相方がユーチューバーになりたいと言い出した
「俺には、なりたいものがあるねん」
「なんやねん、藪から棒に。力士か?」
「ちゃう! 体型で判断すな」
「わかった! 実写版ノリスケや」
「もっとちゃう! あんな。ユーチューバーになりたいねん」
「ユーチューバー? ユーフォニアムとチューバの合体か?」
「ちゃうちゃう。ユーチューブという動画投稿する場があんねん」
「大阪駅前にもある?」
「あるかい! 実在する所とちゃう」
「実在しないとなると、ペーパーカンパニーみたいなもんか?」
「全然ちゃう! とりあえず、スマホ出せ」
「出したフリでええか?」
「メタ発言をすな。黙って手を構えんかい」
「これでええか?」
「出したな。ほんなら、まず、アプリを開け」
「アプリ? 果物の仲間か?」
「アプリコットとちゃう。アプリケーションの略や。ホーム画面にアイコンが並んでるやろ?」
「まだ、愛犬の写真やけど?」
「はよスワイプせんか、どアホ!」
「そない怒らんでもええやん。ほんで?」
「これをタッチしたら、サイトに飛ぶ」
「へぇ、スマホは時空移動装置やったんや」
「いや、ホンマには飛ばへんよ?」
「えっ。飛ぶん? 飛ばへん? どっち?」
「サイトに接続することを、飛ぶと言うんや。ええから、はよ押せ!」
「カリカリしなや。ポチッとな」
「ほら。ぎょうさん動画が並んでるやろ? こういうことをしたいんや」
「こういうこと」
「そう」
「どういうこと?」
「だから! 自分で撮った動画を、こうやって色んな人に見てもらいたいっちゅうこっちゃ。おもろそうやろ?」
「せやろか? 十年後あたりに、消せない黒歴史になってそうな気ぃするなぁ」
「そんなことないやろ」
「いやいや、冷静に考えてみ? この姿が、インターネット上に流れるんやで?」
「そうや」
「この姿やで?」
「そうや。ええやないか」
「コニシキかよってコメントが来るかもしれへんなぁ」
「そこまで肥えてへんわ。ええ加減にせい!」
「どうも、ありがとうございました!」




