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無知な令嬢に罪があるのなら真実を明らかにしましょう  作者: NALI


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第35話マクシム



早朝、まだ警備以外の者はみんな眠りについてる時に

屋敷内でざわざわと人の話し声が部屋に聞こえ、目が覚めてしまった。


「う・うぅ・・・・誰?」

まだ眠たい目をこすりながら、部屋の扉を開け廊下を確認した。



廊下の前を何人かの使用人とレオがバタバタと前を通り過ぎようとしていた。



「・・・・・・レオ?」




その声にレオが気づき、


「姉上?おはようございます。すみません。もう起きてしまったのですね。騒がしかったでしょうか」



「うん。でも大丈夫よ、レオはもう外出するの?」



「そうですね、私の連れが早くに迎えに来てしまって、挨拶をさせるには早すぎますので、このまま出発致します」



「え?挨拶に来てくれていたの?」


レオは少し困った顔をして、

「彼もいろいろありまして、気持ちが焦ってしまっているようです」


「待って!じゃあせめてうちの客間でゆっくりお茶でも飲んで行ってもらうといいわ」


「いえ、まだ父上も母上も寝ていらっしゃいますので、客人を招き入れる事はできません」

レオは厳しい目つきで答えた。


「レオ・・・・何だか執事みたいね」


その言葉にレオはハッと我に返って

「いえ、彼も嫌がるかと」


「だったら、庭園の四阿で少し肌寒いけどお茶でも飲んでもらいましょう。せっかくのレオのお客様を門前で帰すわけには行かないわ」



「しかし・・・・・・・・・」



「せめて私ぐらいは挨拶させて!」

私はレオについていた使用人にお茶の準備と客人の案内を頼んだ。



「すぐに着替えて行くから、レオは庭園で待っていて」

私はそういうと部屋にサッと入って扉を閉めた



「姉上〜!?」


扉の前で大きなため息が聞こえた気がしたけど、私は無視して自分の準備を始めた。



ジェミーはまだ部屋には来ないから、一人で準備しなければならない。髪型は豪華に結えないけど後ろに1つに束ねて髪飾りでごまかした。


ドレスは部屋着のように着やすいものを選び胸元が見えないようにショールを肩からかけアクセサリーなどをつけなくても、質素に見えないような格好をした。


「朝だし、これでいいよね?」



鏡で身だしなみを確認して、急いで庭園へと向かった。





四阿から話し声が聞こえてきた。



「レオ、すまない。俺が早く来てしまったせいでリシャール家にご迷惑をかけてしまった。執事失格だな・・・・」


「いえ、気にしないでください。私が姉上に見つかったのが原因なのですから」



ヤバい、私のせいで2人ともつらそうだわ。


私は慌てて声をかけた

「おはようございます。本日は私のわがままで庭園まで足を運んで頂きありがとうございます。レオポルドの姉のクロエと申します」


私はきれいなお辞儀をしてゆっくりと顔を上げた。



その時にレオの横に座っていた、赤髪のとても端正な顔立ちの男性が


ガタガタっ


と慌てて席をたった。


オレンジ色の朝日が顔にかかり顔色まではわからなかったけど、その男性は顔色を隠すようにすぐに下を向き、呼吸を整えてから


「レオ様の友のマクシムと申します。本日は早朝でありながら、敷地内に招待頂き誠にありがとうございます」


「いえ、屋敷ではなく、庭園で申し訳無いですわ。ただ、レオのお客様にゆっくりした時間を過ごして頂きたいのです。どうせ今からならどこに行ってもお店も開いてないわ。ならうちでいいでしょ?」

私はマクシム様に優しく微笑んだ。



マクシム様の顔が朝日よりも赤くなっていくのがわかった。


その顔はかっこいいのだけど、とても可愛らしくも思えた。


「姉上ありがとうございます。姉上も一緒にいかがですか?」



レオが席に誘導してくれた


「レオ、とてもエスコートが上手ね。」

その言葉にマクシム様がクスクスと笑いだした。



「そうかな?普通だよ」


「レオにとってマクシム様は、この2年間でこ友人になった方なの?」



「そうだよ。詳しい事は話せないけど、マクシム様は年上だけど私の信頼できる友人の一人だよ」


そう言ってレオがマクシム様を見た。


「いえ、レオ様は私の恩人なのです」

少しだけマクシム様は切なそうな顔をした気がした。そして優しく私に微笑んでくれた。

その笑顔は、全ての女性を魅了してしまいそうな微笑みだった。



私はポーッと見惚れてしまっていた。



「姉上?大丈夫ですか?」


レオの言葉に

「いえ何でもありませんが、マクシム様程の素敵なお方なら街でも人気で、凄く噂が立ちそうですが、一度も聞いた事がないので。皆様の目は節穴なのかしら?」


「姉上!それは遠回しに一目惚れしたと聞こえますが?」

レオは呆れた声で答えた


「え?・・・・・」

私は顔が真っ赤になって


「違います!違います!」

両手で違うと慌てて訂正したけど


マクシム様は私のそばまで来て片膝をつき、

「クロエ様、私のような者にもったいないお言葉でございます。クロエ様のお側に一生いる事ができるのなら、私はこの世で1番の幸せ者でしょう」


そう言って頭をたれた。

「マクシム様は大げさですわ、頭をお上げになって・・・・・・」

とマクシム様の肩に触れマクシム様が頭を上げた瞬間、顔と顔がとても近くなった。


マクシム様の顔がとても赤くなっているのがわかる。でも私もきっと赤かったと思う。

少しだけ見つめてしまった。



「2人とも、もういいですか?」

レオはクスクスと笑っていた。



それから少しだけ、3人でゆっくりした時間を過ごした。









「では、姉上行ってまいります。」

「クロエ様、また会える日を楽しみしております」



「えぇ、2人とも気をつけてね」



そういって私に背を向け馬車に乗り込む2人の表情はとても凛々しかった。






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