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無知な令嬢に罪があるのなら真実を明らかにしましょう  作者: NALI


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第45話 ルディス様のご実家



「毒入りティセットを持って来た、メイドのリリーとそれを頼んだレックスが怪しいのではないか?」

セドリック様は冷静に状況判断をした。


「僕が見る限り、リリーに問題はありません。それよりも昨日のレックス様の行動が気になりなりますし・・・」


僕は言いかけた言葉を一度飲み込んだ。


「どうした?何か気になることでもあるのか?」


「僕はこちらに来て日も浅いからこそ、誰にも情が湧いていません。なので正直に怪しいと思える人物はもう一人います」



セドリック様もマクシムも顔を合わせて


「誰だ?」

「誰ですか?」



「・・・・・・です」



僕は小声で答えた。

マクシムは鼻で笑い、

「それはありえません」


セドリック様は沈黙した。


「あくまでも疑わしいというだけです。必ずしも犯人という証拠はないのです」


「決してレオが嘘をついてると思っているわけではありません。セドリック様、だったら私がその方の無実を証明しましょう」


「そうですね、その方はマクシムが調べるのがいいかと思います。ただ、代理でセドリック様の執事になられましたのでマクシムもご注意下さい」


セドリック様が僕を見て

「ルディスが心配だと昨日は申したな?」


「はい。なので僕は具合が悪いという理由で一旦、休養を取ります。ルディス様のご実家に伺ってみようかと思います。それが事実か嘘かで事の状況は変わります」


「そうだな。ルディス自体は大丈夫かと思うが・・・」


「ただ、僕は10日ほどこちらのお屋敷を離れてしまうので、セドリック様が心配でなりません。マクシム頼めますか?」


「もちろんです。その間はセドリック様の身の安全だけに力を注ぎます」


「決して、毒見していない物や、予定にない贈り物などを不用意にお開けになりませんようお願いいたします」


「あぁ。レオの言う通りにしよう」





❄︎••┈┈┈┈••❄︎••┈┈┈┈••❄︎


そして僕は、ルディス様のご実家に向かった。




ルディス様のご実家は片道5日間はかかる。長い道のりである。

途中の村によったが、ルディス様を見たものはいなかった


「おかしい。5日間ぶっ通しで馬を走らせるだろうか?野宿かもしれないが・・・」



ルディス様のご実家に近づくににつれて、不安になってきた。




少し休憩を少なめにして、急いで目的地に向かった。



4日目の夕方にルディス様のご実家に着くことができた。



「ごめんください。ベルジック公爵家の使いでまいりました」



その言葉に屋敷の方が慌てて伯爵家の方に繋いでくれた。




屋敷の中に通されたが、僕も伯爵家の人間だが、屋敷の大きさは全く違う。辺境地にあり、作物も干ばつが続いて不作だったとか。質素に生活しているように思えた。



中から伯爵夫人が出て来られた。


「今日はよくお越し下さいました。どうぞ中へ」



「えぇ。それより、ルディス様はお戻りになられていますでしょうか?」


この質問に伯爵夫人は不思議そうな顔をして


「え?ルディスは今、そちらの公爵様のお屋敷でお勤めではないのですか?」



悪い予感は当たってしまった。



「ご実家から至急のお手紙が届きまして、一足早くルディス様はこちらに戻られたはずですが?」



伯爵夫人は驚きの顔が隠せない。

「私どもがルディスに手紙を送る事はありえません。家の者になにかあったとしても、あの子に負担や不安を与えないために、こちらからは連絡をしないと決めているのです。あの子は私たちの為に家を出て働きに出てくれたのですから」



夫人の顔色が悪くなっていく


「連絡がない事が何よりも元気な証拠。そう思ってこの12年間会わずにいました。あの子は何か事件にまきこまれたのでしょうか?」


僕の手を取り、必死に息子の安否を確認をする夫人の手はものすごく震えていた。


僕は夫人の不安を取り除くために


「僕より先に屋敷を出たので、先についてるかと思いましたが、僕が抜かしてしまったのかもしれません。公爵家で重要な業務をこなしていただいてるルディス様にお尋ねしたい事があり、訪問した次第です。ご実家で何も問題がないのであれば、僕はこのまま引き返してルディス様と合流して公爵家に戻ります」


「そう、そうですよね。あの子は大丈夫ですよね」


「はい。親子の久しぶりの再会を味わって頂きたいのはやまやまですが、仕事が急用でして」


「あの子はそんなに大事なお仕事を任されているのですか?」

夫人の顔色は少し良くなっていた。


「ルディス様はとても優秀なお方です。僕もとても尊敬しております」


尊敬しているのは嘘じゃない。


「そう。では仕方ありませんわ。お仕事が大事ですから。あの子に私たちは、元気であるとお伝え願えますか?」


「はい。承知いたしました」


「しかし、誰がそんな手紙をかいたのかしら」


「では、僕は、急ぎますのでここで失礼いたします。万が一僕とすれ違いでごちらにもどられましたら、僕が来た事をお伝えください」



「えぇ。わかりました」



「たまにはご実家にお手紙を書くようにルディス様に言っておきますね」


僕は伯爵夫人を安心させるために優しく微笑んでルディス様のご実家を後にした。




僕より先についているはずのルディス様の姿はなかった。


ルディス様のご家族様のどなたも病気などしておられなかった。

手紙を出した事は一度もないと。




ルディス様が行方不明になっている……




近くの村でもう一日滞在して、ルディス様が帰ってくるか確認をしてから


もう一度通ってきた道の村全てに聞き込みをして回ろう。




僕は嫌な予感がして、怖くなっていた。




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