第21話 レオの変化
え?今何て言った?
私は想像外の出来事に動揺が隠しきれない。
「お姉様ちゃんと聞きましたか?」
今イザベラ様を応接間に待たせてまでレオの部屋で話しをしているのだけど
レオの話しが理解できない前回と違いすぎる
「えぇ・・・・・お城で第一王子様のお仕事のお手伝いをするのよね?」
「はい。機密事項もありますので、当分こちらの屋敷も領地にも戻れないので、今から領地に戻って今僕が手伝っている父上の仕事の引き継ぎをして来ます。ですが、そのままお城に戻りますので、こちらには寄りません」
(それは僕が領地に行った後はお城ではなく、ベルジック公爵家に執事見習いで入るからだ。お姉様ごめんなさい。本当の事が言えなくて。)
前回レオはずっとお父様のお手伝いをしてリシャール伯爵家を継ぐ勉強をしてた。
前回も王子様方と友人だったかもしれないけど、お城でのお手伝いなんてなかった。
ここでも私は未来を変えてしまったの?
怖い・・・・・前回の結末にはなりたくはないけど。でもまた私の知らない事が進んでいる。
「レオ・・・・・いつ帰る?」
私は少し顔色が悪くなっていた
「お姉様?大丈夫ですか?何か不安なことがありますか?もしかしてイザベラ様と何かありましたか?」
レオは心配そうに私の顔をのぞく。
「僕が帰る時期は、お手伝いの仕事が終わればすぐに戻ります。ただお城では機密事項の案件だと聞いていますので僕には会えません。何かありましたらルーカス様に伝言をおねがいします」
「王子様のお手伝いをしているのにレオにだけ会えないの?」
レオは少し困った顔をして、
「そうですね・・・・・」
「レオ・・・・・レオがもう少し大きくなったら話したい事があったの。でもそのお仕事が終わったら、話せるかしら?」
「それは、今聞けないのですか?」
「…………私も心の準備が必要だし、レオは今急ぎなのでしょう?帰って来る時でいいわ。ただ、私が引きこもっていた屋敷から出た理由を話したいだけ」
レオは少し考えて、
「わかりました。それはとても大事なお話しのようですね。もし、僕が戻って来るまでに話したいと思われたら、ルーカス様に伝言して下さい。すぐに駆けつけますので」
「わかった。ありがとうレオ。お仕事のお手伝い頑張ってね」
「それとイザベラ様は何故いらしてるのですか?」
「あぁ、それは女子の話しだから、レオは気にしないで」
私はそう言ってレオを安心させるために笑顔で答えた。
「お姉様がそう言うのならいいですが、あまり深入りしないようにして下さい。身動き取れなくなりますよ」
レオ本当に8歳なの?
「そうね。気をつける」
「では今から行って参ります」
「いってらしゃい・・・・・・レオ」
レオはお辞儀をしてバタバタと部屋を出て行った。
本当に至急な仕事なんだと思った。
「深入りするな・・・・・か」
そうしたいけど、何故イザベラ様が婚約者にならなかったのか私も気になる。
深入りするしかないじゃない。
私はまた気合いを入れて、イザベラ様が待つ応接間へと向かった。
途中、執事のトーマスにお城への謁見の許可をもらうようにお願いした。
明日か明後日か、お会いできればいいけど。
とりあえずイザベラ様を屋敷に送って、これからの事を考えよう。
さすがにあんなに泣いたイザベラ様を1人で帰せない。
伯爵家に来て泣いたとわかれば、侯爵家と揉める原因になれば死活問題になりかねない。
しっかり言い訳をしなければ。
まためまいが起こりそうなのを我慢して、
応接間の扉をノックする。




