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プロローグ




 その日はとてもいい天気だったよね。あまりの空が青さにきみも驚いていた。彼女には青くて広くて、でもちょっと赤みがかった夜明けの空がよく似合った。骨にしみる冷たい北風もあたたかく僕らを包む太陽も彼女を修飾するに値しなかった。——ついでに言うと、この僕も。

 神々しいほどに輝く彼女には僕を含めて人間のような低級動物は似つかわしくない。世界中のどんな言葉もきみの指1本ですら形容できない。彼女は僕だけの女の子で、僕は彼女だけのものだ。



 彼女の声は僕の耳に心地よくひびく。彼女の唇から発せられる音はどんな言葉でも僕を安心させる。たとえどんなに人を罵ろうとも、軽蔑しようともそれは何より愛しい言葉へと変化するんだ。その言葉は幸運にも彼女の意思を伝えられるのだから。誰だって彼女を愛さずにはいられないだろう。

 たとえ世界中の人間が彼女を嫌っても僕だけは彼女を愛し続けてみせるから。もし彼女が僕に消えてほしいと望むのなら喜んでそうする。



だから早く戻ってきて。また笑顔をみせて。

いや、笑わなくたっていい。怒鳴っても叫んでもいい。

ただ、そばに居てよ。君のためなら僕は何だってするから。ねぇ、瑠衣……




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