第82話 ピヨヨトルネード
「あっ! あれはカクレスナネコ!」
「いけスララ!」
でろーんと伸び、砂に擬態している……つもりなのか?
微動だにしない猫をスララがもぐもぐして吐き出す。
「この猫ちゃんは生まれ育った環境で毛の色が変わるんですよ! かわいいな~!」
「お腹が白いまんまだったけど……仰向けだったし」
「それは……個体差があるのかもしれませんね……」
ふむふむ。
ふむ?
「……金の匂いがする」
「……わかる」
「え? え?」
とりあえず、カクレスナネコは乱獲することが決まった。
色が変わる、丸っこい体がかわいい、猫。
ブリーディングという概念がこの世界にあるかはわからんが、これはいける!
……勝ったな。
◇
「あっ! あれはサンドワーム!」
「いけスララ――え、ピヨヨ?」
ロックワームの近縁種、というよりも育った環境の違いだろうか、とても似ている巨大ミミズ。
こちらは更に大きく、クラーケンの触手程の太さがあり、長さも10mはありそうだ。
そんなミミズに対し、ピヨヨが行きたいとのことなので試しに出してみる。
「ぴるるるる~♪ レージちゅき~♪」
「わかったから! はよっ!」
ピヨヨを出すたびにノノさんが赤面するんだよなぁー何でだろーなぁ。
しかし流石にあの巨体を持ち上げられはしないだろう……そう思っていたら――。
「ぴよよよよよー! ぴっよー!」
「な、何ですか! すっごく回転して――!?」
輪郭がぼやけるほど回転し、そのままの勢いで足からワーム目掛けて突っ込んでいった!
ちょっと!? 大丈夫なの!?
「ちょーっ!? 大丈夫なんですかー!?」
「今俺もそう思ってたとこ……ぴ、ピヨヨー!?」
ピヨヨはワームの口に飛び込み……!
あっと言う間にワームの体から突き抜けてきた!
そんな無茶なこと!
「ぴよぴよぴよ……」
目を回したのか、ピヨヨがぴよぴよ言いながら戻って来る。
「お、おい! あんまり無茶すんなって……」
「ぴよぉ……」
「行けると思ったって? だからって……危ないだろ!」
「ちゅき、ぎゅーちて」
こんな時にまでノノの真似をしなくても……そう思ったが、抱き着いてきたので抱きしめる。
華奢な体で……1歩間違えれば大惨事だぞ……!
けど……スララと同じなんだよな、きっと。
ワームをもきゅもきゅ食べてるスララを見ながら――!
「ぴよっ!?」
「――ぬわっ! これはまさか!?」
ピヨヨが激しく輝きだした!
これはもしかしなくても! 本人も待ち望んでいたはずの!
「これは……うわさに聞く進化ですかっ!?」
「ああっ! やったなピヨヨ!」
「ぴっ……ぴよよよよよよよ~?」
キャンセルもしない、もちろん本人も駄々こねない!
久しぶりの進化!
「ぴっ……よぉぉぉー!」
光が晴れ、徐々にその姿を現していくピヨヨ!
「おぉっ! ……おぉ……」
その姿は……あまり変わらなかった。
前とあまり変わらず、ちんちくりんがちょっとちんちくりんになった感じ。
少しだけ発達したような脚……いや、むちっとした?
身長もあまり変化がない。いや、やっぱりむちっとしてる?
唯一目立った変化をしたのは翼。
一回り大きくなったのに加え、薄いグレーっぽかった色が紫になった!
「ぴっよー! ぴるるるるる~♪」
「……おぅ!」
性格も変わらなさそう。変わったら困るけど!
「……かわいいね」
「そうね」
「そうですねー」
かわいいなら、いいじゃない!
しかしまぁ、通例通りならランクB。
これまでのことを考えると、Aの弱いやつくらいなら何とかなりそうだぞ!
どこがどう強くなったかは……実践あるのみ!
「ぴるるる~♪ ぴぴるぴ~♪」
俺たちの周りを踊りながら回るピヨヨ。
何て言うか……うん。
「かわよ」
「かわよ」
「かわよ」
読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/
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また、こんな魔物が見たい! こんなアトラクションあるよ!
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