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魔女の午餐
※残酷表現あり。
おやおや、かわいそうに。
かわいそうにね、坊や。
そんなに泣かなくてもいいんだよ。
不安にあふれたこの世にふらりと迷い込んで、
骨でこの世へ楔され、
肉にまといつかれて閉じ込められて、
何が起こるかわかりやしない怖い怖い運命のなかに放り込まれて。
ああ、かわいそうに。
かわいそうにねえ、坊や。
よしよし、もう泣かなくていいんだよ。
傷つきやすい儚い命に囚われて不安がるのも無理はないとも。
一体どんな意地悪が坊やをこんなおっかない世界に引っ張り込んだんだろうねえ。
もう泣かなくてもいいんだからね。
昼食のお皿は、骨の破片も油の染みも残らず真っ白ピカピカ。
外はぽかぽかいい陽気、干した真っ赤なエプロンもすぐに乾きそう。
魔女のお婆さんは満腹、ご機嫌。
さて日課のお昼寝をしに行きましょう。
──ああ、その前に森の小道には忘れずお菓子を撒いておかなければね。