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無知な令嬢に罪があるのなら真実を明らかにしましょう  作者: NALI


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第22話 涙の責任




イザベラ様を馬車で王都内にある侯爵家の屋敷まで送ることにした



侯爵家のお屋敷は先日お茶会で来て以来、ご迷惑をかけてすぐのご訪問は何とも恥ずかしい。



イザベラ様の顔はまだ目が充血していて、まぶたをこすったのか少し腫れている。



「イザベラ様大丈夫ですか?」



「はい、すみません。クロエ様に送って頂いて。あの、良かったら、お茶でも飲んで行って下さい」


えぇ!もちろん、せめて言い訳させて頂きたい。

私もこれでもかというくらい頭を上下に何度も振った。



「ふふ、良かったですわ。昨日のお茶会を本当に申し訳なく思っているのです。ただの私の自己満足ですが」


「いえ、誘って頂き嬉しいのです、イザベラ様。私は友人と呼べる方がいません。粗相などあればどうしようとか不安になるのです」

と言って私はイザベラ様にニコっと笑った。


「あの・・・・・クロエ様の笑顔は強敵です」


え?何の敵?



少し顔を赤らめたイザベラ様は屋敷の門の前で馬車を降りて、

私に振り返り

「私、自分を磨く為にがんばります。クロエ様のようになりたいので」



最高の笑顔で答えた。

それは天使が私に舞い降りたかのような気持ちになった。


ただ私の心の奥の黒いものを見られたくないと思うと

素直に受け入れることは出来なかった。




嬉しいとか幸せとか楽しいとかの感情はあの日あのときのを切ない気持ちにさせる。



ん?その前に



私のようになりたい?




「イザベラ様!私はオススメできません!!」



馬車を降りて、少し大きめの声で叫んだ。




その声は静粛なる侯爵家の門の前では屋敷中に響き渡りそうな声だった。



ちょうどそこへもう一台の馬車が到着した。馬車の扉には見た事がある紋章が刻まれている。




王家の紋章だ!!



私は慌てて馬車に頭を下げる。



カチャ



「クロエは誰にオススメ出来ないの?」


第一王子様の声。その声はクスクス笑った。



「クロエ、頭を上げて」


声の主・・・・第一王子様は私のそばまで来て、私の手をそっと握った。



「クロエが何故ここにいるのかな?でも会えて嬉しい」


私は顔をバッと上げた



金色の瞳が私を捉える。



「第一王子様・・・・・」




門の騒ぎに気づいたイザベラ様の母であるサラ様が屋敷の中から出て来た


「あらあらあら、これは第一王子様、ここでの立ち話しより中へどうぞ」

サラ様は優しく私にも微笑んで


「クロエちゃんもいらしゃい」



バッと第一王子様の手を外して、サラ様に向いてお辞儀をした。

「いえ、私は・・・・・イザベラ様を送って来ただけですので、ここで失礼します」


顔を上げた時に見えた、イザベラ様の表情はまた悲しみの顔になっていた。


そうか……その表情は私のせいなんだ


前回の人生で私達は出会わなかった。

この天使を泣かせているのは私・・・・・


第一王子様が私に感心があるのは明白だった

ごめんなさいイザベラ様、私は歩みを止められない


私はイザベラ様の幸せを願う気持ちは本当だけど。


この第一王子様の婚約者になったことであの悲劇が生まれたのかもしれないし

最期に会った優しい人かもしれない



イザベラ様の幸せを願っているのは真実です。

でも私にもやるべき事があります。


私は何もできないようです

イザベラ様はご自身で未来を掴んで下さい。

イザベラ様を思うと心が少し痛む


それでも


私が望むのは、何も知らずに無実の罪で死にたくはない。




たとえイザベラ様を不幸にしても・・・・・















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