出会い 01
惑星イレブン。
かつて、この星はそう呼ばれていた。
しかし今は、その名を呼ぶものはいない。
■序章
「うーん、今日の収穫はこれくらいかな……」
砂まみれになった身体を手で払いながら立ち上がる。長時間同じ体勢で作業をしていたせいだろう。固くなった肩をほぐすように回しながら隣で同じように作業をしている同僚に声をかけた。
「じゃあオレは先にあがりますね」
「おつかれー」
軽く別れを告げてその場から少し離れれば日の光が差し込んでいる。薄暗い遺跡の調査は楽しいけれど、時間感覚がわからなくなってしまうことには未だに慣れない。ぐっと背伸びしながら、軽くなにか食べに店にでも行こうかと思案する。
ふと、目に入ったのは天まで貫きそびえたつ塔。いつできたのか未だ解明していない古代の遺物。僕が産まれる前からずっとそこにあって、誰も塔を登れた人はいない。ただわかっていることは、塔の素材は、世界各地に埋まっている遺跡のものと同じものだということ。
だから、オレの住む国はその謎を解き明かすために、遺跡調査という仕事がある。オレはその遺跡調査の仕事をこなすために日夜こうして町外れにある遺跡で砂まみれになりながらも調査している。
未だ謎に包まれた古代遺物。空をも貫くその先には一体なにがあるんだろう…。あまりにも謎めいたその存在をいつか自分の目で手で、解明したい。その気持ちのまま今日までやってきた。そして明日からもまたそれを夢見ながら過ごしていくのだと、オレはそうずっと思っていたんだ……。
のんびり更新していく予定です。
よければお付き合いお願いします。
R6.03.04 投稿