家業(そのさん)-3
雑貨ビルを出ても敵意も殺気も感じなかった。
明らかに大丈夫なのに初めての一人前としての仕事にノリノリな椿はわざわざ遠回りをして目的地に向かっている。
聞いてなかったが時間制限はないのだろうか?
ボクはチラリとソレを見ると時計を何度も確認し焦っている風に見えた。
やはり、、、
ボクはまだまだ遠回りしようとしてる椿を無視して一直線に白鳥ビルに向かった。
ソレもボクに黙ってついてくる。
自然とノリノリなバカ、、、椿が取り残されて居たが足音を大きく鳴らしながら追い付いてきた。
「私だって、分かってるわよ」
分かってるなら回り道はするべきではないと思う。
ソレは何度も時間を気にしている。
無事に終るのかな?
壱
当たり前だが、敵襲等もなく無事に白鳥ビルまでたどり着いた。
問題はここから、、、
「ほら、早くエレベーターでさっさと行くわよ?」
椿を可哀想な子を見る目で見つめた。
「じょ、冗談よ!個室で逃げ道の無いし制御室に敵が居たら閉じ込められちゃうもの!」
意図は伝わったみたいで焦ったように訂正している。
誰が敵でも制御室は真っ先に制圧してる。
そこには監視カメラもあれば電子機器の制御も何でも出来るんだから、、、
もしも、エレベーターに乗るような事があれば乗り込んだら止めて閉じ込めた後、上階から毒ガスや爆弾等色々な方法で暗殺なんてしやすい。
階段にたどり着いたボクは上を見上げて憂鬱な気分になった。
これから24階も登るのか、、、
「元気に登るわよ!」
能天気にイキイキとしてる椿は敵襲やトラップがあるなら階段になるのは分かっているのかな?
きっと分かってないんだろうな、、、
弐
半分の12階に辿り着いたが明らかに椿に疲れの色が見えている。
椿の体力を考えたら余裕なんだろうけど、、、
遠回りと無駄にテンション高く登ってたのが原因なのかな?
ソレは体力が無いのか既に息を切らしている。
「そろそろかしら?」
椿は階段の先を見据えて日本刀をいつでも抜刀出来るようにしている。
「ほら!へばってないで行くわよ!」
ソレを叱咤すると階段を登り始めた。
上階から何かが落ちてきた。
椿は鞘に入ったままの日本刀で階下に叩き落とした。
階下で爆発音が響き渡った。
ボクも椿もビックリしてないがソレは五月蝿いぐらいビックリしてた。
「死にたくないなら急ぐわよ!」
椿はソレに言い捨てると階段を駆け上がっていった。
ボクは手助けをするか迷った。
準備はしているから手助けは出来るけど、、、
これはたぶん、椿が゛一人前゛になるための仕事なんだ。
ボクは階下を眺めながら、モタモタするソレの尻を蹴り飛ばした。
遅筆なう




