第20話 未来の変化
そうなのよね・・・・・・・・・
前回、イザベラ様は普通に第一王子様の婚約者だった。今こうして泣いて胸を痛める8歳の女の子から私は未来を奪っているのかもしれない。
でも、私にも譲れないものがあるの。
「イザベラ様、僭越ながら申し上げたいことがあります」
「なんですの?」
イザベラ様の瞳から涙は止まらないが、一生懸命に私の話しを聞いてくれようとしている。
あぁ、本当にいい子なのね。
侯爵家のご令嬢は感情を結婚に結びつける事は出来ない。家が親が結婚を決める。それが貴族の令嬢であり、国の繁栄のため。
だから、婚約の話しが無くなったとしても、誰にも相談など出来ない。
伯爵令嬢である私に謝ってまで、第一王子様への気持ちを打ち明けてくれた。私には何も出来ない。だけど、
「イザベラ様、第一王子様のところに行きましょう。このまま何もわからないまま婚約出来ず、他の人との婚約が決まってしまわれたら、イザベラ様もその婚約者の方も納得いく未来でしょうか?なぜなのか知る事が悪い事でしょうか?」
「ふぇ?」
イザベラ様は思いもよらないアドバイスに不思議な声を出した。
「聞くだけです。不敬には当たりません。もし第一王子様がイザベラ様の訪問にお怒りを示すなら、それは私のアドバイスのせいです。私が罰を受けます。なのでイザベラ様はイザベラ様の納得される行動をされて下さい。」
そう、私も未来を変えてでも、あの人生を送るわけには行かない。
イザベラ様の未来が変わったのなら、イザベラ様が未来をまた変えればいい。
「・・・・・・・・・ルーカス様は会ってくださるでしょうか?」
「どうでしょうか?しかし今、会わなければ後悔は必ずします。ダメもとで参りましょう」
「そうよね」
「私が一緒に行きましょうか?」
考えて見れば、なかなかお城には入れない。これはチャンスかも。
「いいのですか?」
「えぇ、では今すぐ謁見の許可を頂く手続きをいたしますね」
コンコンコン
まだ誰も呼んでいない時に扉をノックされた
「はい?」
「お姉様、レオです。急用なのですがお話し出来ますか?」
「クロエ様、私の事は気にせず、レオ様のところへどうぞ。涙が落ち着くまでこちらのお部屋で待たせてくださいね」
「はい、もちろん大丈夫です。すぐに戻りますので、お待ち下さい」
私はイザベラ様にお辞儀をして、扉の向こうで待つ、レオのところへ向かった。
カチャ
「今、イザベラ様がいらっしゃってるのだけど、かなり急用なの?」
「はい。すぐに終わります。ここでは話せないので僕の部屋でいいですか?」
「そうね。レオのお部屋に行きましょうか」
だいたい、私にお客様がいるのに話しがあるのもおかしいし、ここで話せないほどの重要って何?
それはわがままとかじゃなく、重要任務に行くお父様みたいな雰囲気を醸し出している。
レオってイザベラ様と同じ年よね?
全くそんな風に見えない!
最近のレオはかわいいより、少し怖い・・・・




