第58話 マクシムと王子2
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「以上がベルジック家での事件で、セドリック様は今も健康で病気で倒れる心配など今はございません」
レオは一回り成長したように思う
シドの話しでは小さい身体で刺客にも恐れず立ち向かったと聞いた
「ではルディスというものは助かったんだなマクシム」
マクシムは話しかけられ
少し驚きながらも
「はい。警備隊とともに奪還に成功しました。食事は与えられていたようですが不衛生な場所での監禁だったようで身体が弱ってはいました。すぐに医者に診てもらい今は普通に生活ができております」
「ルーカス様、すぐに帰還できず申し訳ありませんでした」
レオが深々と頭を下げた
「大丈夫だ手紙で近況報告は貰っていたしベルジック家の立て直しに時間がかかったのだろ?モーリスというものが……」
マクシムのこぶしに力が入っていた
「ルディス様が無事帰ってきたことを確認すると同時に病で倒れてしまいました。そのまま数ヶ月でこの世を去りました……」
「モーリスの家族は既に殺されていました。ルディス様が殺されなかったのはセドリック様の暗殺の犯人に仕立てるためにすぐに殺せなかったようです」
「そうか……モーリスという男は既にこの世にいない家族のためにずっと暗殺を企てていたんだな。黒幕は吐かなかったそうだな」
「申し訳ありません。しかし王妃様の毒はモーリスが手配したのは間違いありません。町の商人が見張りと言っていましたので一緒に捕まえ、吐かせました。毒の種類も一致しましたので間違いありません」
マクシムが私を見つめ
「第一王子様願わくば私をルーカス様の元で働かせてはいただけないでしょうか?」
レオも一緒になって
「僕からもお願いいたします。影として役に立つと思います」
「このままベルジック家で執事として働くのはつらいのか?」
「いえ……ただ私もモーリス様……モーリスをスパイにしたアルフォンス国が憎いのです。それはただの暗殺者を雇った貴族か誰かかもしれないのですが、カラという港町のペシャーワル子爵家に侵入した時に気になることもありましたのでこのまま黒幕を突き止めたいと思うのです」
私は大きく頷き、このままだと戦う能力が低く、苦労するだろう。ならば
「今のままでは戦闘能力が低い
少しこちらで学んでから行くといい。
もうすぐ王宮学園の入学が我々にはある。それまでにシドに着いて学ぶがいいだろうアルフォンス国については今、人質がいなくなってすぐには行動に移せないだろうしベルジック家の警備や出入りするもの全て厳重にしているからセドリック殿に危害が加わることはないだろうから」
マクシムもレオも深々と頭を下げた
「「ありがとうございます」」
私は2人に
「こちらこそ礼を言う、ベルジック公爵家と母上を危険から守ってくれてありがとう」
私は一時の安堵で、心のそこから何かが込み上げてきそうだった
少し間を置いてレオが
「ところでルーカス様、姉上が何か私に話があると言っていますが、ルーカス様と姉上は今どのようなご関係なのでしょうか?」
レオは真剣に聞いてくるが私は込み上げて来たものは無くなり一気に顔が赤くなっていった




