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自分自身

大変お待たせ致しましたぁ!

これからまた頑張って行きますのでよろしくお願いします!

感想等もしてくださるととても嬉しいです!

それではどうぞお楽しみ下さい!


「悠々真……テメェ何しようとしてるかわかってんのか!?」


榊原は神條に怒りと疑問をぶつける。

彼の目には動揺が見える。

八咫を守るように立ち塞がっている神條は少し笑みを浮かべてまるで余裕そうに答える。


「俺もそこまで馬鹿じゃねぇよ」


「っ!!お前………!!」


歯をギリっと強くくいしばる榊原。

正直、彼にとってこの光景は悪夢以外の何物でもなかった。

正直警察だと言うこと、ホルダーということがバレることすら避けておきたかったのにそれすらどうでもいいと思えるほどに榊原にとって予想外かつ最悪なシナリオである。


「つか、俺お前が警察に属してんのも知らなかったんだけど?びっくりしたわ。それにしても見損なったぞ新太。あとそこの人たちも。こんな一人の女の子を寄ってたかっていじめるなんてよう。本当に警察のやることかよ」


「ああ!?そいつがどんな存在か知ってんのかテメェ!?ぶっ殺されたくなきゃそこどけや!!」


「うっわぁ………でたでた、都合の悪いことがあったらバチ切れする奴ー。そんな奴が警官で大丈夫なのかよ」


「コロス!!」


「落ち着け凪ト」


神條の呆れるような煽りに対して殺意が芽生える桐生を宥める古田。

桐生はハッと我に返り古田にごめん兄貴と謝罪をする。

古田はポケットから取り出したタバコを口に咥え、火をつけながら榊原に視線を移す。


「………それで、この急に出てきた男は?おまえの知り合いか?」


「俺の………親友(ダチ)っす」


「神條悠々真だ。以後お見知りおきを…愚かな愚かな殺人未遂集団の皆さん?」


榊原の返答に癪に触るような自己紹介をする神條。

彼らは何も返事をしないが露骨に神條を睨みつける。

そんな事は気にせず神條はペラペラと喋り出した。


「だってそうじゃねぇかよ。正義のためとか世界のためだからとか大層なこと抜かしてる癖にやってることは危険因子の処理めんどくさいから殺しましょう、考えることもめんどくさい事はやりたくないからターゲットを悪者にしてさっさと殺しましょうとかいう怠惰極まりねぇ作戦じゃねぇか。この理由の何処に不満があんだ?なぁ教えてくれよ、アンタらこの国のエリートなんだろ?それとも何か他に確固とした理由があんのか?なぁなぁなぁ?」


「それは……!………彼女は極めて危険な存在だからです……それこそ世界を巻き込むくらいの……」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ??だから何も考えず八咫がどういう人間であってぇー、どういう事をやって来てぇー、本当に本ッッッ当にこんな事をするような人なのかぁー何でコイツに神焉の巫女が宿っているかも調べずにぃーこんな作戦をしたんですかぁー?はははッ!!こりゃースゲェや!!流石この島屈指の最強ホルダーさん達だよ!!いや本当に、マジで。俺自分に自信なんて皆無だからさぁ本当に自分がやってることが自分にとってやるべき事なのか、実際今何もしてない他人を不幸にしてしまって良いのか真剣に考えちゃうところ何だけど……やっぱトップの人たちってスゲェんだな!」


「……………黙ってください」


天道寺が震えながらも絞り出した声をだす。

彼女の表情は俯いており神條は分からなかった。


「ゆ、悠々真?流石にいいすぎじゃ……?」


八咫は何故か人を馬鹿にするような喋り方をする神條を不思議に思い止めようとする。

だが神條は止まらない。

そんな事は知らんとばかりに口を動かす。


「いやぁ最高に傑作だわ!!そんな思考もしねぇような奴らが勝手に正義を名乗って、こぞって一人の女の子をこんなになるまでズタボロに痛めつけて、挙げ句の果てには始末するとかカッコつけながら人殺しにはしるんだもんなぁ!!とんだ幼稚なヒーローごっこだぜ本当!最後に教えてくんね?どんな気持ち?自分の対して考えてないくだらねぇ薄っぺらい考えで!まるで支配者や神にもなった気分で!今の今まで何も悪い事もしてこなかった一人の女の子を、たった一人でも腐る事なく頑張って真っ直ぐに生きてきた女の子を!!勝手に悪人にしてする子供も失笑ものの自己満ヒーローごっこは楽しかったですかぁ!!!!????」


「黙れぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」


天道寺は神條の胸ぐらを掴みそのまま押し倒す。

そして彼に対し馬乗りをして思いっきり頬を叩いた。

だが神條はそんな痛みに怯むことなく彼女の顔を真っ直ぐに見続ける。

彼女は大粒の涙をボロボロと流していた。

そこには第一番隊隊長である天道寺巴ではなく、年相応に感情を曝け出している一人の幼い少女である天道寺巴がいた。


「そんなの、そんなの間違ってるって…!…分かってるに…、決まってるじゃないですか!!どんな……どんな理由ッ……だって………何も、…何もしてない人を……!私たちは……私たちはぁ!殺したく、なんてぇ……あるわけないじゃないですかぁ!!」


嗚咽をしながらも自分の気持ちを曝け出す天道寺。

その言葉に他の隊長格たちは何も言えなかった。

みんな歯を食いしばり、拳を強く握りしめている。

鈴風や朝比奈に関しては涙を浮かべていた。

そんな彼らを見て、八咫は胸が苦しくなった。

こんな人たちにわざと殺されようとしていたのかと。

こんな苦しい思いを胸にして、彼らは戦っていたのかのと。

だが、神條はそれでも表情を変えず真剣な眼差しで彼女を睨む。


「だったら自分が思っているようにすればいいじゃねぇかよ」


淡々と事実だけを述べていく。

まるで故障した機械のように淡々と。


「………無理、ですよ」


「何で?」


「もし彼女に意思が無かったとしても暴走してしまったらどうするんですか………?もし彼女の力を悪用するような人が出て来てしまったらどうするんですか………?その時は私たちじゃ止められないかもしれない……もしそうなってしまって誰かが死んでしまうなら私たちが苦しい思いをしても………」


「お前さぁ………実は結構馬鹿なの?」


「ばっ…!?」


神條の急な発言に天道寺は固まって驚愕する。

彼は馬乗りしている天道寺をどかし、身体を起こして立ち上がる。

そして何驚いてんだと言わんばかりに語り出した。


「もしもとか、でもとか、そんな可能性考えるなんて意味あんのか?確かにそうなってしまうかもしれない。だけどそうならないかもしれないだろ。人の未来の事なんて誰もわかるわけないんだから」


「た、確かにそうですけど……!」


「そんなわっかんねぇような可能性を考えるよりもさ自分の本音に従ってみたらいいだろ」


「で、でも……もしそれが間違えている選択だったら………」


「そんなことなんてねぇよ。いいか?俺の言ってんのは他人から見た正解不正解じゃねぇ。自分自身が正しいと思っているかどうかなんだよ。自分の考えを他人に委ねてんじゃねぇぞ。他の奴が思ってる正しいか正しくないかなんて人によって違うんだからさ」


「あっ……」


神條の答えに圧倒される天道寺たち。

神條はそのまま八咫に近づきお姫様抱っこをする。


「ちょっ!?」


「おいおい、暴れるなって。そんなぼろぼろなのにさ」


急なことに八咫は頬を赤く染めてあまりの恥ずかしさに少し暴れる。

だがそんな事お構いなしに神條はその場から急いで去ろうとする。


「お、おい悠々真!」


榊原は去ろうとする神條を止めようと手を伸ばすが神條はその手を軽く避ける。

そして笑みを浮かべ、またなと囁くと不意をつくように超高速で逃走してしまった。


「やばいですって!?散々文句言った挙句逃げちゃったんですけどぉ!?」


「も、もう見えない……」


「すごい人だったね……」


もう遥か彼方に消えていった神條の方を見ながらそれぞれの心境を述べていく。

もはや嵐のような男であった。


「クソが!!適当なこと言いやがってあの野郎!!」


桐生は近くにあった瓦礫を蹴り飛ばす。

彼の言葉が気に障ったのか無性にイラついていた。

そんな中でも古田はあくまで冷静に指示を出そうとしている。


「とりあえず、街の至る所の防犯カメラを確認しよう。いち早く神條悠々真と八咫眞尋を見つけるんだ」


「……それまでどういたしますか……?各々方……?」


黒鉄の問いに誰も答えることができなかった。

それほど神條の先程の言葉は言い方はどうであれ彼らの心に刺さるものだったのだろう。

重い空気が漂う中鈴風が小さく呟いた。


「やっぱりボク、やりたくないよ……」


「あぁ!?何言ってんだアキテメェ!!」


「………実は自分もで……」


「黒鉄…!おまえもそんな馬鹿なこと…!?」


弱気な発言を零した二人に怒りをあらわにする桐生。

だがそんな彼の圧に屈することなく彼らは本音をこぼす。


「だってさ……本当に八咫さんは悪いことなんて自発的にやってこなかったじゃないか………ちょっと前に古田さんも言ってた通り、国の中に黒幕がいるかも知れないって言ってたし彼女は被害者じゃないか…………」


「自分も……鈴風殿と同意見です………黒幕がいるのなら其方を先に取り押さえれば何か分かるのではないかとも思いますし………」


「その件については後回しにするってまとまったじゃねぇか!?それよりもまずは善良な市民の完全な安全を優先すべきだろ!!」


「………あのー、朝比奈気づいちゃったんですけど……いや、やっぱり何でもありません」


「なんだよ!歯切れ悪りぃな!!さっさと言えや!!」


「いや、彼女だって元々守るべき善良な市民の一人だったなーって……」


「ッ…!!」


朝比奈の言葉に桐生は完全に言葉が出てこなくなった。

そんな事は彼だって分かっていただろう。

分かっていて、何処か否定し続けてきた言葉だったのだろう。

クソッ!と桐生は悪態を吐き、近くにあった壁をぶん殴る。


「榊原と天道寺はどうする……?」


音無は心配の眼差しを二人に向けて問いかける。

二人は俯き何も喋らない。

恐らくショックや色々な考えがぐちゃぐちゃに混ざりあって上手く言葉に出来ないのだろう。


「………とりあえず……」


天道寺がゆっくり口を開き、弱々しい声をだす。

普段の彼女を見ている音無たちからすれば考えたことのないほど弱々しい状態であった。


「とりあえず……一度……休みませんか………?そしてもう一回だけでも話し合いたいです……彼女のことや、神焉の巫女のことを…………………」


「………うん、そうだね。いっぱい話そう……多分、今のボクたちにはそれが必要だと思う……」


そう話していると古田は深いため息を吐き、その場を去ろうとする。


「どこ行くんです?」


「いや、ちょっと気になったことがあってな。少し調べてくるよ。どうせ話し合いの時間もあることだしな」


「チッ!!みんなどうかしてんだろ!」


吐き捨てると桐生はその場から去る。

このなぁなぁな空間に嫌気がさしたのだろうか?


「榊原さんは……どうします……?」


「そう、だな……」


朝比奈の問いに対して、榊原は夜空を見上げて考える。

満点の星空を眺めてじっくりと考える。

だが分からない。

これからどうするべきか。

どうすればいいのか分からない。

そんな時だった。


「あっ」


彼は前に同じ隊の副隊長である霧島有栖の言葉を思い出した。


『どうせなら声を聞いてみなさいよ。そうしたら見えてくるかもしれないわよ?』


「なるほどね……」


榊原はフッと軽く笑うと颯爽とその場を後にする。


「えっ!?ちょっとぉ!榊原さーん!?」


朝比奈の声が聞こえてくるがそんな彼女を無視して自分のスマホを使い、待機している自分の隊に連絡を入れる。


『はぁい隊長ー五十嵐ッス。今どんな状況……』


「大至急今から言う所に足を用意してくれ!」


『えっ?はっ?えっ?』


「あと雨宮に今から言う人物が何処に居るのか探って欲しい!!マジ迅速に頼むわ!!」


『ちょっ!?いきなりなんスか!?分かりましたけど…探す人物は八咫眞尋ッスか?』


「それもそうだけど他にいるんだ」


?が浮かんでいるであろう彼女に先程の親友の顔を思い浮かべる。

そして、笑いながらその名を告げるのだった。


「神條悠々真!ついさっき八咫眞尋の味方になっちまった俺の最高の親友だよ!!」


『はぁ!?』


その発言に五十嵐が困惑してしまったのは言うまでもない。



〜葉山の病室〜



「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!ひっ、ひっ、ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


まるで狂ったような(元から狂っている)笑いをする葉山。

其れをドン引きしている目で八咫は見ており、神條は何か文句ありますかと言わんばかりの目で彼女を見ている。

机をバンバンと叩きなんとか笑いを堪えようとするが全然堪えることが出来ず笑い続けている。


「何もそんな笑わなくてもよくないか?」


「ハッハッハァッ……クククッ…!!いや、ムカついたからって異能じゃなくって言葉の正論パンチで煽り散らかすのは面白すぎるだろう!ひひひっ!ヤバイヤバイ…!笑いすぎて死んでしまうよ本当!!はっはっ…ハァッハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」


「アンタに異能ぶち込んでやろうかコラ」


流石に笑われすぎてムカついてきたのか脅す神條だったが葉山は知ったことじゃないと言わんばかりに爆笑している。

痺れを切らした神條はついにキレてしまい外に出てしまった。


「あっ!待ってよ!」


八咫はズカズカと出て行った神條を追いかけて行く。

彼は出入り口の前の階段でくつろいでいた。


「あぁぁぁぁぁぁぁ!ムカつくわぁ!!あんなに笑わなくてもいいだろ!!」


「まぁまぁ……葉山さんらしいじゃん」


うがー!とキレ散らかしている神條をステイステイと落ち着かせる八咫。


「それにしても私の場所なんで分かったの?しかも結構遠かったのによく間に合ったね?」


「あぁ、場所に関してはあのイカれ女が八咫に発信機付けてたらしいからそれで分かったわ」


「嘘ぉ!?いつの間に!?っていうか普通に犯罪なんだけど!?」


「それは葉山さんに言ってくんね?まぁそれで分かったから有難かったし………ぶっちゃけあの災害みたいな光景でどのみちな説はあるけどな」


「それで?どうして追いつけたの?もしかして、悠々真の……」


「そう!よく聞いてくれた!!」


露骨にテンションが上がった神條に八咫はわかりやすいなぁと心の中で思う。

神條はしょうがねぇなぁと言いながら自慢気に語り出す。


「俺の異能力は英雄の力(アライヴフォース)って異能なんだよ。能力は自分自身を強化や拡張、変化できるってやつらしい」


「へぇ〜、強そうだね」


「だろ!?しかもさ見ててくれよ!」


そう言うと神條は右手を前に掲げ目を閉じて集中する。

彼の手のひらに光の粒子がのようなものが周辺の空気から集まっていく。

まるで蛍のような小さな優しい光はどんどん集まっていき手のひらとほぼ同じサイズになる。

神條は目を見開き、その光の集合体を握りつぶす。

するとバギィィィンと光はガラスが割れた音を立てて形を変えていく。

どんどんと形を変えていき、光が消えると神條の手元には一振りの半透明な西洋の剣が握られていた。

とても美しい刀身で少し儚いような気持ちになる。


「わぁ……綺麗……」


「異能でイメージを極限まで高めて拡張、そんで自分の生命エネルギーと辺りにある生命エネルギーを上手い具合に適合、変化させて出来んだよ。どうだ?八咫の能力には及ばないかもだけど結構スゲェだろ?」


「いや、凄いよ!こんなに綺麗な剣初めて見たかも!」


いやぁっと完全に嬉しくなって舞い上がっている神條。

そんな神條に対して八咫はふと気になったことを聞く。


「ねぇ、悠々真はどうして来てくれたの?」


「えっ?どうしてって………」


「私を助けたら悠々真はもう元の生活に戻れないんだよ?それだけじゃなくて悠々真の家族にも迷惑をかけることにもなるし……」


「大丈夫だよ。まず俺、家族もういねぇんだ」


「……………………へ?」


急な神條の告白に八咫は目を丸くしてしまう。

神條は作った剣を弄び、自分の過去を思い出しながら話す。


「まず母さんは病弱だったらしくてさ、俺を産んだ時に死んじまったんだ。ばあちゃんもじいちゃんも俺が三歳くらいの時に衰弱死したから親父一人に育ててもらったんだよ。しかも親父は俺に基本ゲロ甘でさ、確かに厳しいところもあったけどずっと俺の為に頑張ってくれてたんだ」


「………そうなんだ」


「でも、そんな日も続かなかった」


神條は悲しい顔を浮かべて剣を空に投げ捨てて寝転ぶ。

剣は持続出来なくなりまた光の粒子へと戻り消えていった。


「七年前、ある事故が起こった時、逃げ遅れた俺を助けたせいで親父は死んじまったんだ」


「えっ……!?」


「正直あの時は本当にヤバかったよ。本当に死んでしまおうとも考えた。そんくらい俺にとって大切な存在だったから……でもそんな俺を当時から友達だった新太のおかげで復活出来ましたとさ。おしまいっと」


「そうだったんだ………辛いこと思い出させてごめん」


「まっ昔の話だし今は気にしてねぇから大丈夫だって」


謝る八咫に対して神條は全然気にすることなく寧ろ吹っ切れた様子であった。

八咫は神條と同じく寝転がり夜空を見上げながらため息を吐く。


「でも、羨ましいよ。そんなに愛してもらって……私なんて最低最悪な親だったからさ……そんな態度を一個も見せてくれなかった分余計タチ悪いし」


「………八咫」


「あーあ。本当神様って私のこと嫌いなんだなー。まっもういいけどさ」


「……ちょっとこっち寄ってくんね?」


「へ?なんで?」


「いいから」


八咫は不思議がるが神條に言われるがまま神條に近づく。

神條は素早くスマホを取り出しインカメにして、


「はいチーズ」


「ふぇ!?」


パシャッといきなり不意打ちのことに困惑する八咫。

神條はクスクスと笑い写真を得意気に見せてくる。

そこには驚いた表情を浮かべる八咫と笑顔の神條が写っていた。


「びっくりしたぁ〜どうしたの?」


「いやぁ俺写真が家族と新太とのやつしかないから新たな思い出として件、元気付け?」


「それは嬉しいけど……私なんかでいいの?」


「えっ、いや、その……」


疑問に思い見つめてくる八咫に少し顔頬を赤らめ、視線を逸らす神條。

そんな神條を見て察してしまったのか八咫も頬を赤らめて顔を逸らしてしまう。


「えっあっふーん……そー…なんだぁ………」


「いや、違っ…!えっとぉ…あっ、と、友達としてなっ!!」


「あっあっ、そ、そそうだよねぇ〜!あはっ…あはははっ……!!」


元気づける為にやったことが何故か変な空気になってしまう二人。

そんな二人を葉山がニヤニヤと笑いながら密かに覗いて居たのに気付くのはあと数分先である。




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