表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/4

プロローグ


 ――君が世界で一番好きだ。


 そんな言葉をすでに三十六人に囁いている。

 いや、三十六人というのはあくまで僕が記憶しているカノジョの数なので、本当はもう少し多いと思う。記憶にすら残らなかったカノジョやセフレ、はたまた近所の中学生に対しても似たようなセリフを吐いたような気がする。


 こうして振り返ってみると、我ながらどうしようもないクズである。高校生にして三十人強と付き合い、その全員と肉体関係を持っているというのは、異常のそしりを受けても仕方ない。


 けれど、その時々の彼女が世界で一番かわいく思えたのは事実なのだから仕方があるまい。

 頬を赤く染めながら、はじめてを捧げてくれたアカリちゃん。

 旦那さんより僕が好きといってくれたマキさん。

 軽自動車を買ってもなお、お釣りが出るほど高い腕時計をプレゼントしてくれたセフレのお姉さん。

 そんな彼女たちに僕はときめき、愛の言葉を紡ぎ、体を重ねるに至ったという事実は決してむげにしてはいけない。僕はそう思う。


 しかしながら、その三十六人のカノジョたちとは、性格の不一致が原因で別れざるを得なかったけれど。

 その性格の不一致というのは、精神的なもの、平たく言ってしまえば、彼女たちが総じてメンヘラと成り果てることなのだけど……

 高校生である僕には、そんな彼女たちを支えることができないからね、仕方ないね。

 というか、勝手に精神を病んで異常行動に出たのはカノジョたちなわけだし。

 むしろ、僕は被害者だ。


 だから僕を『ヤンデレメーカー』と呼ぶのは不適切。

 ヤリチンというのはもってのほかだ。

 僕は今まで付き合ったすべての女性を愛していたのだから。

 それに箱崎はこざきハルトは三十七人目のカノジョである、千早ちはやチトセを世界で一番愛しているのだ。

 今現在は確実に――


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ