から逃げ出すのを待っていたのかもしれない。
だから、今頃喜んでいるのだろう。
喧嘩していた時も、俺が帰って来ていたのを知っててわざとこの話を引き出したのかもしれない。
これなら、絶対に出て行く、絶好のチャンスだ!とか思って…。
なら、いくら待っても無駄じゃん。誰も来ないんだから。
俺は何も考えずに、近くの森に、入っていった。
俺の居場所は何処?
山積みにされた枯れ葉の中に突っ伏した。何もかも、信じれなくなっていく…。
…リン…チリン…
何の音…?何処かで聞いた事あるような…
…チリン
あ、そうか、鈴だ。
…鈴?
鈴はずっと鳴っている。誰が鳴らしているのかは解らない。
鈴の音が無くなったと思えば、今度は人の声がする。
『これを持って、この森を真っ直ぐ進みなさい。そうすれば貴方を受け入れてくれる人が沢山居る』
俺を受け入れてくれる人が?右手に何か感触が。
目を覚ますと、体が凍るように冷たかった。森の中だし、気温も低かった。右手には、何か持ってる。
「鈴…」
これを持って行けば…。俺は立ち上がり、服に付いた枯葉を落とす。
あれ、でもこの森の奥って確か…。
何だか嫌な予感がして来た。この奥って確かあーー!!??
と思いつつも足を運ぶ。今は武器の一つ持っていない。しまった、家にあるのを持って来れば良かった。
まだまだ暗いですねー。
でもこれから面白くなってくるんですよ!期待してください。
今回の後書きは手短に行こうと思います。
この話は結構前から書いているので本当に長くなりそうです。先の話も決まってるし、長くなるというのに最終話まで出来上がっていたり…。連載何回いくかは判りませんが、これからもお願いします。