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第17話 ピヨヨぴよっぴよっ!


「よし、今日からお前はぴー子だぞ!」


 改めて、先程テイムしたクイーンの娘のハーピィちゃんに名前を付けようと思った訳だが……。


 我ながらよく学習したと思う。

 ハーピークイーン・フライングフューチャーのように良くわからん横文字を並べたところで、結局呼ばないのだ。


 そしてどうせノノが――。


「その名はまずい。ピヨヨで」

「いや別にぴー子でも――」

「ピヨヨ」

「……はい」


 ぴー子なら問題ないと思ったのだが……いつも通りノノさんに名付けられてしまった。


「ぴよっぴよ~♪ ぴるるるる~♪」


 わかっているのかわかっていないのか、ピヨヨが歌いながらくるくる踊っている。


「ほら、ピヨヨもピヨヨが良いって」

「……さいですか」

「ぴよよよ! ぴよっぴよ♪」


 ピヨヨが抱き着いてくる。

 正直可愛い。


 しかし、俺は気付いてしまった。その可愛さが、そして小ささが何を意味するのかを……。


「ピヨヨって……俺を抱えて飛べるのか?」

「今更そこ?」


 ◇


 そんな訳で、飛行訓練をするためにパークの北側に簡易的に作られたハーピィさんたちが住む場所までやってきた。


「ここならスペースもあるし、クイーンたちも見守ってるから大丈夫でしょう!」


 それでは早速……と思ったが、見覚えのある人たちが何かせっせと作っている。


「えっと……ピピンさん、ですよね。何してるんですか?」

「ややっ! これはレイジ様! 気付かずに申し訳ありません!」


 俺に、と言うか人が来たことにも気付かない程集中して何かを作っていたピピンさん。

 魔物管理の責任者である彼が作っている、ということは――。


「これはですね、ハーピィさんたちが人間を運ぶときにお互い楽ができるように籠を作っているところです!」


 差し出されたそれを見てみると、足が引っかかるような輪っかがくっついた籠だった。


 確かにそのままだと肩がズタボロになるもんなぁ……。

 先日の俺とユートも、おそろの肩出しファッションだったものなぁ……。


「それは凄いですよ! しかも昨日の今日でここまで形にできるなんて!」

「いやー! それほどでも! ……姫様に可及的速やかに作れと言われまして……」


 身分差の悲しい現実……。

 いやそれでも凄いぞ!


「物は相談なんですが……早速使ってみてもいいです?」

「おぉ、是非ともお使いください! 使用感とか改善点とかを教えて貰えると助かります!」

「じゃあ早速……ん?」


 しかし、俺は気付いてしまった。ピヨヨの小ささ――。


「ピヨヨには大きいね」

「……」


 悲しみ。


「ま、まぁ! 気を取り直して……ピヨヨ、ハーピィさんたちを呼んできて!」

「ぴよっ! ぴよっ!」


 ぴゅんっと風のように飛んでいくピヨヨ。

 その先でがぁぎゃあ綺麗なようで汚い声が聞こえてくる。


「今は可愛い声のピヨヨだけど、いつか同じになってしまうのだろうか……」

「コンと一緒にピヨヨも見てあげようか?」

「ん? どういう意味?」

「人間の言葉、覚えるかも?」


 あ、確かにクイーンも最初『タスケテ』とか言ってたっけ。

 人間に近い見た目だし、知能も低くないのであれば……いけるかも?


「ピヨヨに言葉を教えてくれるってこと?」

「それは試してみる価値ありますね! 意思疎通ができればお互いの利益になりますし!」


 ピピンさんも目を輝かせて話に乗ってくる。


「ですね。じゃあ、ここに住むハーピィさんたちのことはピピンさんたちにお任せして、ピヨヨはノノに頼んでいいか?」

「もちろんです! 楽しみですねー!」

「ん、レージも一緒に頑張ろ」


 もちろんですとも! 俺の従魔だしね!


「……子育て、みたいね」

「……」


 ……顔を赤らめて言うなよ。事実子育てだけども……。

 別に俺とノノの子って訳じゃあ……。


「……」

「……」

「おんやぁっ? おやおやおんやぁっ!?」


 うざっ! ピピンうっざ!

読んで下さりありがとうございます(/・ω・)/


ブックマーク、誤字報告や温かい感想を頂けると跳んで喜びます!!!


また、こんな魔物が見たい! こんなアトラクションあるよ!

なんてアドバイスを頂けると非常に嬉しいです(切実)


よろしくお願いします(/・ω・)/

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