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灰色髪の人魚姫





ああ 王子様 愛しい王子様

凍てついた冷たい海に奇跡のように落ちてきた


あなたをお救いしたいのに

あなたの温みを心からお慕いしていますのに


お許しください

わたしの恋しさがあなたに絡みついてまとわりついて

あなたを深みに沈めてしまいますわね


水上を求めるあなたの喉に手に瞳に

絡みついてまとわりついて

わたしの心臓にとりわけ深く絡みつき刺さり

正気を締め上げて殺してしまった


まとわりつく情念の(いと)

わたしには(ほど)けない



──人魚姫は泡になることはなく、

王子は一人帰ってきませんでした

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